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#1灰泥脳

短編です。登場人物は一人です。この後の話も考えています。

頭がぐらぐらする。ああ、飲み足りない。

喉がこれでもかと欲している。


コンビニを出て手に持っていたものだから、万引きでもしてしまったのではないかと考えると同時に、ショックと組み合わさったなんとも言えない吐き気が脳の裏を突き抜けていったが、左手にあったタバコと合わせて、風が吹いたら飛んでいってしまいそうなくらい柔らかく指で挟んでいたレシートによって引き戻された。


コンビニの駐車場を後にして、よろよろと路地裏に入る。

冷たい風が自分の背中を懸命に押してどこかへ追いやろうとしてくる。

それは夏に囚われていた自分にはどうでも良かった。


歩いていると猫が自分を見定めるように光る目で見上げていた。

ふと実家の猫を思い出して、手にあったものをそこらに置き、背中に触れて見ようとした途端に手を引っ掻かれてしまった。

しかも手のひらに引っ掻き傷ができてしまったのでどうしても放って置けないかゆみとイライラの熱で缶を掴む。

猫は悪くない。


そう考えると穴が空いていたはずの穴から何かドロドロしたものが這い出てきた。

さっきまでと打って変わり、何かを欲する自分を抑えるように缶の中を胃にものを流すためだけの管に通す。


途中息継ぎを忘れて口の中から溢れそうになったのをなんとか堪えたが、端から垂れてしまった。

そんなのをよそにどこかへと歩き出した。


なぜ外に出たのかわからない。


左手にある一回も吸ったことがないタバコはなぜあるのか。

目の前にかざすと切れかかっている街頭に照らされて一瞬で色が戻った。


青みがかった紫色は自然界に属さない光と深くに眠る禍々しさを秘めていた。

この色に惹かれて買ってしまったのか、試しに一本吸おうとポケットの中を探るが、薄い財布とスマホしかなかった。

家に戻ってから開けようと思った。


一回忘れようと残り少なくなった缶の中身を飲み干した。

空の缶をそこらへ投げる。

乾いた音がどこかで鳴った。


何かから逃げるように家で何缶も飲んでいたので視界がぼやける。

自分の脳はこうゆう時に限って饒舌だから、それを早く黙らせるためにどうしようか。


そんなことを考えていると繁華街に出た。

時間帯的に自分と同じような酔っ払いしかいない。


その場に立ち止まった時、いきなり頭が痛み出したので膝をついてしまった。

必死に両手で頭を掴む。

その時になにか落ちた音がしたがどうでもよかった。到底人に聞かせられない音が自分から漏れ出てきた。涙が出てきたのと同時に体を丸くしてなんとか耐えようと努力する。


その時頭上から何か声が聞こえてきた。心配されているようだったので、


「大丈夫です。」


と呼吸をするのと同時に繰り返して、早くその声の主が去るのを惨めな姿で待っていた。 

ずっとなっていた声は自分に布を被せてどこかへいってしまった。

それは久しく触れた人の温かさだった。


しばらくして痛みが体の内側に仕舞われていくのを感じながら体を起こした。

繁華街の景色は自分の目に突き刺すように光と色を放っている。

かなり痛く鋭いものを全身で受けたものだから両手がそれに耐えるように強く固く縮こまった。


引っ掻き傷が痛み、手元を見ると布を掴んでいた。

よく見るとこれは布ではなく上着だった。

高級感を放つ炭色のものはこの時期には事足りる厚さをしていた。

お疲れ様です。竹野原理仁と言います。これは偽名です。

初投稿です。

単なる暗い話ではなく何か救いがある話がいいなと思いながら作りました。後書きで書きすぎても良くないのでこれくらいにします。

感想お待ちしています。

来たらとても喜びます。


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