作者、パラサイトを振り替える21
「それにしても…孔明の奥さんのコスなんて。やはり孔明が好きなのですね。」
私は作者を見つめながら苦笑する。
黄夫人は、諸葛亮孔明の奥さんで、色々なバージョンで物語に登場します。
ただ、変わり者で、美人ではなかった…のは、共通しているように思います。
「好きって…、だって、玄徳の奥さんは死んじゃうし、関羽の奥さんなんて知らないもん。」
「そうですね…。でも、想い人は美しい方のようで、曹操と取り合ったとか。」
私は約束を守られず、曹操に想い人をとられた関羽を思って軽く目を伏せる。
「ダメじゃん!そんな美人、私の雰囲気に合わないもん。黄夫人で良いんだよ〜。
変わり者で、不細工って、気楽で良いわよぅ。」
私の憂いを打ち破って作者がブーたれた。
「なんの。黄夫人は、頭が金毛と言われていて…、実は白人だったと言う説もありますよ。
当時の中国では不細工でも、ソフィアローレンもビックリの美人かもしれませんよ。」
「そ、ソフィアローレン!!」
作者は絶句して、維持悪く私を見つめて言葉を続けた。
「ふ、ふんっ。白人なんて説、私は信じないわよ。
大体、肌は黒いらしいじゃない。
黄の字で思い出すのは、黄帝。東洋医学を世の中に知らしめた人物だわ。
お父さんが黄 承彦だから、黄なんだろうけど、まあ、面白いから盛るわ…
黄夫人は、黄帝のゆかりの人で、孔明はその知識や食客を譲り受けたのではないかしら?
そんな雰囲気でいるわ。
まあ、私の事はこの際どうでも良いわ。
今は池上!奴を主婦層に好かれる人物にしなきゃいけないわ。」
作者は眉を寄せて難しい顔をする。
「確かに…テレビとはいえ、大切なわが子のお守りを頼む人物ですからね。
それなりの説得力が必要ですか。」
私の言葉に作者は深く頷いた。
「うん。うん。そうなのよっ(>_<。)
なろうだからって、調子にのって日雇い派遣にしちゃったけど、
50代独身、日雇い派遣の男ってだけじゃ、私だって小さな子供に近づけたくないわ。
もうちょっと、人となりを書いておかなきゃ…いけないわけよ。
はぁ…。
ファミリー向けに改編するのも苦労するのね(;_;)
田舎だったら、消防団や青年団に入ってれば、それなりに安心してもらえるけどさ、
秋吉が売れない声優で派遣で仕事していたとしたら、都内に在住…が良いわよね…。
この場合、どうしたら良いのかしら?
やっぱり…下町の生まれとかにすれば良いのかな(-"-;)
か、神田とか…。」
作者は知りもしない下町の話に困惑しながら言った。
「神田…地価高そうですね。まあ、良いですけど…
でも、昭和のドラマを想い描いて作ると、痛い目にあいますよ。
今は令和なのですから。」
私は、小粋な魚屋とかを登場させそうな、そんな作者に釘を指した。
「うーん。そうだよね。50代だし、安アパートに暮らさせる訳にもいかないよね…。
それに、なんとなく、独り暮らしっぽいし…
多摩とか千葉のニュータウンとかの方が良いのかな(;_;)
はぁ…。なかなか面倒ね。」
作者は悲鳴をあげながら頭を押さえた。




