謝罪できず、文を書く
早速謝ろうと声を出しかけた時、親が戻って来た。
タイミングが悪いなと一瞬思ったが、今勢いに任せて謝っても、えーっととかが多くなって気持ちが伝わらないだろうから、次回までに謝罪文を完成させよう。
あの子が帰った後、俺は謝罪の文面に頭を悩ませることになった…
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「カミラ、アレックスの事で話がある。」
「…何かあったのですか?」
「いや、問題になるような事は無いだろう。」
「ではどのようなお話です?」
「…実はな、アレックスに目上の方への謝罪はどのようにすればいいのか聞かれたのだ。」
「問題になりそうな事ではないですか!?」
「いや、よく考えると私たち以外にアレックスが会う目上の人間なんてアヴニール様達だけだ。
一番可能性が高いのはフルト様だが、帰る際も険悪な様子はなかった。
おそらくフルト様はもう許していることだが、けじめとして謝りたいと思うような出来事があったのではないか?」
「あの部屋でそんな何かが起きないとは思いますけど、そうとでも考えなければ説明がつきませんね…」
「まぁだからな、アレックスの相談に乗ってやってくれ、一人で見本もなしに手紙を書こうとすれば痛い目見るからな。」
「あなたみたいにですか?」
「それを言うなそれを」




