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5. 役人に追われて

次の日の朝。

パーシーズ邸の玄関のドアを強く叩く者がいた。婚礼の準備にいそしんでいた忠実な召し使いは、この忙しい朝になんだろう、と訝しげにドアを開けた。


整った制服をきた役人の男が二人立っていた。どちらも真面目そうで、かつすまなそうな顔つきをしていた。


「朝早くに申し訳ありません。近隣調査をさせていただいております」


「今日は1日忙しいので、お嬢様はお時間がありません。日を改めてください」


「では、今日は用件だけお伝え願えますでしょうか」


「何かあったのですか?」


「実は先日、違法な取引で莫大な富を得ていた組織の一味を全員捕らえました。しかし彼らの話によると組織の頭とされている、ピョートル・セルビーノという名の男の行方を追っております。ご存知ありますか?」


召し使いは正体不明の、今日より主人になる男が頭に浮かんだが、冷静な顔を装って首を振った。


「いいえ。セルビーノだなんてきいたこともありません」


役人は頷いた。


「そうですか。この家の方は貧しい者たちと交流しているときいたので、くれぐれもパーシーズ様に気をつけるよう伝えてください。では、また参ります」


彼らが去ると、召し使いは少し考えたがドアをすぐに閉め、鍵をかけてくるりと振り替えると、まっすぐに食堂へ向かった。


ジャックとシャルロットは食事の最中だった。


「どなただったの?」


女主人の質問に、玄関から帰ってきた召し使いは困ったような表情を浮かべたが、人払いをしてシャルロットとジャックだけにすると、先ほどの役人の用件を静かに述べた。


シャルロットは、顔がさっと青くなった。

用件を伝えた召使いが食堂を出ていくと、ジャックは呆気にとられたようにつぶやいた。


「……頭だと? そんな虚言を……役人は信じたのか」


「ジャックさん」


シャルロットは心配そうにジャックを見つめた。


「……卑怯な奴らとは関わらない方が身のためだな」


そういうとイスから立ち上がり、今日妻になるはずのシャルロットの方を向いた。

不安気に自分を見上げた彼女を見て、ジャックはそれを口にするのを恐れたが、言うしかなかった。


「シャルロット、俺は行かなければならない。まず言っておくが、セルビーノは組織の頭じゃないぞ。だがこのまま隠れて君と結婚してしまっては、確実に君を巻き込んでしまう」


「私もお手伝いしますわ!」


シャルロットの言葉にジャックは首を振った。


「これは俺自身の問題だ。君と知り合う前からの問題なんだ。俺は絶対捕まることはない。ことをすませたら必ず帰ってくる。大丈夫だ、セルビーノはほとんど組織とはかかわりがない。帰ってきたら今度こそ結婚しよう。約束する」


シャルロットは立ち上がって彼に駆け寄った。


「嫌です! また会えなくなってしまうなんて。やっと……やっとあなたの妻になれると思っていたのに!

あなたがいなくなったら私……」


そう言って彼女はジャックの包帯で巻かれた手を、離さないというように握った。目には涙を溜めている。ジャックはその恋人の懇願するような様子に、手だけでなくぎゅっと心臓を掴まれたような感覚を覚えたが、シャルロットの目を見て、手を強く握り返すと言った。


「すまない……だが、君なら大丈夫だ。今までだって、ずっと一人でやってきただろう。俺の妻は……もっと強いはずだぞ」


シャルロットは、はっと気づいたようにしばらくジャックを見つめていたが、罰が悪そうに微笑んで頷いた。


「そう……そうね。あなたの妻になるんですもの。でも……でも、必ず帰ってきてくださいね」


やっと頷いたシャルロットに、ジャックも柔らかい声で返した。


「もちろん帰ってくるとも。俺の家はここだけだ」


ジャックはすぐさま部屋に戻ってコートを羽織り帽子をかぶると、シャルロットと召使いたちに暇乞いをして、屋敷を後にした。




*******************




ジャックはまず、この街の自分と関わりのある裏の組織の者たちの元をを訪ねたが、彼らのアジトは全てもぬけのからだった。この一帯で、役人の手の伸びていない場所はなくなってしまったらしい。

もちろん今まで生きてきた中でお尋ね者となってしまった街もあった。そうした場所では、姿をくらまし別の地に移って自分の名前が忘れ去られる時を待つようにしていた。

しかし、今回はそういうわけにはいかなかった。結婚を約束したシャルロットを待たせている。自分は一日でも早く帰らなければならないのだ。

シャルロットのことを頭に描いた時、ジャックはふと昨夜の彼女の話を思い出した。

シャルロットは、ジャックがこの街に戻ってくる前に、商いについてある若い男に指導してもらったときいた。

確かトビアス・ホプキンスと言った。

ジャック自身、おそらくトビアスの父親と思われる人物と関わりがあった。彼はすでに亡くなっているが、ジャックにとって大事な証人であることには間違いなかった。彼の元へ行こう。ジャックは決心し急いで北の街へ発った。




