作者、パラサイトを振り替える
美しい桃の花咲く桃園で、作者は古代中国の男装をしてたたずんでいる。
遠くから春風に乗って馬頭琴の音色が聞こえてきます。
「桃園の誓い…ですか?」
私は、三国志の名場面を思い返しながら作者に聞いた。
「……の雰囲気を楽しむ淑女と言うところかしら?
バイオリンの起源と呼ばれる馬頭琴は、800年辺りから記述があるらしいし、
三国志はもっと古いし、文献の最古は1100年辺りらしいから、
11世紀のお金持ちの淑女が桃園の誓いを真似して遊んでいる…そんな雰囲気で始めるわ。」
作者は、そう言って微笑んだ。
「……、では、私は、関羽の様な口ひげでも生やしてみましょうか?」
私は艶のある黒髪の髭の男に扮装してみた。
作者は、とても楽しそうに笑って、
「とてもダンディよ。」
と、笑ってくれた。
「それにしても、パラサイトを考えるのに、ナゼ三国志なのですか?」
「中国人で、なんか、尊敬できそうな人物で手っ取り早く思い付いたのが、玄徳だから、かしら?
ついでに、あの人は、手長、耳長…一説によると、何も出来ない人物を表現した…とか聞いたけど、
玄徳って、人望だけで乱世を乗り切ったところがあるらしいから、あやかったのよ(T-T)
この話…下手をしたら、読者か…エッセイで、助けを…
孔明を探しに行く事になりかねないのよ。」
作者は美しい11世紀の中華の空を見上げて嘆いた。
「孔明…この場合は、編集とでもお呼びするのでしょうかね。」
私は、少し不機嫌に聞いた。
この二人だけの世界に、見ず知らずの人物なんて、登場して欲しくはないのが、私の正直な気持ちです。
「私だって、嫌だわ(T-T)
仮にも、公募作品なんだもん、分け前が減るような事はしたくないわ。」
作者は冗談半分、といった感じで苦笑する。
「でも、池上をこのままには出来ないわ。
多少の恥をかなぐり捨てても、なんとか、あの人に朝日を見せてあげないと。」
作者は深いため息をついた。
『パラサイト』とは、途中で作り始めた短編だった。
『オーディション』と言う、我々の作品史上ブックマーク最高数の作品から、ブックマークが一つ消えて、慌てて書き始めた作品だった。
無謀ではあるが、この一年、何度もオーディションのアンコールを考えていた作者を見てきたので、強く悪口は言えないのです。
ブックマークを5と言うと、随分低く感じるかもしれませんが、
実際、貰うとなると、なかなか難しいのです。
ついでに、ユニークユーザー100を越えるのも。
この二つを重ねてとったのは、『オーディション』だけなのです。
「まあ、嘆いてばかりはいられないわ。
とにかく、まずは我々で事態の収拾をはかりましょう。」
と、言うことで、軽くパラサイトの話をしたいと思います。
この話は、日雇い派遣の池上と言う中年男性が、不気味な事件に巻き込まれるSFミステリーである。
舞台は群馬…か、信州のどこかで、
ネット配信番組のスタッフとして池上は働くことになる。
舞台は昭和時代に建てられた、西洋風の屋敷で、
昔からの名家の雅苗の持ち物だ。
彼女は植物学者で、三代目。屋敷には、珍しい植物を栽培している温室がある。
彼女の夫は、若葉 溶生。
かれは音楽家で、資産家で年下の雅苗との結婚を逆玉とからかわれたりしている。
7年前に、この屋敷で、雅苗は謎の失踪を遂げていた。
それ以来、精神を病んでいた溶生が、突然ネット配信動画に出演することになる。
7年ごとに、ショクダイオオコンニャクと言う、巨大な植物の開花に合わせて、100物語をして、雅苗の霊を呼び出すというのだ。




