作者、パラサイトを振り替える32
「そう、この話は怪談だったのよ。
話もシンプルな男女のもつれ…、
雅苗は、夫、溶生と愛人のレイに殺されるんだわ。
そして、温室に埋められるの。
よくあるそんな話だったわ。」
作者は苦笑いを漏らし、話を続ける。
「一万文字だもの。出来るだけ、おやくそくで物語を作って、文字数を減らしたかったわ。
そうね…、今のプロローグをそれに合わせるなら、地方局の先輩局員は長山になるのでしょうね。
彼は、倒れている溶生を見つけて一番に雅苗の犯行を疑ったわ。
だって、遺伝子操作して作り出した殺人虫の話なんてするんだから。
始めに警察ではなく、救急車を呼んで、故意に部屋を荒らしたのは、長山が雅苗を庇うため。
まさか、殺されているなんて、思いもしなかったのでしょうね?
ガラスを割って家内に侵入し、雅苗の不利になりそうなものをまずは探すわ。
それから、救急車を呼んで、温室に後輩を呼びに行くわ。」
作者はリラックスして一気に話をする。
「でも…なんだか、不自然な気持ちもしますよ?
殺人をおかしたのは、溶生なのですよね?
殺人の動機が強いのは、むしろ溶生の方ですよね?
密室になっているので、泥棒のような第三者が関与してないのは分かりますが、長山だって、いきなり事件現場を荒らしたりする前に、雅苗を探したのではありませんか?」
私は、混乱しながら質問する。
「まあ…この話は、その後、結末が変わるから、本文との辻褄が合わないところはあるけれど、
溶生と雅苗は、欲するところが違う事をまずは把握しておいてほしいわ。
溶生は、雅苗が邪魔なの。なんでも出来て、彼女に依存して生きている自分への憎悪も彼女に被せて消したいと考えているわ。
対して、雅苗は溶生に執着しているわ。
彼を支配したいと感じているの。
自分とはタイプの違う若い女の登場で、それは一段と強くなっているはずだわ。
彼女の欲求は、完全なる所有。殺すことではないわ。
だから、意識の混濁している溶生を見た長山は、まず、溶生の意識の回復に気がいったのよ。
レイが使ったあの、怪しいキノコがあったじゃない?
幻覚作用のある何かを使って、雅苗は溶生を植物状態にして、完全所有をもくろんだと危惧したの。
長山は雅苗が好きだと思われるから、
小説として度々、雅苗の語る歪んだ恋愛話を思い出して、嫉妬が混じったような混乱をしているの。
それは、『シルク』の修二郎の恋の世界でもあるわ。
誰も邪魔できない、究極の…エロスの完成なのよ。」
「エロス……」
「うるさいわね(///∇///)、なんか、知らないけど、江戸川乱歩だったら、そんな風にいうんじゃないかな?
もうっ、知らないわよっ。なんか、インテリっぽい人が表現したら、そんな感じだと思うんだから、
そこは、サラッと流してくれないと(///∇///)
私の地で解説したら、エログロじゃなくて、家政婦は見たになるんだもん(*ノ▽ノ)
せ、背伸びして、げ、芸術的に書こうとしているんだから、変なリアクションはなし!(-_-#)」
作者は、顔を真っ赤にして饒舌に語ります。
こんな時、長い髭は顔の表情を隠すのには有効です。
果たして、この作者の芸術的なエログロ作品の行方は…
考えるだけて楽しくなる、この気持ちは内緒にしておかなければいけません。
変なりアクション、変なリアクションの事です。この誤字、面白かった。




