いじめ
学校だけじゃないのだ。家の中にだってイジメはある。
まず夫婦がそうなのだ。体格差があり「家事育児は女」ってセオリーがあるのを卑怯な男は把握してる。
ハリポタのドビーは、日本女性そのものだ。
田舎にお邪魔した新妻は、まず召使い奴隷としての立場をわきまえさせられる。
夫はワザとなのだ。
これを常識として妻の頭に叩き込み、ジワジワとその頭を侵食していく。洗脳なのだ。
結婚したてで右も左も分からない内に、昔からのスタンダードを妻に教える為にわざわざ帰郷するのだ。
帰宅後プリプリしながらも、妻は少しづつ田舎の母親と同じように作り変えられる。
結婚して子供ができて3年も経てば、男は田舎の母親2世の妻を横に配置できる。
そうすれば浮気の1.2回も頭を下げれば許される…
夫婦とは、イジメの基本構造なのだ。
その内に妻の中身は歪んでいく。
卑屈になり、いつも居ない夫の母親や家族を嫌い、それを表面には出さず、気の置けない友人の前でだけ毒を吐く。
せっかく久々の再会でそれを聞かされる旧友の身になってほしい!
それが日本の男性憧れの家族なのだ。
多分、明治政府は富国強兵のために家族をガッチリ作り込み、男に兵隊と仕事、女にサポートと家庭と割り振り列強諸国に追いつこうと即席麺よろしく型を作り込んだのだろう。
都合よく教科書作成のタイミングもあった。
だが女もただの一人の人間だ。
息苦しいさと自己の身分の低さに劣等感に苛まれる。
家で蝶よ花よと育てられたのに、結婚して夫婦になった瞬間、召使い奴隷ボビーの人生しか選択できないのだ。
この霊は、怒っている。
仕事を奪われ、召使い奴隷として生きるしか無かった。
大事な我が子を殺されても夫をかばい嘘をつかされ、朝から晩まで飯炊女として家の中を走り回るしかない人生…
それがイヤなら、何人もの男に身体をイジられ冒涜されるしかない人生。
なんで女だと言うだけで、こんな惨めな生き方しかできなかったのか?
日本に女の幽霊が多いのは、皆分かっているからだ。
男の選択を間違えたら、人生を詰むと言うリスキーな人生しか昔の日本女性には無かったから、昭和まで。
抜群の生命力とビジネス運と手先の器用さを持った秋良家系の女だけは、そんなストレス無しに働き子育てしてこれた。明治政府の想定をハズレた女系家族だ。
おかげで幽霊は心静かに眠っていたのだろう。
だが、九谷が来た。
九谷は穏やかで母親似の美しく聡明な男性だが、そんな事は霊にはお構いないのだろう。
「僕が!僕が居なくなれば霊は治まるんだよね?」秋良の手を振りほどいて九谷が玄関へ向かう。
「待って!それじゃ、根本的な解決にならない!
ここまで霊が強いのは、何か原因があるはずよ!
だって、そんな思いした女性なら日本中 山ほど居るもの!
でも、この家だけ、こんな強力なポルターガイストが起こる原因があるはずよ!」秋良が九谷を引き止める。
「アナタを必ず成仏させてあげる!
女の私が保証する。アナタだって、このままで良いの?
お子さんにまだ会えてないんでしょ?だから、いつまでもココに居るしかない?」秋良が怒鳴る。
途端に揺れが収まった。
「子供よ!子供に謝りたくて、会いたくて彼女はココにとどまってるのよ!
アナタだって、ココに何か探しに来たんでしょ?」秋良の言葉に九谷が目を見張る。




