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幽霊探偵  作者: ホワイト
4/5

リトライ…

俺は1人で考えていた。他の者が一体どう考えてるのか気にはなったが、ただ今は聞く気になれなかった。

それにしても今日は何の予定もないのだろうか…

特に何も知らせれていなかったし…逆に言えば1週間というタイムリミットは長いんじゃないかと思っていた。突然!自分の部屋の扉が開けられた。

助手の三上だった…

助手の三上は問題が起きたと、かなり焦っていた。俺は突然開けられた扉にビックリして腰を抜かしていた。

何事が起きたのかとさっぱり理解出来なかった。三上が早口で何を言ってるのか聞き取れなかったからだ。

焦っている三上を落ち着かせ、ゆっくり事情を説明するように伝えた。

助手の三上は落ち着くと、こう話した。

「黒木さんが立花さんを脅かして逃げだした…」と。

「逃げ出したって、何処に…」と尋ねた。

「現世です…」

現世だと!何故そんな事が出来る…

頭の中はパニックになっていた。

助手の三上の話によるとある方法で現世に戻る事が可能だと教えられた。一体そんな事して何になるのか?俺には黒木の行動がわからない。

「どうにかして連れ戻さなければバランスが崩れてすべて消滅してしまう…」と助手の三上が付け加えた。

「すべて消滅…?」とは、一体どいう事なのか説明を求めた。

「すべてというのは私達やここの場所、ゲームのプレイヤーが呼んでいる地球というゲームの世界がすべてなくなると言う事です…」

「えっ…」と俺は絶句した

ちょっと待て地球がゲームの舞台…というと俺達はそのプレイヤーと言う事なのか…すべてがゲーム

「人生=ゲーム」か…だから主催者…

俺達は単なる1つの駒にすぎないのか…助手の三上が言った

「いえ、その考え方は違います。」と心を読まれてしまった

「あくまでも考え行動するのはプレイヤーの皆さんであって私達は一切関与していませんし間違いなんてないんです。すべてが正解。エンディングも人それぞれですから…」

それでリトライしたら記憶を消すと…俺はなんとなくだが理解した…


その後、お互いに沈黙がつづいた…


でも何で俺に相談しにくるんだと思った。

助手の三上に聞いてみた…


「何故俺に相談しにくるんですか…そちらで解決するものでしょう?」


「確かにそうなんですが主催者の立花の方が考え込んでしまって…なにせこんな事、初めての事だったんです…予測していなかったんです」


「ちょっと待ってください。それ質問の答えになってませんよ。」


「すみません…要するに斉藤さんに聞けば何かが聞けると思ったんです。確か、探偵でしたよね。」


「確かに探偵でしたよ…でもそれが今回の件と関係あるんですか…」


「詳しくは立花の方からご説明があると思います。ですから立花の部屋に一緒に来て頂けませんか?」


「行きますけど、他のメンバーにはこの事は…」

「いや…知りません。知らせたら大変な事になってしまいますから…」

俺はかまわないのかと思いながら立花の部屋へと三上の案内で向かった。


複雑な所である。

何か映画でこんな感じの建物のシーンがあったけ…地図がなければ1人では辿りつけないだろう。

迷路のような建物…一体誰がこれを作ったのだろうか趣味が悪い…

「主催者の立花です」と三上が口にした。心の中を読まれてしまった…余計な事は考えられないなと正直思った。

「大丈夫ですよ…気にしませんから…」

また読まれてしまった。


一体どれくらい歩いただろうか…なかなか辿り着かない…その時何かをくぐった感触が体にまとわりつく…それは水のような感じに似たかんじだった。

目の前には頭を抱えた立花の姿があり、かなり広い感じの部屋で何かのシステムだろうか、機材が沢山ならんでいた。

