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脇役語り  作者: ふりまじん
パラサイト

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34/441

作者、パラサイトを振り替える34

「しかし…面倒ね(T-T)

一人称って、色々面倒くさいんだわ…


今まで、知らなくても適当にまとまって終わっていたけど、一人称って、視界が主人公で描かれるし、

主人公の感情に引っ張られるから、主人公をバランスがいい人じゃないとミステリーはダメなんだわ。」

作者は深くため息をついた。

「ジョン・ワトスンのような?ですかね。

でも、池上も常識人でいい感じの人柄でしたよ?」

下唇を噛みながら恨めしそうに作者は私を見つめて聞いている。


「確かにね、一見、池上はいい感じの語りだわ。

でもっ、それが罠なのよっ(;_;)


やられたわ…。全く。


池上は、常識人で穏やかなタイプの人間だわ。


でも、無視好きのコアな趣味人でもあるのよ(T-T)

この話を当初の一万字で書ききるなら、

雅苗の旦那の若葉溶生(わかばときお)を悪者に設定して話をしなければいけなかったのよ…。

でも、池上が溶生の曲のファンで大好きだから、溶生を疑ったりしないし、好意的なんだもん。


恥ずかしいけど、私、知らないうちに池上の印象に影響されて流されていたんだわ。


ついでに、愛人のレイも早めに登場させて、失踪宣告を前に、奥さんの財産を狙う悪者展開にしておくべきだったわ。」

作者は眉間にシワを寄せる。


「ここまで来たら、今さらな話ですがね。」

私は作者を見て苦笑する。

『パラサイト』は、既に最終段階まで進んでいて、レイを三話で登場させるには無理があります。


「わかってるわ…。それに、常世虫とか、ファンタジーな虫まで出てきて、北城が暴走してるから、どうにもならないわ(T-T)


三話で増やすのは、雅苗の話かな。

無意識に隠したい心理で触れてないけど、

仕事の現場や情況を話すのに、長山が溶生の話をしてないのは不自然だもの。

この話のプロローグの地方局員って、多分、長山の事よね?

長山が何かをたくらんでこの企画を受けたのは確かだから、三話でそんなそぶりがないのは、逆に不自然だわ。

次は、この辺りの話を広げてみましょう。 」

作者は話ながら段々と落ち着いてきて帳面(ノート)を取り出してなにやら書き込み出した。


「そうですね。雅苗と長山の関係、雅苗のプロフィールに迫ってみるのも悪くありませんね。」

私はそう言って作者に微笑んだ。


心地よい初夏の風をほほに受けて、作者はとても穏やかに微笑みかけてくる。

少し疲れて、年齢を重ねたその目元に、

それでも変わらない、素直な好意を見つけて、私は胸が少しいたくなる。


とても心地よい風景なのに、どことなく切ない、そんな焦燥感に誘われて、私は思わず視線をそらせて空を見上げた。


「今年の夏も、一緒に海に行けるといいですね。」

私はその青空に思わずそう口にした。


「海Σ( ̄□ ̄)!

海岸の変なネタを書いてから、もうすぐ一年になるじゃない(;_;)


もうっ!!なんでもいいから終わりたいわぁぁ(T-T)」


作者の絶叫が青空に吸い込まれていった。


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