3話 2話の続きです。はい。
しかし、夜は確かに危険がいっぱいとは思う。
殺人犯とかストーカーとかあと…
「ちーよさん。」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!変質者ぁぁ!」
「え!?変質者?どこどこ?」
私の後ろに居たのは街灯の光で明らかになる。…先輩撃沈宣言したホストだっだ。
「え、あ、あの時のホスト…さん?」
「ハイっす!!仕事上がりで、今帰りっス!」
良かったァァァァ!マジで変質者かと思ったァァ。魂飛んでくかと思ったァァァ!
あ、やべ涙出てきた。
「え!?そんなに怖かったっすか!?めんごめんご!」
「いえ、大丈夫です…でも仕事終わるの早くないですか?」
「あ!俺ヘルプで来ただけなんで、早めに上がれたんス!で、今その帰り。」
なるほど。あれ?帰りってことはもしかしてホストと帰り道一緒ってこと!?
「ちなみにご自宅は…」
「ハイ!2つめの角を右に曲がったとこっス!」
はい来た!同じ道!!マジかぁ…私、家に着くまでこの美男子と一緒になるのか…
てか、ホストという人がそんな簡単に家の場所教えて大丈夫なのか。
いや、それよりも今が大事だ。
仕方ない、遠回りしよう…
「あ!確か家、うちの近所ッスよね?
夜道危ないからエスコートさせていただきまっす!」
「え!?」
何で私家知ってるの!?そういや名前も言ってなかった!?え!?怖っ!
このホスト…もしかして…
「あん時千代さん、保険証落したっしょ?
丁度家近所だから渡しに行こうと思ってたんすよ!」
ハイっと渡された保険証は正真正銘私のでした。
その時私は猛烈に反省しました。
今、ホストを疑った数秒前の私にを一発殴りたい気分です。ごめんなさいホストさん!
そしてなぜ落とした私!しかも結構大事なやつを!!
「そうだったんですね。ありがとうございます!!助かりました。」
「いやいや、助かったのは俺の方っすよ!
あれからマジで先輩殴ってボロ出したんス!そこからもうちょースゲーの!女の子達が先輩に詰め寄るわボコボコにするわで大騒ぎ!ちょー怖かったっすね!」
うわっ、むっちゃ想像できるぅー。
そっか。ホントに殴ったんだ。
「良かったですね。ホストさん」
「うーん、そのホストさんって止めません?俺の名前は春宮尚、尚って呼んでくださいよ。」
そう言えば自己紹介まだだったもんね。
保険証も届けてくれたし悪い人ではなさそうだし、いっか!
「そうですね。」
「へへっ。じゃあ、行きましょうか。ちよりん!」
ん?ちよりん…だと。
この短時間にえらい可愛い呼び方にランクアップしたな。
「あの…そのちよりん…やめません?」
「いいじゃないっすか!『ちよりん』、可愛いでしょ?」
「いや、確かに可愛いですけど、私には…ハードルが高いというか…」
「大丈夫大丈夫!気にし過ぎっすよ!」
こりゃ引きそうにないなー。
えー。むっちゃ恥ずかしいんだけど…。
「あ!そうそう聞いてくださいよちよりん!
俺ね、NO.1になれたんすよ!すごくないっすか!?」
へ?それよりNO.1ってなんスか?
ホストのNO.1って事?
そんな時こそ、助けて~グー○ルせんせー!
「スマホなんて出してどうしたんスか?
あ!もしかして記念撮影!?」
「違います!!」
えー『ホスト NO.1 意味』っと、ポチッとな。
出た!。なになに…え?
「尚さん、売上一番なの!?」
「そうっすよ!てか、ちよりんそれ調べてたの!?」
「…ホストなんて行きませんから…」
そもそもホストなんて興味無いし…
「あ、ちよりん、ちょいメンゴ!」
「あ、はぁ…」
何事?急に左に立ち位置変えて…
は!!こ、これは…
今私達は一方通行道路な右側を歩いている!