立花が顔をあげどうしたらいいものか、という顔をしていた。

助手の三上が立花に何か話していた。

その後、立花が

「詳しく話している時間はないのでお願いします…知恵を貸してください。」と言ってきた。

俺は内容がわからないと知恵もなにも貸せないと答えた…

立花は早口でこう答えた。

「斉藤さんが出ていった後に黒木さんも俺も現在の俺が見たい、との事でしたもので先程、手順通りに見せ終わりショックを受けられているみたいでした…しばらく呆然としていましたから。斉藤さんと同じ事をおっしゃいましたよ…今見たところでリトライ出来ないのか…と、かなり焦っていました…私は無理ですと何度もお答えしたのですが、主催者なのだから何か方法の1つや2つぐらいあるだろうと…凄い剣幕でした…そこへ三上君が入ってきて、黒木がニヤリと笑った瞬間…とっさに三上君を人質にとられてしまったのです。まぁ人質と言うよりは幽霊質ですがね…」と笑って言った。

助手の三上が立花の目を睨んだ…

三上の視線に気づき咳払いをして話の続きを話し始めた。


「三上君が人質に取られては手の出しようがなかった…私は肉体に戻れない方の方法を黒木に教えてしまったんです…その瞬間、黒木さんは三上君を離して逃げ出してしまったんです…」

大筋の内容は分かった…しかしどうやって黒木を見つけて、ここに連れ戻せばいいのだろうか…

何の手掛かりもない…手掛ならある黒木が見た映像だ…

俺は黒木が見た映像を見せてもらう事は可能か立花に聞いてみた。

「可能です…今すぐご覧になりますか?」と立花は尋ねてきたので俺は

「はい」と答えた。

立花はまた俺の額に手をあてた…

そこには黒木が横たわっていた。

黒木の家だろうか…それにしては殺風景な部屋だ…

しばらくするとスーツを着た2人組が入ってきた…見た感じ会社の上司と部下みたいな関係だったスーツにはバッチが同じ者がついていたからだ。

2人は何か話していた。

「これで安心ですね」


「そうだな…一時はどうなるかと思ったがな…」

「黒木課長がまさか自殺に見せかけて殺されたなんて事、誰も思いませんからね会社の不正も全部持っていってくれたし一石二鳥ってこの事ですね」


「お前声がでかい…誰かに聞かれたらどうする…」

なんて人達だ…死人の前で言う事ではないし、ましてやこれを黒木が見たとすると…仕返しを考えるか…と思っていた。そこで映像が途切れ立花が限界だと告げた。

俺は見た事ありのまま立花に伝えた。黒木はきっと仕返しに戻ったのだと…

一刻も早く止めさせなければ…どうすれば止めさすことができる…そんな事を考えてる場合じゃない…とにかく連れ戻さなければ…

俺は立花にその2人に監視すればきっと黒木が現れると助言した。

「それじゃ…斉藤さんお願いします。」

何、今なんて言ったの?もしかして俺が捕まえに行くのかと聞き直した。

「そうです。」とあっさり軽い口調で立花が言ってきた。

「私達は動けないんです…ですから斉藤さんお願いします。」

そういう風にくるのは察しがついていたわざわざ俺にすべての内容や立花の部屋へと連れてこられた時点からおかしいと思っていたからだ。

俺は渋々承諾した。

それじゃ…早速…と立花が立ち上がり、こちらに手を向けた

体中は光でいっぱいになっている。その瞬間、先程見た黒木の遺体の側に立っていた…誰かの声が聞こえてくる…立花の声だ…

<タイムリミットは4日。それまでに連れ戻さなければすべてが消滅します…黒木さんを捕まえたら手元の時計の赤いボタンを押してください。そうすれば私達のところに戻れます>と一方的に話して立花の声は聞こえなくなった…

なんて勝手な奴だ…手元の時計を見てみると今まで見ていたのとは別のものになっていた。表示はタイムリミットが物凄い勢いで減っていっている…この表示のスピードからすると4日なんて時間はない…何故だ…どういう計算なんだ…立花の奴、嘘を教えやがったと思った。

