作者、パラサイトを振り替える19
「アオムシサムライコマユバチ…考えたら、ここから物語が複雑化するんだわ。」
作者は眉を寄せた。
「そうですね。はじめは、繭さえ作る虫なら、何でもいいって決めてましたね。」
私は、12月の作者を思い出す。あの時はまだ、締め切りを気にして必死だったのです。
「あら?何でも…じゃないわよ?
池上が…主人公が製薬会社の早期退職者の設定なんだから、
モンシロチョウの幼虫を駆除する益虫のマユコバチは使いやすかったのよ(-""-;)と、その時は思ったのよ〜。」
作者は面倒くさそうにぼやく。
確かに、殺虫剤の研究をしていた池上を生かすには、雅苗は益虫研究をしていた方が都合が良いのは確かです。
「そう、でしたね。で、何を悩んでいるのです?」
私は暖かい日差しに照らされた作者の憂い顔に目を細めた。
「うん…、まあ、ここから、寄生虫について知って話が、こんがらかるんだけど、まずは、寄生虫について説明させてくれるかな?
(T-T)もうね…大変よぅ。
確かに、ファミリー向けに作り替えてしまえば、
トンでも展開も、ショボいモンスターも、文句は出ないだろうけど…
その代わり、子供達に知識のお土産を持たせなきゃいけないんだわ(>_<。)
難しい話はしなくても、
昆虫、特に益虫や害虫について、
ウイルスについても、簡単な基礎知識が頭に入る内容にしないと。
その為には……まず、説明あるのみだわ(T-T)
なんどか説明して、情報をインストールしてからじゃないと、物語なんて作れないわ。」
作者は口を左右に引きながら、蛙のような顔で青空を見上げた。
それから、お茶を飲んで勢いをつけると話を始めた。
「寄生虫の話をするわ。
ん…難しいわね(-""-;)いきなり、脈絡なく寄生虫の話なんて普通しないもの。」
作者は私を見て苦笑する。
「ふふっ、そうでも無いですよ。
ほら、少し前に殺人ダニなんてニュースになりましたでしょ?」
私は眉を寄せる作者に笑いかけてた。
作者は私の方を見て何か凄いものを見たように目を見張り、私は嬉しくなりながら話を続けた。
「マダニを介して感染症になる死亡事故が、ここ数年ニュースになりましたからね。
この辺りなら、自然の多い場所へと行くのですから、不自然ではありませんし、
殺虫剤のメーカーで仕事をしていた池上なら、自然に説明が可能ではありませんか?」
私の問いかけに、作者はノートを走らせながら頷く。
「確かに、なかなか上手いわね。
しかし…マダニ…マダニから、マユコバチに話を繋げるのも大変ね。
寄生虫…池上はどんな風に話をするのかしら?
寄生虫の話を胸をときめかせながら、人に話した事なんてないから、少し困惑するわね(-""-;)」
作者は文句を言いながら、虫学者の池上のイメージを自分のなかに取り込もうとしていた。
物語を作る場合、ただ説明を書けば良いと言うわけではありません。
特に、主人公を特徴付ける知識ならば。
ついでに、見ている子供たちや、保護者にも好意的に見てもらわなければ行けません。
夏場にかけて、発生する虫の事故。
それは、家の近くの茂みや公園など、身近に隠れているわけですから、その辺りで興味をもってもらうのが、手っ取り早くはありますが…。
更新はまだまだ先になりそうです。