トビアス・ホプキンスは、シャルロットに言った通り、従兄妹と結婚し事業を継いで切り盛りしていた。要領の良いトビアスは父親の事業でもやはり物事を運ぶのが上手く、それなりに収入を上げて裕福に暮らしていた。

また、シャルロットと約束した通り、その街の貧しい人々にも気を配っていた。


トビアスは、書斎で帳簿をつけていた。

暖炉の火の音の中、突如ドアのノックが響き、召使いが入ってきた。


「旦那様、お客様がみえています」


「客? 誰かな?」


「その、ウィルソンと名乗る方です。声がくぐもっていて、よく聞こえませんでしたが、旦那様に至急お会いしたいとおっしゃっています」


トビアスは眉を潜めたが頷いた。


「わかった。通してくれ」


ウィルソンとは一体誰だろう。トビアスは貧民街の子供たちから貴族の取引先まで顔を思い浮かべたが、誰かわからないまま、ドアは再びノックされた。


入ってきたのは、なんとも奇妙な男だった。暖められた部屋の中なのに、帽子を取らずコートも脱いでいない。顔と手には包帯がぐるぐると巻かれ、目には大きな黒っぽい眼鏡がかけられており、知り合いなのかどうかを判断することができなかった。

召し使いが書斎から出ていくのを見届けると、礼儀正しく立ち上がったままのトビアスに、男は帽子も脱がずに言った。


「突然押し入ってすまない。礼儀がないのも見逃してほしい」


「その……お知り合いでしたでしょうか。お名前は?」


男は答えた。


「ジャック・ウィルソンだ。俺自身、君とは初めて会うが、婚約者が君の世話になったときいた。礼を言いたい」


トビアスは座りかけた椅子から転げ落ちそうになった。結婚する前のことであるが、社交界で浮名を流していたトビアスには、関わりのない女性の方が少ないのだ。その“世話になった”が皮肉になっていなければいいが。

包帯で顔が覆われているので、男の考えはさっぱり読み取れなかった。


「わ、私が……誰かに何かしましたかね?」


トビアスは平静を装いながらもおそるおそる尋ねたのに、客人は少し柔らかい口調で答えた。


「パーシーズ商会の娘だ。君がシャルロットに商いを教えてくれたときいた」


トビアスは目をぱちくりさせたが、やがて安堵の笑みを浮かべた。


「……あ、ああ、パーシーズ嬢! シャルロットのことですか!」


トビアスは、心の底からほっと胸を撫で下ろした。

よかった……自分が誘惑した女性の相手ではなかった!彼は一安心すると、やっとジャックの方を見て、口調を緩ませた。


「あなただったんですね、彼女が結婚を決めているという方は。僕も話は少しだけ伺っていました」


ジャックは小さく笑った。


「シャルロットは、君にそんな宣言をしていたのか……。箱入りまでとは言わないが、未熟だった彼女を一人前の商人になるまで支えてくれたときいた。今はこの街で事業を?」


「ええ、中心街で商会を打ち立てていましたが、家族の事情でこちらへ移ったんです。元々はこの街に住んでいたんですがね……。シャルロットはお元気ですか」


トビアスは懐かしそうに尋ねた。


「元気だ。この寒さでも風邪ひとつひいていないと自慢気に言っていた。……その、初対面でぶしつけなのは承知しているのだが、君に頼みがあって来たんだ。シャルロットから君は信用できるときいている」


「何かあったのですか?」


「もう噂はきいているはずだ。中心街で影の取引を行っていた連中が捕まった」


トビアスは頷いた。


「ええ、それなら今朝役人が屋敷に来て知りました。でもまだ頭が捕まっていないからこの街でも調査をしているらしいですね。なんでもあの“悪魔のピョートル・セルビーノ”だとか」


