7話
――スキルを貰うときに、使える魔法は教えてもらったけど。ステータスはまだ見てないんだよなぁ。
「ステータスオープン!」
そう口に出した僕の前に画面が現れる。そこには僕の名前とステータス、スキルが表記されていた。
名前 カストール伯爵家次男・ノエール・カストール(十五歳)
転生前の名前 キトカズキ(三十五歳)
種族:ヒューマン
職業:神様によって巻き込まれた異世界人
レベル:♾️
能力値
・ 体力 ♾️
・ 魔法 ♾️
・ 攻撃力 ♾️
・ 防御力 ♾️
・ 敏捷:♾️
スキル
・ 魔法全属性
・ 種生成魔法
・ 創造魔法
・ 生活魔法
・ 記憶魔法
・ アイテムボックス
固有スキル
・ わからないことは神様にクエッション⁉︎
――ん、んん? 僕のレベル、ステータスが無限大⁉︎
うーん。これらすべて、神様からのお詫びにしては多すぎるお詫びだが。この異世界で、自由に使いなさいと全て無限大にしてくれたのかな。とはいえ僕はまだ冒険者にはならないし。ゆっくり種を生成して畑を作って、のんびりキャンプ出来ればいい。
食料も屋敷から、アイテムボックスに入れて持ってきたのと、転生前のがあるので当分は困らない。家具を直して売るのも、お金に困ってからでいいよな。
かっちりとスケジュールを組むのではなく、やりたいことをしてすごす。ぬるくなったコーヒーを飲み干して、僕は空気を入れて膨らますエアーフレームテントを、自転車の空気入れに似た手動エアポンプを使って立てることにした。
――たしか、このテントの広さはワンルームくらい。料理は外の焚き火でするから、中は専用のラグをひいて、エアーベッドとテーブルさえあればいいか。
いま手動エアポンプで膨らましているこのテントは、フレームにポールを通すのではなく空気を入れるから、ポールが折れる心配がない。空気を入れて、エアーフレームテントを立てた後は、しっかりペグで固定しなくてはならない。
焚き火の火を気にしつつ、エアーフレームテントを立てしっかりとペグで固定し終えると、僕は満足げに頷いた。
「よし、これで寝る場所は確保っと」
次に、テントの中にエアーベッドとラグを敷いて、簡単なテーブルを置けば、とりあえず拠点は完成した。焚き火の火がパチパチと小気味よく弾ける音を聞きながら、僕は深呼吸をする。
「ん~ん」
異世界の空気は、転生前の世界よりも澄んでいる気がした。今朝、伯爵家を出てきたばかりなのに、ここはゆっくりと時間が流れているような気がして、心地よい。
――もう一杯、コーヒーを飲むか。