探検
苦労の数で負けたくない秋良は地団駄踏む。人と張り合う部分が独特なのだ。
金持ちの家に生まれた事を今初めて後悔した。
九谷の目に明らかに勝った!と言う表情が浮かぶ。
「良いなあ〜秋良と居ると人生に肯定的になれるよ。」クックッと肩で笑う。
携帯で基礎部分の図面を見せる。
「秋良のお母さんに許可取って土台の図面写さして貰ったんだ。やはり外から入れるのはココだけだ。」家の間取りの図面と重ねた図も作ってくれていた。
経験値も現在進行系でスキルアップしてるが、やはり元の頭の良さを感じる。
実は秋良の大学の附属小中の出身なのだ。
つまり元の偏差値は大した事無かったのだ、坊ちゃんなだけで。
テコンドーと乗馬が上手い美少年だったとエレベーター式の友達に聞いたのだ。
また久々成城学園前に現れて大学でも噂になっているのだ。
だから、施設の3年間で彼の頭は驚異的に発達したのだ。
「施設時代の1日の勉強時間って…何時間したの?」秋良が聞く。
「う〜ん、起きてる間はずっとかな?100点取りに行くと弱点は作れないからね〜得意だけ伸ばすと80点しか取れないから。それじゃ、困るからね。」勉強して試験を受けるのではなく、何点取るか?を計算して勉強量を決めるのか?
「私で本当に良いの?」秋良は不安になってきた。
大学で同じくらい勉強してきた女の子の方が話が合うだろう。
「…あのさ、人を好きになるのにそれ関係なくない?
心が動くから人を好きになるんだろう?
僕は、君に心が揺さぶられるんだ。君が今まで体験した事考えた事が、僕を揺さぶるんだよ!」秋良の手を自分の胸に当てる。
「理屈じゃない!君が必要なんだよ!」九谷が怒ったように言う。
心臓がキュンとする。
「僕じゃ、この通風孔入れないんだ!携帯は繋ぎっぱなしで居間の下まで誘導するから!」サーチライトを持たされて通風孔を指さす。
「…話の流れがおかしくない?」秋良が抵抗する。
「同じだよ!大学の奴らは僕と同じ肩幅みたいなもんだよ!この通風孔入れるのは、秋良の体格じゃないと入れない!
君が必要なんだよ!」そう言いながら、秋良の腰を持って通風孔に突っ込む。
「オイッ!絶対おかしいよ!」ジタバタ暴れたが、上半身がスポッと入ってしまった!
「秋良は頭も小さいし体格的に小学生くらいだから絶対入れると思ったんだ。
母も小柄だったからね。
問題はお尻なんだよなあ〜
母は骨盤小さくて、僕を産む時骨盤割れたくらいなんだよ。
でも…秋良はお尻でかいんだよなあ〜」と言いながら通風孔に斜めにひねりながら秋良のお尻を突っ込む。
お尻が通ると中は中腰で歩けるくらい広かった。
「経験値上げたいんだろ?僕が体験できないスキルが身につくよ!頑張って!」外から九谷が応援する。
「そ、それを言われると…やるわ!
中は結構高さあるし。
あっ、本当だ!通風孔と同じくらいの横穴がある!」四方を基礎のコンクリが囲っているが、一カ所だけ穴がある。
「それだよ!でも、次の区画は2カ所横穴あるから通れたら指示するよ。」九谷の声が響く。
口にサーチライトを咥えて、横穴を通る。
やはり腰が引っ掛かるが、斜めにひねると通れる。
次の区画は長方形に長い。
「ちょうど玄関の下だよ!それを右の穴入って。そうしたら居間に入る。」やはり湿気がスゴい。そしてガビ?臭い。
「左だと、どこへ繋がるの?」秋良が聞く。
「キッチンだよ。でも、排水管や給水管の迷路にツッコむ事になる。右へ右へ2区画移動して。」九谷に言われたように進む。
すると携帯から「ウワッ〜!」九谷の乱れた声がする。
「大丈夫?どうしたの?」秋良が聞く。
「…いや、通風孔覗きながら話してたんだけど…いや、大丈夫!そのまま進んで!」九谷が言葉を飲み込んだ。
「エ〜ッ、この状況でやめてよ〜それでなくてもカビ臭いし、湿気がスゴいんだから〜」2つ目の区画に手だけ入った所で何かに当たる。
「うん?これは…」手探りで形を確かめると大きな本のような…サーチライトで照らしたが手前は暗くて見えない。とにかく中に入らないと。
また口に明かりを咥えて横穴を通る。
かなり大きな区画だ。灯りで照らすとやはり本だ!
ページをめくると写真が貼ってある!
すると、そのアルバムに頭上から灯りが漏れてるのが反射する。
「あれ?ココって居間のどこら辺なるの?」九谷に聞いたが返事が無い。
「ねっ、九谷くん!九谷くん!アルバム見つかったよ!どうしたの?返事して!」サーッと血の気が引く。




