作者、二時間ドラマを懐かしむ 15
夏の夕暮れ、私の作者は、薄れ行く西日を浴びながら二階の部屋で山口百恵さんの「乙女座宮」を聞いていた。
「乙女座宮」は、1978年2月にリリースされた作品で、恋する乙女の夢を星占いをモチーフに歌い上げた、可愛らしい昭和の流行歌である。
「時影……。私この歌、好きだったわ。
百恵ちゃんの歌の中では、それほどブレークしなかったけれど、この曲を聞いていると、自分にもこんな素敵な恋が待っているって気持ちになったもの。」
作者は、私を見ることなく、窓を見つめていった。
「そうですか?そのわりには、口ずさんだ事、あまり無いですよね?
『ひと夏の経験』を歌ってお母さんに怒られていたのは知ってますけどね。」私は、元気良くこの歌を歌っていて、後ろから平手で母親に頭を叩かれて混乱する作者を思い出して笑った。
「そうよね…?あれ、理不尽だと思うわ(`へ´*)
ホント、なんで叩かれたか分からなかったもん。
まあ、百恵ちゃんの歌は、みんなわりと好きよ。
他にも三角関係のドロドロの歌とか、変なものを間にはさみながら、『いい日旅立ち』とか、『秋桜』とか、ジーンとする歌もあったしね。」
作者は、懐かしそうに言いながら私の方を向いた。
「でもっ。百恵ちゃんの昔話なんてしている暇はないのよっ。
ここに来て、別の話のゲッペルスとホロスコープから、奇問遁甲なんて引っ張り出すことになるんだもん(T-T)
さっき、単語登録したわよ。奇問遁甲。
と、言うより、なぜにこんな単語を知ってる私!?って感じよね(-_-)」
作者は、遠い目で天井を見つめた。
「まあ…、三国志好きですからね。」
と、フォローしておいたが、多分、仕入れ先は違うと思う。
「奇問遁甲…諸葛亮孔明が、戦術として使ったと言われるまじない。
でも、私、あんまり良く知らないのよね。
占いって、属性で合う合わないがあるんだって。」
と、作者はいった。
「属性…、火、地、風、水の4属性ですか?それとも、金を入れた五行でしょうか?」
「知らないわよそんなの。そんな難しいのじゃなくて、
男性は火の属性
女性は水の属性
が、基本合うんだって。だから、水属性のタロットは女性が合い、
火の属性の易教は、男の方が上手いって聞いたわ。」
作者は思い出しながらそう言ったが、私はそれを聞いて笑ってしまった。
「それが正しいなら、クローリーは、とても女性的になってしまいますね。」
と、あの有名なトートのタロットの産みの親、アレイスター・クローリーを思い出しながら言った。
「あら?クローリーは、魔術的には両性を目指していたはずよ。
男性と女性、両方を持ち合わせて人は完璧になる…とかなんとか。
確か、タロットカードの『世界』に描かれている人物はそんなキャラじゃないかしら?」
作者は面白そうに知識の引き出しを広げて見せた。
「では…ウエイトも、そうなのでしょうか?」
私は、世界的によく売れ、スタンダード化したアーサー・ウエイトの黄色い箱のタロットカードを思い出して聞いてみた。
「あの人…占い出来るの(-_-)?
って、そんなことはいいのよっ!
今は星占い(T-T)の話をしなくっちゃ…。」
作者は力なくぼやいた。




