作者、パラサイトを振り替える26
「(-"-;)面倒だわ。
改変って、こんな面倒くさいと思わなかったわ。」
作者はため息をつき、桃の精がそれをあんじるように紅茶のおかわりをいれる。
「確かに、この物語は、前に話がありますし、ミステリーですからね。」
私は眉間にシワを寄せる作者に同調する。
「ふーっ(-_-)、ミステリーとか、そんな高レベルの話の前に、語りの視点についてよ。
考えたことなかったけど、私、役者型で書いてるのね。
小説を書くと言うより、演じてるんだわ。
演じる…とも違うか、
なんか、頭で一度エピソードを経験した主人公が、経験談をメールしてるような…そんな思考なんだわ。」
作者は困ったように右の広角を持ち上げて、それから諦めたように紅茶を口にした。
ハニーレモンの風味に気がついて、作者はふっとリラックスした笑顔になる。
「どうしたのです?」
私はその笑顔につられるように笑う。
作者は私を見て、子供が不満を発散するように言った。
「2話目、池上の容姿をつけたそうとして開いてみたんだけどね、読んで気がついたのよ、
ほら、秋吉の『癒される』発言を読者に共感して貰えるように、池上の昭和の先生の雰囲気を描写しようとおもったの。
でも…読んでみて気がついたのっ。
皆、自分の服装は普通だと信じているって事に!
秋吉や私達は、昭和の先生のような、少し古くさい味わいを感じていても、
池上は普通だと思っていて、
もし、池上が、自分の服装が古くさいと認識すると、色々気にするだろうから、それが行動に…物語に影響しちゃうのよ(T-T)
だから、奴がこれについて我々と同じ印象をもったらいけないのよ。
彼は、先生のようなスーツ姿を普通だと信じ、
秋吉は、ジェネレーションギャップでおかしく見えるのだと考えていて欲しいわけよ。
服装は、キャラクターの個性に反映するから、
よほどのオシャレさんじゃない限り、語りが自分の服装に説明なんてしないのよ…。
書いてるときには気にならなかったけど、
一人称って、めんどうなのね。」
作者は呆れたように口をつぐんで私を見る。
さて、なんと答えましょうか?
「私の場合は…ストーリー・テラーですが、あまり、服について気にしませんが。
説明を求められればしますが、貴女に何を言われても気にしませんね。」
私は、今一つ作者の言いたいことが分からなかった。
作者はそんな私をジロリと見てから深いため息をついてこう続けた。
「あんたの場合は…
アンタはイケメンだから、何を着ても似合うのよっ(-_-#)
本当、容姿にコンプレックスの無い奴って…もう。」
「池上も無頓着ですよ?」
「池上は、日頃、自分の容姿なんて気にしてないし、
自分は十人並みのおっさんだと思ってるのよ。
でも、学校の先生なんて言われたら、自分のイメージに混乱するのよ。
まあね、誰かが指摘しても、自分がそう感じなければスルーできるけど、
自分の容姿を客観的に実況するとなれば、誰だって色々思うところは出てくるのよ。」
作者は話ながら一人称の奥深さを噛み締めていた。
「でも、逆に考えれば、それだけ『パラサイト』の視点は安定しているとも言えますよね?」
私は、答えの出ない問題から視点をはずした。
「そうかなぁ(-"-;)」
「そうですよ。まあ、それなら、秋吉に台詞で実況してもらえばいいのですよ。
読者にわかり、池上が気にしないセリフにしてね。」
私は微笑みながら作者をからかう。
「よければ、私で試してみます?
何でも言って下さって結構ですよ。」