とにかく今は黒木を探し出すしかない…とりあえず手掛かりを探した…

そこには一通の封筒が目に入った。その封筒には紛れもなくあの2人がつけていたバッチのマークが描かれていた…

その封筒によると場所は神奈川県横浜となっていた…

とにかく行ってみようとして壁に体当たりしてしまった…幽霊となっているからすり抜けられると勝手な思い込みをしていた…これじゃ姿が見えない透明人間と同じ感覚ではないかと、文句を言いながら表に出て現在位置を確認した…それによるとここも同じ横浜…そんなに遠くはない…。

電車に乗りその会社まで向かった。もちろん料金は払ってはいない…

駅に着き目的の会社を探したがそんなに時間はかからなかった…駅を出たら目の前がその会社のビルだったからだ。

まだ開発されて間がない感じのところだった…

そのビル自体がすべてその会社所有のビルらしく…1階から10階まで部署ごとに分けられている案内板があった。

俺は全部あたっている暇はない…手掛かりがないか封筒を見た…そこには企画課と書いてあった…俺はそれを頼りに案内板で企画課が5階という事を見つけ5階に向かった

そこには大勢の人達がせわしなく働いていた…目を凝らしあの2人を探したが見つけられなかったでも手掛かりはこれだけしかない…顔はわかっても名前がわからない…俺が生きていれば聞く事も可能なんだが…今はあの2人が殺されてない事を祈りあの2人を待っていた。


どのくらい待っただろうか…後ろの方から誰かが近づいてきた。会社の社員達は

「おかえりなさい、部長」と言っていた。

振り向くと…そこにはあの黒木の遺体の側で見た2人の姿があった…まだ殺されていなかった…俺はその姿を見て、ホッと胸をなでおろした。

しかし黒木の姿がない…もしかしたら考えが間違っていたのか…と脳裏をよぎった。殺そうとしているならとっくに殺していると思ったからである

俺は立花と相談する事にした…

<立花さん聞こえますか?>

<はい>と、立花の声が聞こえた…心の中で話した…何故なら心の中で思えば話せると思ったからである…実際の所、話せるとは思ってはいなかった…

<今あの2人を確認したのですが、まだ生きています…俺の考えが間違っていたかもしれない…>


<それはどういう事ですか?>


<あの2人を殺そうとしているならとっくに殺してるはずですし周りには黒木の姿はないんです…別の何かの為にこちらの世界に来たかもしれないという事です>


<それは無いと思いますが…>


<ないとは?何故そう、言えるんですか>


<確信ではありませんが映像を見た後に

「あいつら…」と黒木さんは呟いていましたから…そう思ったんです>

俺はその言葉の意味を理解した…黒木はきっとあの2人の前に現れると…


<今は手掛かりがあの2人しかありませんのでこのまま黒木を探します…後ちなみにこのタイムリミット…かなり早く時間が減っているのが気になるんですが…>

俺はついでにタイムリミットの妙に早く減っている事も聞いた…

<言うの忘れてました…それはですね…こちらの世界の4日が斉藤さんのいる世界では1日という計算です。要するに、時間の流れが違いますからそのタイムリミットはこちらでの時間となります…>


ちょっと待てよ…そうするともう時間がないじゃないか…と時計を確認した…やばい、ゆっくりしている暇はない…

俺は立花に怒りをぶつけたかったがその余裕がなかった…

そのまま

「分かりました」と立花との会話をやめた

このまま2人を監視していてもしかたがない…黒木が俺だったらどちらをまず先に殺すか…確か社員達は部長と呼んでいた…そして黒木は課長だったはず…そうか、と、俺は賭けにでた…

あの部長にターゲットに絞り込んだのだ

黒木の上司でもあった部長にしてやられたと、推理したのだ…

しばらくすると黒木の上司であったであろう部長がそそくさと支度をしていた。社員達に

「お疲れ」と言い残し出て行った。俺も慌てて後を追った…自分を信じて…

俺は遠くの方から監視していた周りは電車の到着を待っている人でいっぱいだった…その一番前に並んでいるのがあの部長だった…

その時、俺はどこかで見覚えのある顔に釘付けになってしまった…敏栄だった…何故ここにいるのか不思議に思った瞬間電車の到着を知らせるアナウンスが流れ出した。俺は敏栄に気を取られターゲットの部長を見失ってしまったのだ…

