作者、パラサイトを振り替える24
「しかし…設定を少し変えるだけで、主人公の容姿も変わってしまうのね(-_-)
なろう系のキャラだとイケメンの優男のイメージだけど、
おとこはツラいよ系だと、ユーモラスな顔のゴツいオッサンのイメージになるのね。」
作者はそう言って面倒くさそうに筆を遊ばせていた。
「そうですね。設定をしっかりすると、そこに合う人物像がおのずと決まってきますから。」
私は爽やかなレモンの香りを楽しみながら紅茶を楽しんだ。
国産のレモンのシーズンは冬。
もうそろそろ終わりでしょうか。
「うん…。池上は昭和仕様にしたから、中肉中背で170cmくらいかな。
六頭身くらいで、ゴリラみたいな感じにしようかしら?
髪は近所の床屋のジーさんにやってもらうから、昭和風味のスポーツ刈りにされちゃうんだ。
でも、池上はそうゆうの気にしないからそれでいっちゃうの。
で、この雰囲気で本文に書き加えようとすると…
多分、2話になると思うんだけど、
ここで秋吉が池上のスーツ姿に『癒される』と表現してるんだけど、
それがね、なんか、池上が昭和の学校の先生みたいで…、ああ、スーツだけど、虫のコンサルタントだから、一応、歩きやすい運動靴姿なんで、
本当に先生みたいでね、
確かに、癒されるって感じを共感できるの。」
作者は嬉しそうにわらう。
「では、設定前は『癒される』のセリフに共感できなかったのですか?」
私は呆れながら聞いた。
「うーん。なんて言うか、設定前は、秋吉の個人的な意見って感じで聞いていたの。他人事みたいに。
別に、私も同じ気持ちになる必要ないし、
秋吉は『オーデション』の一件でトラウマがあるから、池上を何となく慕っているみたいな?
でも、下町バージョンの昔の先生風味だとね、ほとんどの人が、『癒される』って言葉に共感出来る事に気がついたわ。
まあ、今の学校の先生は分からないけど…
昔の学園ドラマの先生は、子供に慕われていたから。たよりになったしね。
なんか、そんな雰囲気の人物だったら、きっと、安心できる気がするの。」
作者は嬉しそうに池上のイメージをイタズラ書きしながら言った。
「学園ドラマの先生ですか…」
私は呟きながら先が思いやられます。
なぜなら、ここは令和の『なろう』。
読者は、熱血教師なんて好感を持ってくれるとは限りません。
その類いの話が嫌いな人だって少なからずいるはずです。
「何となくのイメージよ。池上は日雇い派遣の早期退職者なんだもの。」
作者はそう言って現実を思い出したように苦笑し、話を続けた。
「まあ…『パラサイト』の連載中、一度、ウイルスにコントロールされた秋吉がおかしな行動をしたとき、閲覧が少し減ったことがあるんだけど、BL展開だと嫌悪した人がいたのかもしれないとか考えてね。
そのイメージが消えてくれるなら、それもいい気もするんだ。」
作者の言葉に私は言葉を失った。
BL…ボーイズ・ラブ…
そんなお話、書かせるつもりはありませんから。
私は無邪気に喜ぶ作者を見つめながら、ボンヤリとした不安を感じた。




