作者、パラサイトを振り替える18
「寄生虫をつかって、気持ちの離れた夫を自分に惹き付ける…。
なんだか、昔の特撮の悪役みたいな事を考えてる雅苗。
でも、この話が『オーデション』のアンコールなので、虫が登場するのは仕方ないのよね…
あっちがそんな話なんだもの。」
作者はそう言って眉を寄せた。
『オーデション』にはキャラクターの音無の作る物語『シルク』について語られ、その物語の流れに登場人物も影響を受けて行く。
ので、そのアンコールの意味もある『パラサイト』にも『シルク』の影響を受ける。
多分…『オーデション』にブックマークをしてくれた人も、気にもかけてないのかもしれないが、
アンコールの意味を考える作者としては、『シルク』の明かされてない続きが分かるように描いて行こうと思うのだ。
ので、『シルク』が人間の肉を贄に成長する繭蛾「まゆが」について触れているので、
肉食の繭を作る虫について描くことになる。
「そうでしたね。
確か、繭蛾で肉食の種族が見つからないので、蜂になったのでしたね。」
私は作者と二人で探した虫の事を思い出しながら言った。
「うん…(´ヘ`;)
大体、あの話は音無と言う怪物を把握する為に書いた短編だから、勢いしかないんだよね…。
ベースは前から考えたけど、一週間くらいで書いたんだよね。
ビギナーズラックってやつだよね。
あのときは、一万字を書くのが辛かったけど…
今では、変に周りが見えすぎて、説明が長くなって終わらなくなったわ(;_;)」
作者は二年前を懐かしそうに哀しむ。
「なにを…始めの『ノストラダムスをしているかい?』は、設定だけで三年目、10万文字近い設定と習作の未完作品ですよ?
今更、悩むこともないでしょう。」
「ふふふっ(T-T)アンタもサディストね。」
作者はビタースイートな笑いを浮かべて言葉を続けた。
「本当ね…。本気で終わってほしいし、
もうね、なんか、他の事したいから、本当に終わりを考えているのに、終わらないんだもん。
時だけが過ぎてさ、
お話が出来上がったときは、ブックマークと言う読者の脱け殻に向かって、一人で物語っているのかもしれないわね(-_-;)
そのエンディング、切なくて、小説なら私の好みだけど、リアルは嫌ね。」
作者はメモを取りながらボヤいた。
私はお茶を飲むふりをしながら、心にささった棘を抜く。
物語の終わり…それは、作者との別れの時。
劇終を迎えたブックマークが脱け殻だとしても、
私の心はここで留まり続けるのです。
次に貴女が私を思い出してくれる日まで。
「確かに…それは、切ない終わりかたですね。」
私は明るい空の雲を見上げた。
暖かい春風が、若草と土の香りを運んでくる。
先がどうであれ、今年の桜も二人で見ることは出来そうです。