慌てて捜した…何処にもいない…そのかわり一番前にいたのは黒木だった先程までいなかった黒木が何故一番前にいる…

目を凝らしてみるとターゲットの部長と黒木がだぶって見える…もしかしてあのまま電車に飛び込むんじゃないかと思った…俺は急いで黒木の元へと向かった…

時間がないもう電車はそこまで来ている俺は間にあってくれと何度も何度も叫びながら走った…

電車はホームへと入ってきた…待っていた乗客達は次々に乗車し電車は次の駅へと出発した…。


俺はそんな光景を黒木と眺めていた…

そう間一髪ぎりぎりのところで黒木の左手首をつかんだのである…

黒木は呆然とし話し始めた…

「おまえも逃げてきたのか…」

何を言うのかと思えば

「逃げてきたの」か、かよ…

人の苦労も知らずに…

俺はその言葉に言い返した。

「俺はあなたを連れ戻しに来たんです。」


「あの人達には悪いと思った…けど…どうしても…許せなかった…」

と黒木は泣き崩れてしまった。

確かにあの映像見せられたら誰でも許せなかったと思う…俺だってもし黒木の立場だったら同じ事していたかもしれない

しかし今はそんな悠長なことを言っている場合ではない…

早く戻らなければ…

と、黒木の左手首をつかんだまま赤いボタンを押した…

体が光に包まれ目の前が真っ白になった…


目の前には主催者の立花、助手の三上が立っていた。立花の部屋だった。助手の三上は黒木に怯えている感じだった…

立花は俺に向かって

「ありがとうございました…この後は我々にお任せください」と言ってきた。

俺は自分の部屋で待つようにと言われそのまま黒木の後ろ姿を見ながら部屋を出た。


自分の部屋に戻りながら考えていた…この後、黒木はどうなってしまうのだろうか…何らかの罰を受けるのだろうか…荒れだけの事をしたんだ、ただでは済まないだろう…でも黒木の気持ちも分からないわけではないが…


俺はしばらく自分の部屋で待っていた…

ふと時計に目をやると時計が戻っていたその時計には残りわずかなタイムリミットが示されていた残り4日だったタイムリミットも後、5時間となっていた…

ゆっくりと考えている暇はなかったが答えは決まっていた…ゲームにリトライする事を…

しばらくすると助手の三上がミーティングルームにくるように伝えに来た。いよいよかと思った…きっと参加、不参加を聞くのだろう…

俺はミーティングルームへと足を運んだ。

そこには、

「浅井ユキ」、

「小笠原美里」、

「高橋しずか」、の3人しかいなかった…黒木の姿はない…俺はまだ来ていないのだろうと思い席についた。

主催者の立花が話をしだす。

「黒木さんはタイムリミットを前に不参加を選びました。」


「えっ…」と俺は思った。皆も同様で驚いていた…先程まで一緒にいたのに不参加って…リトライすればまた挑戦出来るから何とかなったんじゃないかと…

「あっ…」と声を出してしまい、みんなの目線が一斉に集まった。

「どうしたの?突然。もしかして黒木さんが不参加なの知ってたんじゃないの」と美里が言ってきた。

俺は慌てた…

「知らないよ…始めて聞いたよ…」


いかにも知ってましたって言い方をしてしまったのだ…

俺は話しをそらしたが一歩遅かった…女の感は鋭い…

「だって黒木さんと斉藤さん4日間も見なかったし、主催者の立花さんや助手の三上さんだって何か様子がおかしかった何か隠してない?」

とつっこまれてしまった…俺は立花に目を向けて助けを求めた…

「黒木さんが不参加の理由は私達を脅かし逃げ込んだんです…現世に…そこである2人を殺そうとしたが止められてしまった…そちらにいる斉藤さんにね…それで黒木さんは観念しこちらに戻り自分で不参加をお決めになったのです…ただ黒木さんは耐えきれないからと一言言っていました。」

