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少数派

「私が昭和とかの古い因習を良く知ってるのは、きっとやはり学校行きだしてから他所の家とウチが違い過ぎて

母や祖母に疑問を投げかけたせいだと思う。

昔の日本が、昭和の日本がどんなに女にヒドい劣悪な環境だったか教えてくれたの。

結婚しないとバカにされ欠陥品扱いされるの会社とかパブリックな場所でも公然と。

そして、25歳過ぎて結婚しないとオバさん扱い。

ババアと影で笑う男や女達にイジメられるのよ。」

秋良は昭和の常識を話す。

「らしいね。母も父が好きとか悩む暇も無かったと言ってた。合コンに次ぐ合コンで、先輩も同期もどんどん消えていくから焦ったって。

誰かが結婚するたび上司が母の肩をもみに来るって。

そして課の皆も巻き込み笑うって。ツラかったって。」

九谷は母から聞いていたのだ。

「父に見初められてホッとしたって。でも、会話らしい会話が成り立たなくて結婚してから絶望したって。」と懐かしい思い出なのか周りを見回しながら微笑む。

もう、そんな会話も過去だ。この場所で九谷の心の中だけの思い出なのだ。

「アルバム…見つけないとね!」秋良は呟く。


「知らない間に良い感じじゃない?」九谷が帰った後、祖母と母は期待したまなざしで見る。推し活しかしない娘にヤキモキしてたのだろう。

「ないない!こんな親見て育って恋なんかする気にならないって〜」手を振って否定する。

「私達は俳優とか漫画家とかキラキラ男に騙されたのよ。

でも、彼は普通っぽいし誠実そうじゃん!

何より家事がちゃんと出来る男性なんて貴重よ!」それは確かに尊敬してる。

この屋敷の調度品は全て九谷の亡き母が選び設えた物だ。玄関の生け花も見様見真似と本人は謙遜するが、立派で見事なものだ。

「お母さんはコロナ明けたら、この屋敷で生け花教室始めようかと思ってたんだって〜まさか、多額の借金して倒産すると思って無かったみたい。」祖母と母は腕を組んでフムフムと聞く。

「片親しか働かないのは、列強諸国に追いつけ追い越せの国策だからね〜家庭にとってはリスクでしかない。お父さんもギリギリまで言えなかったんでしょ。

男って見栄っ張りだから。」母がバカにしたように笑う。

「でもおかげでウチは、旦那が戦争で亡くなって収入失くした未亡人から着物を格安で買い集めて、闇市で米兵に高くで売りつけて曽祖母が商いしたから、私やアンタ達も存在するんだからね〜

女だってその気になれば、どんな状況だって稼げるのよ!」祖母はふん!と胸を張る。

戦後、川には夫を亡くして食えずに野垂れ死んだ母と子が沢山死んでいたらしい。

老俳優が父が戦死した後、母が近所の医者の愛人をして僕らを生かしてくれたと泣いていた。そんな時代だったのだ。

「私らみたいな女は珍しいんだよ。皆、暴力や虐待の中でおかしくなったり、九谷君母みたいに身体壊して亡くなったり…」と言って建物が聞いているのを思い出した。

秋良の様子に母と祖母が「やめて!そういう顔しないで!分かったから!地震速報無かった。あの揺れはウチだけだと分かったから!」震えて泣く。

仕事できる以外は、本当にポンコツなのだ。

「絶対、何か秘密があるはず!九谷君のアルバムと

昭和時代の奥さんの何かがココにまだ残ってるはずなんだよ!見つけないとね〜」そう言いながら部屋に戻る。



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