ジャックはため息をついた。


「やはり来たか……。きいてくれ、彼は――セルビーノは、連中の頭でもなんでもない。確かに手を貸した事は事実だが、深く関与はしていないんだ」


「直接関与していなくても、罪に問われる事はあるんです。疑いがある限り彼は役人の元へ行かなければなりません」


「他人事な言い方だな。確かにその通りだが、それは解決策を見つけようとしない最終手段だろう」


「他人事ですよ。僕は仕事上では後ろめたいことは何もしていませんからね」


トビアスは肩をすくめたが、はっとしてジャックを見た。


「もしやあなたは彼と関わりがあるんですか?」


その問いにジャックは少し苦笑いを浮かべた。


「……サミュエル・ホプキンスという名の事業家を知っているか。今はすでに亡くなっているが、何年も前にこの街で名を馳せていた人物だ」


トビアスは目をぱちくりさせた。


「もちろん。その人は僕の――」


「彼は昔、例の組織の連中と手を組んだことがあった」


ジャックの言葉に、トビアスはあんぐり口を開けた。


「なんですって?!」


「ホプキンス氏は……君のお父上は、当時仕事に失敗して破産寸前だった。そこで事業を建て直すべく組織の力を借りようとして、ピョートル・セルビーノに仲を取り持つよう全財産をかけて依頼したんだ。組織の連中は初めは断ったが、ピョートル・セルビーノによる報復を恐れ、結局ホプキンス氏は彼らと手を結ぶことに成功し、破産を免れたというわけだ。これで君も他人事とは言えないだろう」


「あの真面目だった父が……信じられない……」


「あいにく全て真実だ。お父上の過去の帳簿には、手形や関わったギルドのサインが残っているはずだ。君は目にしたことがないのか?」


「僕はそのつい最近まで、父の仕事には一切関わらなかったから……」


トビアスは、裕福で富を持て余している父しか知らなかった。自慢気に成功を語る父に、いつからか対抗意識を燃やし、自分で一から仕事をこなして父を越えたいと思っていた。だから成人してすぐ育った街を離れて中心街へ移り、好きなように生きてきたのだ。叔父の事がなければこの街には戻らなかっただろう。


「セルビーノは確かにこの辺り一帯で恐れられているが、組織と直接関わったのは、後にも先にもそのホプキンス氏のときだけだ。正体不明であるからこそ、連中はすべての責任を彼に押しつけようとしているんだ」


「……では、ピョートル・セルビーノが組織と関わったのは僕の父のせいだと?」


ジャックはそうだと頷こうとして言葉に詰まった。直接関わったのは確かにトビアスの父親がきっかけであるが、はたしてそれがなければ関わりがなかったと断言できるのだろうか。自分は裏で生きてきた人間だ。社会の影で生きる者たちは同じく影に生きる者たちと関わって暮らしている。自分だけ例外とは言えなかった。


トビアスは、口を閉ざしてしまったジャックをじっと見つめた。


父親から離れて一人で商会を築いてきたトビアスも、ピョートル・セルビーノの存在は知っていた。目を付けられたら一巻の終わり。裏社会において彼にできないことはないが、誰にも姿を見せたことのない、幻のような男だという噂だった。商人として客の信用を大事にするトビアスは、そういう人間とは関わらないようにしていた。裏で動く人間とは接触しないように意識していたのだ。

父親が一枚噛んでいたことには驚いたが、それでも自分は関係ないと言い切れる自信があった。もう何年も昔の話だし、とっくに父は亡くなっている。父の件がなかったとしても、ピョートル・セルビーノは正体不明というだけで役人の対象となる裏社会の人間であることには変わりはないだろう。


しかし、トビアスは言った。


「……確かに父の書類の中の手形やサインを役所に出せば、ピョートルと組織の関係も明らかになるでしょう。彼が組織と無関係であることを証明するには、父の事業記録が必要ということですね。ここから西の港町の事務所に保管してあります。明日一緒に行きましょう。馬車で半日以上かかりますが」


ジャックは顔をはっと上げた。


「協力してくれるのか……!」


トビアスは笑って肩をすくめた。


「こう見えて僕は正義感が強いんです。それに、ピョートル・セルビーノ直々に頼まれちゃ、断れませんよ」


客人は少しの沈黙の後、落胆したような口調で言った。


「……わかっていたのか」


「他人の事にそこまで必死になれる人間はいないでしょう。ところで、ほんとうの名前はどちらなんです? ウィルソンは偽名?」


ジャックは迷ったが正直に答えた。


「ほんとうの名前がジャック・ウィルソンだ。ピョートル・セルビーノは偽名で、この辺り一帯でしか使っていない。シャルロットも二年前に初めて会った時同じことを尋ねた」


「あなたの姿を見た人間は、僕が初めてだと思っていましたが、彼女が先でしたか……」


彼女と結婚の約束をしているというのはどうやらほんとうらしい。トビアスはふむと頷いた。

ジャックは言った。


「彼女には俺の素顔を見せた。その上で、俺の妻になりたいと言ってくれたんだ。実は今日、結婚する予定だったが……」


「役人が来てしまったと?」


トビアスの言葉にジャックは頷いた。


「たとえ偽名だとしても、役人に追われる身で結婚すれば彼女にも影響があるかもしれないと思った。もちろん今までしてきたことを考えれば全てが潔白とは言えない。だが、彼女のために俺はピョートル・セルビーノの無実を証明しなければならないんだ。セルビーノとしての最後の仕事だ。それ以降はその名はこの世から姿を消すつもりだ。シャルロットの夫になると決めた以上、裏社会に関わるつもりはない」


