40 その時のデュフォール侯爵 1
「ワーズ公爵!!!!!!!これはどういうことだ!!!!!!!!!」
嫌な予感がして、いつもより2時間早く目覚めてしまったデュフォール侯だったが、リリアーヌの様子を見ようと部屋に来てみたら、床に倒れて昏睡中の侍女たちと、空っぽになったリリアーヌの寝台を発見した。
嫌な予感はしたんだ!あの断っても断ってもリアの周りを執拗にうろつく王家の小僧が、なぜかリリアーヌの外出を聞きつけて付いてこようとした時から嫌な予感していたんだ!!わざわざ自分も付いてきたというのに、あの小僧にやられた!!
まだ寝起きで朦朧としているワーズ公爵夫妻を叩き起こし、詰問していた。
国一の水魔法師で、一糸乱れぬ魔力コントロールで有名なデュフォール侯爵だが、ここばかりは怒りによって魔力がただ漏れになり、春にもかかわらず周りの気温は氷点近く下がっていった。
「ええ、えっと…デュフォール侯殿、どうしたんですか???」
「デュフォール侯爵様、ものすごく寒いのですが…」
睡眠中に無理やり部屋に突入されたワーズ公爵夫妻は寒さに凍えながら状況を聞く。
「娘が部屋に居ないぞ!!侍女らも薬盛られて倒れてる!!おまけにあの王家の小僧もいないぞ!!!」
「ええ??リリアーヌ嬢がいない??」
「単に早起きしてお散歩に行かれたのではないですか?」
「ふざけたこと抜けやがって…領地戦だ!領地戦!!」
「えええ??デュ、デュフォール侯殿、お、落ち着いてくれ…」
怒り狂ったデュフォール侯爵がまだ半分寝ぼけているワーズ公爵のパジャマの襟を掴み取り、大声で領地戦を宣言した。
「デュフォール侯爵様、ワーズ家はデュフォール家と仲違いするつもりは毛頭もございませんわ」
「それに両親を問い詰めても何も出てきませんよ、お二人は日々の食事とファッション以外何も分からない頭お花畑夫婦ですから」
こうなることを事前に想定していたかのように、すでに着替えて、化粧も髪もバッチリに整えたマリエッテがワーズ侯爵夫妻の寝室に入った。
「マリエッテ…パパとママを頭お花畑と呼ぶのは悲しいよ…」
小声で抗議するワーズ侯爵の襟をパッと離し、まだ怒り心頭のデュフォール侯爵は大股でマリエッテに距離を詰める。
「……小娘…貴様の仕業だな」
「ルイ殿下に協力したという意味では、そうですね」
デュフォール侯爵の圧に押され、冷や汗をかきながらも、マリエッテは怯むことなく堂々と答えた。
「…その見返りをしっかり受け止める準備もできているだろうな」
「侯爵様、我々はデュフォール家に喧嘩を売るつもりでルイ殿下に協力したわけではございません、何卒お話を最後までお聞きくださるようお願いいたします」
「……お前のその話次第で、ワーズ家の存続がかかっていることは理解しているな」
「っ…それは、お話を聞いてからご判断いただければ…」
デュフォール侯爵の領地戦宣言はかなり本気だということをひしひしと感じ、なんで自分はあのくそ腹黒策士とこの戦闘狂娘命に挟まれなきゃいけないんだと内心涙目になりながら、マリエッテはデュフォール侯爵との話し合いの場を無理やり取り付けた。
ちょっと話のキリが悪くて、今日は短めの更新ですが、明日は割と長めの更新になります。