立花の簡略した説明が終わると何か納得出来ない美里が言い返した。

「なぜ斉藤さんだけに頼んだの?それに私達に知らせてくれなかったの?」

と、いつもと表現が違って見えた…

「それはパニックを避ける為と斉藤さんは生きている時は探偵だったです。その力を見込んで斉藤さんに頼んだという訳です。おわかり頂けましたか?」

皆、何か納得出来ないような感じではあったがそれ以上聞かれなかった…ただし美里に

「嘘つき」と言われてしまった…


そして立花はリトライするか、しないか?を尋ねてきた。


皆、同意見でリトライを選んだ…

分かりましたと立花は立ち上がり俺に一枚の紙を3人には分からずに手渡してきた…俺はこっそりその紙を見た…そこには

「後程、私の部屋へ、来てください」と書いてあった…


まさかとは思うが何かさっきのことで、リトライ出来ないとか言い出すではないだろうかと内心ドキドキだった…

助手の三上がこれからの事を説明しだした。

「これから、皆さんにはご自分の部屋で待機してもらいますタイムリミットが来たら死ぬ前に戻っています。ここでの記憶は一切なくなっていますからご心配なく…そしてゲームを頑張ってクリアしてくださいね」と言い残し出て行った…

俺もなんだか張り切っていた…


そして俺はそれじゃとみんなに告げミーティングルームを先に出て立花の部屋へと向かった…

そこには立花しかおらず、何かを考えているのだろ…腕を組んで上を向いていた…

俺に気づいた立花は何か俺に言いたそうだった…じれったくなって

「俺に何か用ですか?タイムリミットまで時間ないんですけど…」


「タイムリミット?それなら大丈夫です斉藤さんの時計止めておきましたから」と立花が言った。

「何んで…」と時計を確認すると確かに止まっている…何故、止めたんだ何の為に…

「斉藤さんに折り入ってご相談があります。」なんだ急にあらたまって…

「斉藤さんにご相談したいというのは、このまま私達の所て動いてもらえませんか?」

「言っている意味が分かりませんが…」俺は話が飲み込めないでいた。

「それはこの先また黒木さんみたいのがでる可能性があり、斉藤さんならその担当に適していると判断してお願いしてるんです」

「何それは俺に協力しろと言う事?」

「簡単に言うとその通りです…」

「俺は嫌です。」と、きっぱり断った。

「どうしても駄目ですか?」

とにかくしつこい一回断ったんだからそれでおしまい…と部屋を出て行こうとすると立花が

「条件付きでも駄目ですか?」と言ってきた。

「その条件とは今の記憶のまま死ぬ前に戻って頂き何かあったらその時は協力してもらう」

俺は戻って話を聞く事にした…条件とか限定とかの言葉に弱かったからである。


「ただそれだけ?」と尋ねた…何かもっと心からやりたいと思うような事はないのか…

それじゃと立花はある2つの条件をつけてきた。

「まず1つは報酬はお支払いたします。もう1つは助手をつけましょう」

と、後ろを指で指した…そこには小笠原美里が立っていた…

「まさか美里さんが助手?」

「そうです…先程、三上君に頼んでお願いしてあったんです…美里さんの事気に入ってましたしね」

そう言う問題ではない。

美里が近寄ってきて

「頑張りましょう…斉藤さん」とやたらと張り切っていた…

俺は溜め息をついた立花はこちらの顔をしきりに気にしている…断ってもかまわないのか尋ねた。

「かまいませんが美里さん1人でやることになってしまいますけど…」

くそ〜美里を助手につけると言って俺が断れないように仕向けたんだと思った…美里1人では連れ戻す事など誰もが無理とわかっていたからだ…俺とは反対に美里は何が嬉しいのかはしゃいでいる…先程までのあなたはどこにいったの…イジメられていたあなたはどこにいってしまったの…何を言ってもやらせる気だなと思った…

「そうです…」と、立花が言った。心の中を読まれていた…

俺は渋々…承諾した…

美里にリトライしたら俺の元にくるように連絡先を教えた…

そう記憶は今のまま残され俺達はこうして現世というゲームの中に逃げ込んだ者達を連れ戻すという役目を背負いリトライしたのだった…



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