ということは…モテ男のスキル技!
『さりげなく車道を歩く!!』
今まで夜の女性をこれで虜にしてきてたのか…
計算高いヤツめ…
「ちよりん、さっきから黙って…大丈夫っスか?」
「へ?あ、あぁぁ!大丈夫!大丈夫!」
イカンイカン!私としたことが!
でも…私にはその技はジミィィィにきついのです。
「あの尚さん、ひじょーに言いにくいのですが私……左耳が聞こえません。」
そう私佐々木千代は左耳が難聴である!
そしてホストは今私の左にいる!!
確かに嬉しいがちょっと嬉しくない狭間にいるのだ。
「え!?全然気づかなかった…」
まぁ、そうでしょう。普通に耳はついてるし。
「なんで左に立たれると…」
聞き取りにくいのです。マジで。
いや、頑張れば聞こえるんですよ?
でも正直言うとメチャしょーじき言うと、
聞こえない率が明らかに高いので、私の場合ほとんど相槌で誤魔化します。
でも…今回は尚さんはいい人だし…
相槌は失礼だと思うのです。
「じゃあ、左の歩道寄りましょ?
そしたら俺右に行けて、ちよりんも聞こえるっしょ?」
「え?わぁぁぁ!」
尚さんは私の腕を引いて左の歩道によった。
「ちよりん!どうっすか?聞こえるっスか?」
「え、ええ。とっても。」
すると何やら尚さんは何やらメモをしだした。
「何してるんですか?」
「え?ちよりんが左耳聞こえないことを忘れないようにメモしてんス。」
「何故ですか?」
「そりゃ。女の子の要求や特徴を覚えるためっスけど、ほら、親しき仲にも礼儀ありって言うっしょ?」
何度も思うけど見た目チャラいのに良い人だァ。涙が出てくる。
私の記憶上、「私、難聴です。」って言っても2.3日すれば忘れられてしまうのが現状なんで……
メモとか覚えようとしてくれるだけでむつゃくちゃ嬉しい!
尚さん、本当に良い人!×2
「あ、ちよりんレインやってる?」
「やってますけど…ほら?」
「ちょっと貸して!」
尚さんは私からスマホを奪うと何やらタッタッと打ち始める。
「何やってんですか?」
「はい!俺のアカウント登録したから、いつでも連絡して欲しいっす!」
マジか!?
でもどうせ客用アカウントだよね…
「一応俺個人のアカウントなんで!」
聞こえてた!?エスパーか?超能力者か!?あ、意味一緒か。
「そりゃどうも…」
「あ、あそこっスか?ちよりん家!」
尚さんが指さす先は私が住んでるマンションだ。
あ、もう着いたんだ。
あっという間だな…
「はい、わざわざありがとうございました。」
「なんのなんの。良かったら今度はうちの店来てくださいね!」
「あ…、気が向いたら、ね…」
そう言うと私は尚さんと別れ、すぐ、すぐにエレベーターを駆使し自室に向かった。
そして、鍵をさしドアを開けるとやっと…
「やっと家に着いたァァァァ!長かったァァァ!今何時?夜11時じゃん!もう!!変な人たちと会うし!最悪!」
でも、なんか……楽しかったな…。
久しぶりにドキドキした感じ。っていやいや
着ていたコートを脱ぎ捨てカバンをあさる。
「あ~お腹すいたなぁ~。そだ!スープ!
キャバにヤクザにホストの胃袋を掴んだスープを飲もう!よしよしお手並み拝見…」
水筒の蓋をキュッキュッと開けると中身が…
「からっぽじゃん!!ヤクザか!ヤクザで飲み切ったんか!あ-私の晩飯~。」
しゃあない…雑炊作るか…
ご飯に、キムチ、キノコに鍋キ〇ーブ~
「全部入れて煮込むだけだから、雑炊は楽だよね~、へやぁい!でけた!!」
寒い寒い体に染みる辛めのキムチ雑炊!
