作者、パラサイトを振り替える38
「とりあえず、長山のプロフィールを書くわ。
8月に終わらせたいし、もう、何がなんだかこんがらかってきたわ(;O;)
時影…長山には名前あったわよぅ。
あの辺り、見るの苦しいんだけど、進めるしかないわ。」
作者はジャンボ餃子を箸でつつきながら一気にわめく。
「長山達夫…確かに、脇役語りの私とした事が…すいません。」
私は、混乱する『パラサイト』の世界に気が重くなる。
従来、物語とは一度作者の頭で作られた話を文章化する作業なので、ストーリーの流れは一つの川のように流れている。
しかし、この物語は、推理小説を目指したせいか、登場人物が個別にミステリーを持ち寄って闇鍋パーティを始めているのだ。
それを制御できないどころか、作者が振り回され、その度ごとに登場人物の書記をしているような感じなので、私も感度が悪いのです。
「別に…怒ってないわ…、と、言うか、泣きたいわ。
なんだろう?読み返すのが辛い…(T-T)
これ、ホラー風味のSFミステリーのはずなのに…
なんか、笑いが込み上げてくるわ…
これ、本当に完結できるんだろうか。」
作者はそう言って、ジャンボ餃子にかぶりついた。
「出来ますよ。」
私は作者を見ながら穏やかにそう言った。
この話を完結出来なければ、私の作者はきっと、やる気をなくしてしまうに違いありません。
8万字を過ぎるところまで書いたのです。
山で言うなら、9合目。
ここで諦めるわけにはいかないのです。
「心にも無い事を!」
作者は吐き捨てるように呟いて、三つ目の餃子に八つ当たりをする。
「それはお互い様でしょう?
夏休みに書ききるつもりなのでしょ?
アルファポリスで丁度良い公募をしていますから。
これを逃したら、当分、小銭を稼げそうな公募はありませんからね。
次はBLみたいですし。」
私はわざと公募の話をして作者の気を引いた。
作者は、三つ目の餃子を飲み込んで、フランボワーズのフレーバリーの烏龍茶で口をさっぱりさせると、少し、からかうように私を甘く睨んだ。
「そんな言い方してると、アンタを主人公に、本当に書いちゃうかもよ?BL。
と、まて、」
と、作者が真顔で何やら考え始めました。
嫌な予感がします。
「そうか!『パラサイト』って、秋吉と池上がそれっぽいし、ここで落選しても、その路線で再起復活を…」
「いけませんっ!」
私は、混乱する作者にカツをいれる。
「もう、貴女は!!
ボーイズ・ラブは、お仲間が嫌がるって言ってませんでしたかね?
それに、池上が嫌がりますよ。いい歳なんですから。
キャラクターが嫌がることを金のためにさせる事は、私も、読者も許しませんからね。」
私は不機嫌になる。
童話とファンタジーの世界に変えるために三年頑張ってきたのに、それは裏切りです。
そんな不機嫌な私を作者は困ったように見つめる。
「でも…精神的なBLの名作は昭和にもあったし、
戦国武将ものは、その手の雰囲気も漂っての魅力があったからなぁ。
(´ヘ`;)そうね、すこし迷走しているわね。私。
でも、寄生虫の色んな話を調べているとね、
もう、BLくらい、別にどうでも良くなるのよ(T-T)
そんな虫を嬉々として語る、池上を思うと、どんな形であれ、人の恋ばなが…そんな話が恋しくもなるんだわ(>_<。)」
作者はしばらく、寄生虫とゾンビ化する宿主の不気味な話を私にして、
それから、美味しそうに四つ目のジャンボ餃子を口にした。




