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クロスファイアの挑戦者  作者: 堂賀 脆
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1話

20XX年、世界は核の炎に包まれた・・・・・・だが人類は滅んでいなかった!



などというどこかで聞いたような話であるが、残念ながら事実である。

ちょっと違うのは、文明はなくならず、国家はなくなっていなかった。

ただし人口は最盛期に比べて激減。現在の総人口は当時と比べて1/10程度と聞いている。(まあぶっちゃけそこまで興味はないので詳しい数字は知らない)


そして今、世界ではこれ以上同じ事が起こると人類いなくなっちゃうんじゃね?まずいんじゃね?という国家の協定により戦争の放棄が決定。世界全体で協力体制のもと、さまざまな環境整備が行われた。


・・・・しかし人間のSaGaは罪深いらしい。

戦争はなくなっても、とあるもので国家の優劣をかけて争うようになった。

・・・・・・それは格闘ゲーム。通称・格ゲーである。

そう世界は1997年以来の格ゲーブームに包まれた!


ただし戦争の爪痕は大きく、娯楽産業などはあまり発達はしなかったようで、話によるちと2014年の格ゲー事情とほぼ変わらないらしい。当時よく語られていた、VRゲーム等(電脳空間に直接ダイブして、体感的に操作するタイプのゲームらしい?)には発達しなかったようだ。近未来なのに、やってる内容変わらないなら、別に現代としてやればいいんじゃ?と言ってはいけないと国の偉い人がいっていたので、よくはわからないが間違いない。



・・・・・この俺"木野道このみち りゅう"は、そんな世紀末に生きる日本高校生である。

国家の威信をかけたプロゲーマーを育成する国立高等学校:メスト学園に在籍する1年生だ。学校には様々な学部が存在するが、俺は2D格闘学部に所属している。2D格闘学部は、奥行きの概念がない平面的な動きをするゲームで、格ゲーの基礎ともなった内容のものである。

またコンボゲー科に所属しており、コンボと呼ばれる連続攻撃が勝敗の決め手となる、最近の格ゲーの主流ともいえるのもも技術向上を目指す。

学園はPSRプレイヤースキルレートにて管理されており、生徒はプロを目指し切磋琢磨している。

俺の現在のPSRは623."あばれ竜の"異名を持ち、周りの同学年の生徒と比べても上位に含まれるが、やっぱり上には上がいる。プロへの未知はまだまだ遠いぜ!


「おいおい。朝の校門の前で立ち止まって何やってんだ。滅茶苦茶、邪魔なんだが・・・・あと声漏れてるぞ?」


む・・・・・?呼び止められて後ろを振り向けば、同級生の"四杯しはい けん"だ。

四杯 健。通称"ベガ立ちのケン"と呼ばれており、自ら積極的にはプレイせず、他プレイヤーの対戦を、後ろから腕を組み、直立不動の体制で見ているだけの様子からそう呼ばれている。

そして、「あーあー。最大火力のルートじゃないよw」とか「うはwやっすww」とか、後ろからボソッといってくるので非常にウザい。

プレイしている姿をみれば、PSRは283くらいで2~3回対戦に勝っていたかと思えば、気がついたらゲーム筐体からいなくなっているという謎の多い男なのだが・・・・・・


「でも逸る気持ちも分からないでもないか。たしか今日だろ?プロとの対戦研修があるのは?」

「ああ!今日のために、相当やりこんできたからな。ぶっちゃけ自信はある。ワンチャンとったら今日から俺もプロかもしれん・・・・・・すまんなw」

「ハイワロハイワロっと。まあそこまで言うなら後ろから見させてもらうとすっかねえ。」

「まあ正直ウザいが見ておけ。」

入学して日が浅い時期とはいえ、実際にプロと戦えるというのは、これからの試金石ともなる。最近覚えたテクニックのおかげで対戦でも安定して勝てるようになってきた。この機会は生かさないわけにはいかない!








ΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩ








負けた・・・・・・・・・・某風の拳の漫画のケンの様な思わせぶりな展開もなく、普ッ通に負けた・・・・・

最初の内は悪い展開ではなかったと思う。しかし1ラウンド目、相手の体力ゲージを1/3も減らしたあたりからは、もう一方的な展開だった。

これが俺の限界だとでもいうのだろうか・・・・・・?


「雑www魚wwwおwwwつwwwお疲れさんwwwwww」

「四杯か・・・・草生やしすぎ・・・・・・今は放っておいてくれよ・・・・・」

「まー相手はプロだ。そんなに落ち込むなって。」

「そうはいってもまじでフルボッコだったからなあ・・・・・。俺もイkルじゃんと思ってたのに。こんなに差ってあるもんなのかなあ。」


そう悩んでいると、四杯は考え込んでいるようだ。むう。こんなに真剣な表情は初めて見るな。まあぶっちゃけ縫う額したばっかだし、滅茶苦茶、浅い付き合いというのもあるが。


「そうだな。じゃあなんでフルボッコにされたか原因はわかっているか?」「えっ?」

そういわれて俺は悩んだ。もちろん今までも負けたことは何度もある。その時は俺が相手より下手だから、技術的に劣っていたからだと思っていた。

しかし今の四杯の口ぶりでは、まるでそれ以外にも明確なゲインがあるように感じる。あまり負けたときに深く考えたことはないが、直接的な原因というものがあるの・・・か・・・?

「おいおい。その顔じゃあ考えたこともないって感じだな。本当にプロを目指すんなら、そういう事も科考えるいい機会なんじゃあないか?」

原因・・・・原因か。しかしいきなりそういわれても思いつかない。出だしの感触は悪くなかったし、問題があるとしたら中盤以降ってことか?


「全くしょうがないな。よし。それじゃあ行くか!」

「????行くって何処に行くんだよ????」

「末堂サンもいってがバカかお前っ!俺たちは格ゲー学部の生徒だろ?放課後にいくとしたら一ヶ所しかねーだろ。ゲーセンさ!」

たしかに悩むくらいなら、とりあえず格ゲーでもしようってことか。へたに悩むくらいなら実戦というのも悪くない。なによりボコられて終わりってのも癪だしな。

「だったらちょっと移動すっか。人が多いところなら秋葉か新宿?でも学生服で新宿は勇気がいるから秋葉にいこう。」




・・・・・そこには少年を待っている出会いがある。クロスファイアの挑戦者と呼ばれるようになる、特に奇跡でもない、むしろ会わなかった方が人間としては成長できた微妙な出会いが。プロゲーマーを目指す少年。かれの物語は今これから始まる!

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