作者、パラサイトを振り替える31
「はぁ…改編って面倒ね(T-T)」
作者は頭を抱えて叫んだ。
その声に、蓮の精が驚いて固まっている。
「大声を出しても解決はしませんよ?
さあ、冷たい烏龍茶でも召し上がって心を落ち着けてください。」
私は、陶磁の薄い茶碗に注がれた翡翠色の美しいお茶を作者に渡した。
「ありがとう。」
作者はばつが悪そうに小声で呟いて、眉を寄せながらお茶を一気に飲み干した。 瞬間、作者の顔が水を得た水中花のように笑顔になる。
「なに?これ、すごく美味しい!
ライチ?マンゴー?なんか、南洋系のフルーツ風味のいい香り…。」
作者はそう言って痺れてるうな、甘い笑顔で目を細めた。
「気に入ってもらえましたか?
それは、台湾烏龍茶のブレンドティーです。ライチに白桃が少し、隠し味で入っています。」
私は、穏やかな笑顔を作って、給仕をしてくれた妖精を労った。
「うん。ありがとう。
さて、始めようか(T-T)
一万字の時の物語を。
一度、あらすじを通して、そこから、今の作品から、影響のある部分を削除して、新しい話にあうエピソードを加えないとね(T-T)
本当に面倒くさいわ…
ネタバレ…になるかはわからんけど、気になる読者は見ないでね!」
作者は明るく笑って、それから続きを始める。
「さて、『パラサイト』は、元々は『オーディション』の読者へのアンコールの意味がある物語だったわ。
だから、物語のすじはサラッとよくある話で、
『オーディション』での謎を少し解決するような流れにしたわ。」
「肉食の繭を作る昆虫…ですね。」
私は、ブックマークが一つ消えてから、ネットで昆虫を探していた作者を思い返していた。
「うん。蚕の仲間は前に調べて肉食が居ない、もしくは希少なのは知っていたけわ、だから、アオムシサムライマユコバチは、なかなかいい拾いものだったわ。 だから、この寄生バチを知って、夏ホラーの為に作った話を思い出したの。
夏ホラーの為に『トミノの地獄』を使いたいと話を考えていたけど、テーマが合わなくて没にしていた話。」
作者は目を細めて夏を懐かしむ。
夏と言いましたが、書く方は、冬から話を探し始めるのです。
100周年記念で、この詩を取り上げたいと一年前から考えてはいたので、没は少し心残りだったのです。
年末に投稿のチャンスが来たのですから、多少の無理をしたくなったのでした。
「そうでしたね…。でも、あの話は、もっとシンプルだったと、記憶してますよ。」
「そうよ…(-"-;)
何が悪かったか、今考えると、SFミステリーなんかにしなきゃ良かったのね…。」
作者は顔を歪めて遠くを見つめた。
出来るだけ、沢山のカテゴリーに参加する。
それは、作者の目標でありました。
「まあ…いまさら、考えても仕方ありませんね。
それに、どちらにしても一度はSFミステリーの洗礼は受けることにはなったでしょうから。
失敗もありましたが、理解できたことも少なからずありますからね。」
私はそう言ってお茶を口にした。
しかし…長い口髭は、慣れないと男性でも邪魔なものです。
一説では、喉元の攻撃から守るために男性には髭が長くなったとか…
現代社会に生きてる私には、ただ、邪魔な気もしますが。
「本当、男って髭が好きね…。」
作者が呆れたように私に声をかけてきて、無意識に髭を触っていた事に気がついて苦笑した。
「ふふっ。でも、なんか、ちょっと、格好いいかも…。時影、あなた、関羽が似合うわ。
なんて、馬鹿な事を話してる場合じゃないわ。
『パラサイト』よ。
この話は、元はシンプルな怪談だったわ。
『トミノの地獄』の都市伝説をふざけて音読したために、不思議な世界に引き込まれる…、そんな話なのよ。」
作者はそう言って、懐かしいものに笑いかけるように私を見た。