ジャックの堅い決意に、トビアスは笑みを浮かべた。


「彼女のためなら尚のこと協力しますよ。僕にとっては数少ない友人の一人ですから。それにしても……」


トビアスは腰に手を当てた。


「絶対に誰にも姿を見せないという噂なのはわかりますが、僕の元へ玄関から出向くほど切羽詰まっているのに、まだ顔に包帯を巻いているなんて。協力者には姿を見せてくれてもいいんじゃないですか」


ジャックは首を振った。


「素顔は見せられない。見せたところで協力してくれると言った言葉が撤回されるのはわかっている」


確かに協力してくれるというのなら彼には真の姿を明かしておいた方が良いだろう。しかし、ジャックは拒絶されることを恐れていた。自分の潔白を正統に示してくれるのは彼しかいないのだ。それに、トビアスはシャルロットの友人である。自分のせいで彼がシャルロットから離れてしまうかもしれない。

渋るジャックを前に、トビアスは口を尖らせた。


「僕だって一応中心街で名の知られた商人だったんです。直接関わりがなくてもあなたがどういう人なのか噂はきいていますよ」


トビアスが社交界で耳にしたのは“悪魔の姿”である。翼でも生えているのだろうかと想像したが、見た様子では背中にそんなものはなさそうだ。大方戦争でひどい怪我でも負ったのであろう。


「それに、シャルロットです。彼女はあなたの姿を知った上で、結婚したいと言ったのでしょう?」


ジャックは小さく頷いた。

トビアスはジャックの方へ歩み寄ると、無理矢理彼の腕を取って、巻かれてある包帯に手をかけた。


「お、おい……!」


「全く、どんな火傷か知りませんがね、彼女が受け入れた姿を僕が拒絶するはずが……おや?」


トビアスはジャックの包帯の下にジャックの手がないことに気付いた。


「手をなくしたのですか……! では、どうやって包帯を巻いて……?」


手元とジャックの顔を交互に見返しているトビアスに、ジャックはため息をついて苦笑いした。


「ないわけじゃない、見えないんだ。俺は……全身が透明なんだ」


そう言って頬の部分に巻かれた包帯を少し下へずらしてみせた。見えるのは肌ではなく頭の向こう側に巻かれた包帯だけだった。


「……っ」


トビアスの息をのむ音が部屋に響いた。


「これが俺の姿だ。君とシャルロットしか知らない」


ジャックの静かな物言いに対して、トビアスは後ずさりしながら、動揺を隠せずに口に手を当てて言った。


「で、で、でも、どうしてそんな……あなたは何者なんですか……?」


「話せば長くなる。一応は人間だ。雷に当たった死に損ないだがな」


トビアスはジャックの謎めいた答えにますますわからないと首を振ったが「ちょ、ちょっと待ってください」と言って一度深呼吸をした。そして落ち着いたように彼の方へしっかり向き直った。


「シャルロットは、あなたをみてどう言ったんですか……彼女は何と?」


「シャルロットは……少し驚いていたが、幽霊じゃなくて良かったと言った。俺に触れることができると、喜んでくれた。とんでもなく、肝の座った娘だ」


シャルロットを語るジャックのその柔らかい口調に、トビアスは少し目を瞬かせた。顔は見えないために表情はわからないが、間違いなく、彼は……シャルロットを愛しているようだ。心の中で感心したように頷く。トビアスはもう一度深く深呼吸をすると、ジャックの方へ歩み寄った。


「……僕は、シャルロットに持てる全ての商業術を教えました。しかし、同時に彼女からは広い視野を持つことを教わったんです。……だから、彼女が受け入れたなら僕もあなたを拒絶しません。どんな姿だろうと、協力させていただきますよ」


トビアスはそう言うと、おそるおそるではあるがジャックの包帯が解けかけている手をしっかりと握った。そしてほっとした。シャルロットの言う通り、彼は目には見えないが暖かい体温を持つ生きた人間なのだ。それがわかるとトビアスは安心感を覚えた。

トビアスの手はもう震えていなかった。


トビアスのそんな様子に、ジャックはシャルロットの父セドリックと握手をしたあの時を思い出した。


「ありがとう。この恩は決して忘れない」


トビアスは、誠意あるまっすぐな感謝の言葉を受け少し驚いたが、照れたように言った。


「せっかく僕を信用して、ここまで来てくれたあなたの心を踏みにじるわけにもいきませんしね。しかしながら――」


トビアスはジャックをじろじろと眺めた。


「いくらなんでもその包帯は怪しい。僕の用意する服に着替えてください。今は戦争帰りの傭兵みたいですから、もっと魅力的な紳士に変身させてみせますよ」


「み、魅力的な紳士……? いや、俺は……」


トビアスのきれいな笑みにジャックはたじろいだ。






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