作者、パラサイトを振り替える28
「さて、折角黄夫人になったのだから、主婦目線で池上をせつめいするわ。」
元気になった作者が私に笑いかける。
私は、自分が長髭の武将であることを思い出して複雑な気持ちで笑いかける。
三国志で言えば、大好きな兄貴分、劉備の寵愛を奪った男の妻と話す訳で、
この不思議な設定に、いささか困惑してしまう。
「確かに、自分の身なりを意識すると、考え方が困惑するものですね。」
私が方をすくめると、作者がどや顔でニヤリと笑う。
「で、しょう!?
ふふっ。わかればいいのよっ。で、本文にそんな雰囲気を…語りの池上に気づかれないように加えて行くわ。と、言うわけで、ちょっと、練習してみるね。」
作者は目を閉じて話を思い出す。
『パラサイト』2話の秋吉との会話からだ。
「今日はキメて来ましたね」
と、秋吉が話しかけるところから始まる。
池上は、テレビ用に整えられた秋吉の普段着…を少し眩しくみている。
「そうか?」
彼は、ファッション・ブランドには明るくないが、モデルのような、近寄りがたいオーラを放つ秋吉に自分とは違う世界の人間であると再確認しながら、自分の服装を思い浮かべる。
「スーツは久しぶりだから…。変かな?」
池上は急に自分の姿が心配になる。
仕立ての良い品物ではあるが、随分と型は古い気もしてきた。
「似合ってますよ。学園ドラマの先生みたいです。」
秋吉は、池上の年期のはいったスニーカーに視線を向ける。
池上は、それに気がついて急に恥ずかしさが込み上げた。
「ああっ。やっぱりスニーカーはまずかったか…。
虫のコンサルタントだから、外仕事かと思って。
草原は、歩きやすい方が良いし、
私がテレビに出演わけじゃないだろ?」
池上はそこで一度言葉を区切る。
秋吉は、昭和のドラマを思い出す見事な池上の角刈りが、スーツに意外と似合うことに思わず笑顔になる。
池上は含みのありそうな秋吉の笑顔に軽く眉を寄せて、それから、思い出したように無邪気な笑顔になる。
「殺虫剤と忌避剤の良いやつ。持ってきたぞ。
秋吉、お前、虫嫌いだろ?」
「虫?」
一瞬、理解出来ないように秋吉は池上を見つめた。
「そう、虫…今ならそうだな…ダニとか、蜂も飛び始めるし、毛虫、アメリカシロヒトリなんかもいるかな?」
毛虫と聞いて、秋吉は身震いをした。
「アメリカシロヒトリ…あれって、刺されたら死ぬんでしたっけ?」
秋吉が青い顔で池上を見る。
池上は少し驚いた顔で秋吉を見た。
「刺されたら死ぬ?誰だい、そんな嘘を教えたのは?」
池上の表情に、秋吉は自分の知識が間違いだと悟る。
「はぁ(´ヘ`;)長くなるわ。短く上手くまとまらないわね。」
作者は困ったようにボヤく。
「三人称ですけど、良い感じではありませんか。
10万文字までまだまだありますし、もう少し頑張ってみましょう。」
私は作者に笑いかけた。




