作者、パラサイトを振り替える 12
作中歌。それは物語の基本の流れを演出する。
ノストラダムスの時代、詩人とは予言者と同じ意味だと聞いたことがある。
うろ覚えだし、本に書いてあったからって、正しいとは言えない現在、
信憑性はわからないが、とにかく、私は同じとして使わせてもらった。
だから、『パラサイト』の作中歌『輪廻円舞曲』の歌詞は、物語の行く先を予言しているはずなのだ!!
普通はっ!!
私は何の因果か、関羽のコスプレで馬頭琴を手に、この曲を弾き語る。
とにかく、話を進めなくてはいけません。
♪音に合わせて、時をめぐる
魂の光が導くままに。
♪貴女をもとめ、踊る円舞…
貴女を求めて、とまらぬ演武
例え何度別れても
貴女は芽吹き、咲き誇る。
なんだか、歌い辛い歌詞ですが、まあ、仕方ありません。
この歌詞を見るかぎり、溶生は花の事を歌っているようです。
しかし…演武って…なんでしょうね。
さすがに私も物語の流れがつかめません。
そんな事を考えながら一曲弾き終わると、作者が私を見つめていました。
(*''*)…
「どうしたのですか?」
私は馬頭琴をテーブルに置くと、照れ隠しに憮然と声をかけた。
作者はそんな私に疲れたように笑いかけ、尊敬の眼差しで私に話しかける。
「はぁ…すごいわ…。あの曲をよくも作りきったと思う。うん。
私も、パラサイトを終わらせなきゃね。」
作者はそう言って、私に労いを込めて桃の精にお茶をいれさせた。
暖かい烏龍茶は、甘い香りが茶器に注ぐ時点てほのかに香り、
口に含むとマスカットの香りがした。
最近の茶葉は、緑茶にせよ、紅茶、烏龍茶にせよ、フルーツなどの香りをブレンドするお洒落なものが出回っていますが、
どのお茶にも、その茶葉自体にマスカットのような香りがする種類が存在します。
紅茶ではダージリンが有名ですが、
緑茶にも、そんな風味のものにたまに出会うこともあります。
しかし、烏龍茶は、
日本では、鉄観音の茶色のものが有名なので、
マスカットの香りの翡翠色の烏龍茶は、少し特別な気持ちになります。
「そうですね。早く終わらせないと。
しかし、これはSFミステリー。結末があったはずです。
一体、何を探しているのでしょう?」
私は作者に聞いた。
私は作者の創造物ですから、基本、情報と感覚を共有していますが、理解できないこともあります。
右脳的な…例えば、
「北城があれな感じで、良くわかっているから、
最後で、奴がぶしゅとして、だから、とんでもないのよ。」
と、いった風な、擬音を炸裂した、文字で説明不可能なニュアンスなどです。
特に、SFなど、作者自体の知識があやふやな場合。
一体、この話の結末はどうしたいのでしょうか?
「希望…かな。」
(///∇///)………。
「って、ちょっと、放置しないでよ!恥ずかしいんだから。
でも、この話、パンデミックの雰囲気で、絶望的な余韻で終わる話なんだもん。
でも、この時期、そいつはマズイじゃない?
希望を少し混ぜとかないとさ。
それを探してるのよ。」
作者は困った顔で照れている。
「犯人は…あなたには見えているのですね?」
私は、事件がまとめきれなくて混乱してないか確認した。
「うっ…(--;)。
まあ、ね。一応、わかっているわよ(*''*)
ただ…それが正しいかはわからないけどねっ(;_;)
なにしろ、雅苗の事すら、忘れていたし。」
作者は嫌な顔をしてテーブルを見る。
「本来なら…真実を知る名探偵…の台詞なのですがね。
ここまで頼りなくさせるところに、貴女の笑いのスキルを感じますよ。」
私は呆れて、それでいてなんだか好意的な笑いが込み上げるのです。
ああ。
この人には私が必要なのです。
物語をまとめ、終わりに導く水先案内人の私のような人物が。




