表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幽霊探偵  作者: ホワイト
1/5

プロローグ

俺はある一人の男を追っていた。

それは、人間ではなく幽霊である。

そもそも、探偵をやっていた俺が普通の人間からの依頼だけではなく、あちらの世界からの依頼をされる事もあったからだ。この依頼もあちらの世界からの依頼だった。最近はあちらの世界からの依頼の方が多かった。

しかし、今回ばかりはさすがの俺でも手こずっていた。

俺は、あの時の事を思い出していた。

そう、人間だけではなく幽霊まで探し出さなくては、ならなくなった事のそもそもの原因…。

あの日も今日みたいに朝から暑い日だった。


俺は仕事に出掛けようとかなり焦っていた。

七時半の電車に乗らなければ完全に遅刻であったからだ。

そいう時には妙に、冷静になってしまい一本の煙草に火をつけフカシていた。刻一刻と時間だけが過ぎていった。

着替えを素早く済ましダッシュで駅に向かった。駅までは、おおよそ走って10分ぐらいの場所であった。前方に歩くサラリーマンを脇目も振らずに抜かしていった。

必死だった。

久々の仕事の待ち合わせで遅れるわけには絶対にいかない。この探偵の仕事は信頼が一番だからだ。息を切らしながら、ようやく駅に着いたちょっとした運動会である。仕事の依頼が入るといつも遅刻ぎりぎりで走っているからだ。

そう思いながら改札を抜け、階段を昇り反対側のホームへと急いだ。電車が来ていたのである。

絶対に乗れると思った。

その瞬間……。

誰かに背中を押された感じだった。

体は宙に浮き、そのまま打ちつけられ、転がり落ちた。

頭の中ではスローモーション状態で昔の記憶が走馬灯のように駆け巡っていた。時間にして何秒の世界だったのかも知れないが俺には物凄く長く感じられた…。

俺は昔に戻っていた。自分が中学の時の記憶なのか現実なのかは、よく分からなかった。

自分の教室の椅子に座っていた。その時は休み時間だったんだろうか?

周りは騒がしくいろいろな会話が聞こえてくる。

目の前には女性2人俺を見ていた。

1人の女性は立っており、もう1人は、体を横にし顔だけがこちらを向いていた立っていた女性が何かを喋り始めた。

「斎藤さあー敏栄の事好きでしょう?」 って。

俺は敏栄が好きであった。同じクラスメートで小さい時から知っている。良く遊んでいた公園の側に住んでいたのが敏栄であった。そのせいもあってか公園で遊んでいると敏栄にからかわれていた。

今となっては、曖昧な記憶。

俺は焦ってこう言い出した。

「好きじゃないよ!」と。嘘を言ってしまっていた。自分の心が見透かされた事に口からとっさに出た言葉だった。

その瞬間映像が変わった!

俺は思ったこれは夢何だと……。

そこには女性が1人小さな子供が1人いて、ダイニングテーブルに座っていた。その女性はこう俺に向けてこう言った。

「お帰りなさい」

俺は見知らぬ女性だったにも関わらず、非常に安堵感を感じていた。俺の好きな女優に似ていたからであろうか……でもどこかで…?

その瞬間また映像が変わり、真っ黒になった。

あれからどのくらいの時間がたったのであろうか…?

俺はあの時背中を押され階段から落ちて…?

その後の記憶がない病院なのか?

少しづつ意識を取り戻していた。

それにしては何かおかしい…?

周りは物凄く静かで何も音のない世界…異様な感じした。

体は動かない…。

かろうじて目だけを開けることが出来た真っ先に目に飛び込んで来たもは、1本切れかかっている蛍光灯や真っ白な天井壁だった。

左右に目をやると、そこには無数のベッドの上に横たわる人間。生きているのか死んでいるのか分からないが俺以外にも何人もの人間がそこにはいた。

俺が見た限りかなり広い部屋だ。何かのパーティーでも開けそうなぐらい広い部屋だった。

しばらくすると誰かの足音がこちらに向かって歩いてくるそれも2人…。

俺は寝たふりをしたそして足音は俺の前で止まった。

その2人は何かを話している。

「きちんと記憶は消したの?」

1人は女性か…記憶を消す?って?その直後もう1人が話し出した。

「ええ。手順通りに進めましたから、あり得ないと思いますが?今までもそのような実例はありませんでしたし。」

もう1人は男性の声だった。会話の内容からして先生と助手みたいな感じを受けた。

何かを見ているのだろうか、パラパラと何かをめくる音がしていた。その女性が男性に向かって、

「もう1度ミスがないか確認して!」

と言った。かなり苛立っている感じだ。男性は、はいと返事をし女性から遠ざかって行ってしまった女性は俺に言ったのか1人事を言っていたのかは定かではないが何かを喋り始めた。

「記憶を消してゲームの説明をしなくてはならないのにいったい何が原因なの」 というと女性は俺の側から遠ざかって行く足音が聞こえた。俺はその言葉を聞いて得体の知らない恐怖を感じた。

それにしてもあの会話の内容…記録を消す?ゲームの説明?周りの横たわる人間?ここは一体何処なのか?と考えている内に意識を失っていた…。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