プロローグ
2300年
「はー寒いな・・・・」
俺は自転車を降りた。4月15日。雪は溶けたが、まだ、寒い。
「・・・石塚さん?」
俺は、新聞配達をしている。しかし、新聞を配達してると必ず出会う男
石塚一史がいない。
「おかしいな・・・いつもここで、乾布摩擦してる元気なジジイなんだけどな・・・」
俺は新聞をポストに無理やり入れ込み、自転車に乗ろうとした。
その時だった。
「共鳴君か・・・?」
おくから、男の細い声が聞こえた
「石塚さんいるんすか?珍しいですね。いつも乾布摩擦してんのに・・・」
5秒くらい間をあけて石塚は言った。
「・・・・G。」
「は?」
「お前から・・・血液型Gのにおいする・・・」
血液型Gとは、2198年、南アフリカで大流行した感染性の血液型。
長年これは問題となったが、アメリカと日本の共同開発で生まれた薬によって
2261年ついに血液型Gというものは無くなった・・・はずだった。
「血液型G?馬鹿すか?あんた、俺がそんなのにかかるわけが無いでしょ。」
しかし、石塚は本気の顔をし
「狂うはずが無い!わしのこの機械がお前に激しく反応してるんだ。」
「もういいよ。おっさん、俺は次の家にいかなきゃいけないんだ。最後に言う、俺の血液型はAだ」
そうして、自転車にまた乗った。
「また・・・血液型Gが・・・・ん?まさか・・・・G2というのか・・・?」