作者、パラサイトを振り替える23
穏やかな午後の桃園で、私達は終わらない物語の設定をしています。
翡翠色の陶器のテーブルにノートを広げ、作者は頭を抱えていました。
現在、『パラサイト』という作品の改変をしているのですが、なかなか難しいのです。
「はぁ…もう、一ヶ月過ぎちゃったわ(T-T)
早く、何とかしないと!」
作者は深いため息をつきました。
「と、言っても、うまい考えが出てこないのだから仕方ありません。
へんな終わりかたをしても、結局、売れないのですから、しっかり考えましょう。」
私はそう言って桃の精にお茶を入れさせた。
本日はニルギリと言う紅茶をレモンティで。
スッキリとした爽やかな渋味を微かに感じる、南インドで生産される美味しい紅茶です。
「はぁ…もうね、ぶっちゃけ何でもいいから終わってほしいわ(;_;)
でも…そうもいかないわよね…
なんか、素敵な感想まで貰っちゃったし…
感想を貰える作品って…なかなか無いのよね。」
作者はそう言ってため息をついた。
確かに、ブックマークでは『オーデション』には勝てませんが、この作品には感想はついていないのです。
感想は…書いてみるとわかりますが、なかなか書くのに気を使いますし、エネルギーが必要です。
その意味では、『パラサイト』は愛された作品と言えなくもありません。
「そうですよ。『林檎殺人事件』をテンプレにするとか、色々いってぶん投げるって、さすがに無責任ですからね。」
私は逃げ出しそうな作者の紅茶に糖蜜漬けのレモンを添えながら少し脅した。
作者は色々と疲れた気持ちを糖蜜漬けのレモンに癒してもらいながら、困った顔で、それでも笑ってこう言った。
「うん。そうだよね…
皆、大変な時期だし、私には何も出来ないけど、
暇潰しの文章くらい…(T-T)
文章くらい披露したいわね。
八十の詩の解釈を明るい感じに出来たんだ♪
だから、私、まだ、やれる気がするんだ。」
作者は『パラサイト』の作中に登場する西条八十先生の『トミノの地獄』を思い出して微笑んだ。
「そうですよ。さあ、その勢いで、寄生虫の話をしましょう。」
私は盛り上がってきた作者の気持ちに乗って、寄生虫についてまとめて貰おうと考えた。
が、それを聞いて作者は苦笑いをして固まる。
「寄生虫…はぁ…そうだったわね(T-T)」
作者は遠い目で青い空を見つめながら、深くため息をついて、それから独り言のように話し出した。
「寄生虫の話、しなくちゃね…
その為には…まずは、マダニについて調べなくてはいけないわね(T-T)
それとも…少し前に騒ぎになったデング熱と縞蛾の話にしましょうか(T-T)
時影…私、どうして池上を殺虫剤の会社なんかに就職させたんだろうね…。」
作者は少し肩をすくめて、それからノロノロと調べものを始めました。
そんな事…私に言われても困りますが、
物語の成り行き上、それは仕方がない気もします。
私は作者の頭がまとまるまで、『蘇州夜話』を弾くことにしました。
この曲が引き終わる頃、どんな話を聞かせてくれるのでしょうか?




