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7 聖獣の愛し子

小説の中でリリアーヌと母シャルロットの二人を苦しめた魔力過多症、実はアルベールが成人した後に呆気なく対策法が見つかった。


デュフォール侯爵家が魔法の名門になったのは、デュフォール侯爵領が産出する豊富な魔鉱石資源に由縁する。

普通の魔鉱石は性質によって「火=赤、水=青、土=茶、木=緑、風=白、雷=黄」と色がついているが、アルベールによって発見された領地の未開の鉱脈からダイヤモンドのような透明無色の魔鉱石が産出された。

この透明な魔鉱石から魔力のような流動を感じるのに、何質の魔法にも反応せず、一度全属性の魔鉱石と疑われたが、結局治癒魔法にも反応しなかった。

ただ魔鉱石に似てる普通の岩石じゃないかと疑われていた所、たまたま領地を通った旅のエルフが透明魔鉱石を目にして、たちまちこれはエルフにしか使えない特殊な魔力水晶であること 分かった。


エルフが住むエルフ島と人間が住む大陸は広大な海によって隔てられ、航海技術がまだ発展途中であるこの世界では、海を越えた交流はごく少数な分野に限られている。

加えて、エルフは自然を信仰する一族で、特に殺生を嫌い、菜食主義を徹底している。そのため、農業化工業化を進める人間とは思想の違いから反りが合わず、今まで積極的に人間と交流しようとしなかった。

しかしデュフォール領で発掘され魔力水晶がエルフ国内に伝わってから、エルフ国から代表として使節団が派遣され、セレスタン王国と、その中でも特にデュフォール侯爵家との貿易が始まった。


エルフ国の使節団と交流を深めていく中、人間にごく稀に見られる魔力過多症は、実はエルフの国では聖獣の愛し子と言われる、非常に貴重な能力だった。

エルフの国にはエルフ以外に聖獣と呼ばれる知能を持った特殊な動物たちがいる。

彼らは自然に流れる膨大な魔力によって作られた魔力の結晶で、神とこの世界を繋ぐ神聖な生き物だ。

魔力過多症のような無制限に魔力を作り出すことができる存在は聖獣に愛され、聖獣と契約すればその魔力を聖獣に分け与えることで、人間やエルフには不可能な高度な魔法を使う事ができる。

また魔力過多による副作用の症状や発作も聖獣と契約することによって解消される。


しかしその事実が発見された時、リリアーヌは既に病没して10年が経とうとしていた。

まさか魔力過多症の糸口は自領地にあったとは夢にも思わず、お父様はさらに自責にかられ、アルベールとの関係性も冷えに冷え込んだ。


今世の私は小説で得られた知識があり、寿命の15歳までに自力で魔力過多症を完治すらば、お父様とアルベールも遺憾を抱えることなく幸せになれる。

そう考え、私はピンクローズ商団で稼いだ資金を元に、領地でも魔鉱石探しに力を入れた。

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