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脇役語り  作者: ふりまじん
パラサイト

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50/438

作者、パラサイトを振り替える50

「グダグダ言っていても金にはならないわっ(T-T)

春なんて、あっと言うまですもの。


それまでには、千円でも…現金化出来るようにするんだわっ。


私の3年をここにぶつけないでどうするのよね?

コロナだし……もう、剛が金を稼ぐなんて、今回を逃したら、もう無いかもしれないもん。


気分は甲子園よっ。高校野球よっ(;_;)


もう、これで行けなきゃ、死ぬしかない気がするっ。主に年齢的にっ。」

作者は、芝居がかったような強い抑揚でそう言って気分を持ち上げながら、話を続けた。


「とにかく、次回予告を作ってみましょう。」

作者は、真剣に私を見る。

ある意味、命がけの一回にかける志が伝わってきて、私も、真面目に作者を見る。

「次回予告とは?」

「だから、あなたの土曜ワイドの話を聞いていて思ったのよ。


私は、客へのアピールや、作品の売りどころがわかってない事に!


フリマのサークルなのに、大事なことを忘れていたわよ。

完結ばかり考えて、何をアピールして売るべきかを考えてなかった事に。


この『パラサイト』は、誰に売りたくて作っているの?

なんのための物語で、いくらの価値があるの?


それらが分からない商品なんて売れないわ。


フリマに来る客は、とにかく多彩で、鍋の蓋から、使いかけのシールまで買って行くけれど、

だからって、御座の前にぶん投げたら売れるってわけじゃないわ。


私の売り口上でその気になるんだもん。


確かに、私の話では、千円の文庫の価値は無いかもしれないわ。

でも、フリマの100円なら、買ってくれるかもしれないし、

その為に、一生懸命説明するわよね、


特に…こんな目茶苦茶な状態なんだから、これを売るには、売り子の超絶トークが必要なんだわっ。」

作者は、真っ赤になりながら一気にこの長台詞を捲し立てた。


「超絶トーク…」


私は、グラスにその言葉を投げて、三杯目の酒にブルームーンと言うカクテルを頼んだ。


美しい紫色のそのカクテルは、バイオレットリキュールとジンで主に構成されている。


ジンは、イギリスの名酒、ビーフィーターをチョイスした。



「洒落た飲み物を頼んだわね?」

作者は、おかしな妄想からカクテルに気を削がれたようにグラスを見る。

「ブルームーンと言うお酒です。」

私は、そう言ってグラスに口をつけた。


この酒には、二つの意味があると言う。

『完全な愛』と

『出来ない相談』

まさに、現在の作者の心理状態のようです。


私の場合は、未完のおかしな物語を売るなんて…出来ない相談です。


「ブルームーン…か。そんな探偵社のアメリカのドラマがあったわね。


なんか、主演のデイビッド役をしていたのが、ブルース・ウィリスらしいわ(゜-゜)


内容忘れちゃったけど…

でも、なんか、雰囲気だけは知ってる気がするわ。

私も、そんなお洒落な探偵ものを書きたかったわ。」

作者は遠い目で呟いた。


「落ち着きましたか?」

私は、ブルームーンに軽く酔いながら作者に声をかけた。

作者は、私をみて苦笑した。

「うん。なんか、色々とハッチャケて来たわ。

そうよね、私、ふりまじんだもん。

フリマのように売ってみたって良いのよね。」

「まだ、そんなことを…。」

私は、呆れながら作者をみた。

作者は、そんな私に酔いの力も借りて自信満々に笑って言った。


「あら、私、なんか、肝が座ってきたわよ。

色々と悩んだけど、Web小説は、Web小説なんだわ。

完璧が欲しい人もいれば、ジャンクを楽しむ人だって居るのよ。きっと。


私は、手にしたものを売れば良いんだわ。


フリマのときのように。」


作者は、嬉しそうに天井を見上げています。


が、私には意味が不明です。


不明ではありますが、悩みから解放された作者の笑顔に、今は、何も言わずに喜ぶことにしました。


明日…よいが覚めるその日まで、楽しい気分にさせてあげましょう。


未完と商売…相入れない二つを重ねて楽しむ作者の横で私は、ブルームーンの甘い香りに酔っていた。


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