作者、パラサイトを振り替える 15
「なるほどね。あなたと話して、少し推理小説ってやつを理解できた気がするわ。」
作者は私の意図から思いきり外れた所で推理小説を理解しはじめていた。
「そうですか…。」
私は冷静を装いながら、お茶をすする。
何であれ、更新させるのが先決です。
他の問題はその後で良いのです。
「うん。ずっと追跡される犯罪者のような気分だったけど、
昔の二時間ドラマのイメージで作ればいいのよね。
ファミリー向けをイメージして、クリーチャーは子供向けに設定して考えれば、もう、ジャンヴェールの追求から逃れられるわ。」
作者は深い安心のため息をつく。
「『レ・ミゼラブル』ですか…。」
「うん。『ああ無情』ビクトル・ユーゴーの名作ね。
これ、追われるジャンバルジャンと、切れ者刑事のジャンヴェールの追撃が凄かったけど、
この話の舞台、ちょうど『魔法の呪文』のリリアの時代なのよね…。
凄く参考になるとか考えたけど…
でも、童話枠で簡単なラブストーリーにするはずだったのに…なんか、本格的に歴史の話になってくるわ(;_;)おわらん。」
作者は嫌な顔をした。
「まあ…『魔法の呪文』はこの際、置いて『パラサイト』に集中しましょう。
プロローグの改変について理解されたようですから、次に進みましょうか。
なぜ、7年、雅苗が見つからなかったのか?
警察や家族はどんな捜索をしたのですか?」
私は作者に笑いかける。
作者は私の質問にため息で答えた。
「それね、はぁ…(´ヘ`;)
失踪って、事件にならないケースが多いのよ。
この場合、旦那が芸能人で、スキャンダルが出回ったばかりだから、雲隠れしていても誰も気にしないでしょ?
芸能記者は探すだろうけれど…
それが逆に身内が捜索する時期を遅らせたのね(--;)
それと、第一発見者のテレビ局の男が、
散乱した部屋に倒れた溶生を見て、パトカーではなく、救急車を呼んだことも悪手になったのね。
だから、推理小説的には、派手な展開にはならないし、失踪が騒ぎになる頃には、屋敷は片付けられていて、真相は闇のなかなのよね…。」
作者はうまい展開にならない物語を思って遠い目で空を見た。