熱いうちにはよはよ!
私は我が家の冬のアイドルコタツちゃんに雑炊入り鍋をおき、座布団に座った。
「あ~うんめぇぇ!辛さが寒さに染みるわァァ!」
あ、そういや!!
私は脱ぎ捨てたコートからメモを取り出した。
「これどうしよ…でも尚さんとレイン交換した…というよりされたしなぁァ…」
………………別に私がしたいからしている訳じゃない。連絡先を貰ったから仕方なく登録するだけ!決して寂しいからではないよ!!決して
ピロリーン♪登録完了シマシタ。
「あ…ついしちゃったなぁ…でもホントに連絡するかわからないしなぁ…」
ピロリーン♪
ん?なんだ?
私はもう一度スマホを見てみるとそこには…
光希ちゃんからのレインだった…
『やっほー!(*˙︶˙*)ノ゛ちよちゃん!
メアド登録ありがとー(((о´∀`о)ノ♡ヽ(о´∀`о))) めっちゃ嬉しぃ!(≧∇≦)
バンバン連絡するから、ちよちゃんもいつでも連絡してね٩(๑><๑)じゃねー(ᐢ⌔ᐢ)ノ゛』
絵文字多いなぁ…読みにくっ!
てか11時でもまだ起きてるんか…元気なこと…
ピロリーン♪
今度は誰だい!?
『よう。あどれすとうろくありがとよ。
はじめてれいんか?つかってんだ。
わかいやつならこのほうがいいとおもってな。まぁ、なにがあったられんらくしてくれや。』
初めて感が凄いなぁ~変換なしだとこうも読みにくいもんか~
で、誰だ?アカウントは…サクラダ…へ?
……サクラダ?……….…ヤクザの組長さんだァァァ!
ヤクザの組長さんにれいんさせてしまったぁ!
どうしよう!!ヤクザの人に殺されないかなぁ …私の命いくつあってもたりないよ。
それより返信返信!!
仕事でも早めに返事を返すのが礼儀だし!
桜田さんは礼儀に厳しいから…。
えーと…『わざわざありがとうございます。
こちらこそ何かありましたらお力になりたいです。』っと、送信!!
ピロリーン♪返信早っ!
スコッ。(ぐっとなスタンプ)
「ふあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ヤクザの組長であるお方が
エラい可愛いスタンプ使ってはるやんけぃ!!
ドコ産?どこに売ってるの?いくら!?
っていやいやいや…まぁ、一旦会話はこれで締めていいな。
ピロリーン♪
今度は誰だ!
『チュワーッス!家無事に着きました?
俺は今、風呂上がりに牛乳飲んでるっス!
風呂上がりはやっぱ牛乳っすよね!
そうそう、ちよりんはコーヒー牛乳派っスか?フルーツ牛乳っスか?ちなみに俺は普通の牛乳ッスね!やっぱ新鮮なのが1番!!』
「コーヒー牛乳かフルーツ牛乳かで聞いてるのに当の本人は普通の牛乳って選択外じゃん…」
でも聞いてるってことは返信せねば…
めんどくさいなぁ~
えーと、『無事に家には着きました。ありがとうございます。ちなみに私はフルーツ牛乳が好きです』
っと、送信!
ピロリーン♪あ、返信…って!
スコン♪(自撮りでOK)
自撮りかい!!あぁーヤダヤダ。
顔がいい男は自撮りする上にスタンプ代わりとは…すごい自信…まぁ、実際、顔いいし……
まぁ、これも一旦終了っと。
私は残りの雑炊を食べ終わると鍋を水につける。
「これからどうなるんだろう………。」
洗い物もして眠いからお風呂は飛ばしてパジャマに着替えて…………布団に潜って……これは夢でないことをちょっとだけ思って目をつぶった。
私にはハードルが高い不思議な出会いだからかな夢なんかじゃないもっともっと大事件っぽいのんが起きないかなとか。
そう、そう思ってしまったのです。