第三話
えー……大っっっ変長らくお待たせいたしました!!!!「黄昏の森の鬼娘」の第三話でございます!!!待っていてくださった方々もそろそろ薄々記憶から消えていた頃かと思いますがどうか是非最後までお読みいただけると幸いでございます!!!
・勘違い?
…おかしいな…俺があの国にいた頃はまだ3代目だったはずだ、
どうやったら100年ぽっちで10代も代替わりすんだ?
全員30歳で代替わりしてたって数が合わねぇぞ?
っと、歩きながら自分の頭の中で納得の出来ない自問を続けている訳だが、それよりも知るべきはこいつらの目的だ。
「なぁ、お前らはなんでこっちに来たんだ?確かここに来るのは禁忌だったはずだろ?」
「それが、何者かがクーデターを引き起こしたのだ…そのクーデターを起こした主犯____血の悪魔が、私たちをここに送ったのだ」
「クーデター?血の悪魔?」
だめだ、なんもわかんねぇ
「なんでクーデターなんて起きたんだ?別にさほど酷い国ではなかったはずだろ?」
「あぁ、一般の民たちも貴族も、和気藹々とした国だったのに…何もかもあの悪魔のせいだ!」
「落ち着け。その悪魔ってのはなんなんだ?」
「…悪魔と呼んではいるがおそらく人間だ。だがその行動は人間とはかけ離れている」
「一日にして死者5000人…奴は血を操り、次々と人を殺していった…クーデターと言ってはいるがほぼ奴1人の犯行と言ってもいい。奴はその力で人々を脅し、クーデターに参加させたんだ」
「血を操る?」
まさか、血液操作のスキルの事か?どういう事だ?この世に同じスキルを持っている者はごく少数と聞いているが、それにこんな希少なスキルを持つ奴なんて…
「なぁ、そいつの名前って知ってるか?」
「?いや、知らないが…それがどうかしたのか?」
「んー、いや、なんでもない…」
「あ、着いたぞ、あれだ」
自分の小屋に着いた。小屋と言ってもここにいる全員が余裕で入るくらいの大きさだ。
何故一人暮らしだと言うのにここまで大きくなったかと言うとだなぁ……まぁなんというか…気合いが入りすぎたな。
俺は怪我をした騎士たちを家の中に入れて、1人ずつ手当をしていった、その間あのエリーとか言うやつには外の見張りを任せている。この森には血の匂いに誘われてくる魔物もいるからな。
王様たちはというと、とりあえず休んでもらっている。
「よし…これでもう命に関わることはないだろう…大人しく寝とけ」
「あ…ありがとう。」
「ん。」
さて…他の奴らも見に行くか。
そうして俺は、まずは王様の方を見に行くことにした。
コンコン
ガチャッ
「邪魔するぞ、」
「うむ、構わん」
「気分はどうだ?」
「余は変わりない、お前たちは?」
「私は大丈夫です」
「……わ…私も…」
「ボクも。」
「なぁ、ずっと気になってたんだが…そこの3人はどっかの貴族の娘さんとかか?」
「「「「え?」」」」
「…?」
「ハハッ、もうわかっているものかと思っていたが、すまないな。まずは自己紹介といこうか、じゃあまずはエリーゼから」
「はい。私はエリーゼ・カーディリアと申します。カーディリア王国の第1王女です。」
「え?」
「……わ…私は、ネラ・カーディリアです…。い…一応…第2王女です…。」
「ぁ…」
「はいはーい!ボクはクロエ・カーディリア!第3王女だけど冒険者やってるんだ~」
「あ…あぁ…なるほど…」
ずっと勘違いしていた、まさか王女様だったとは…
「ハッハッハッ、今更そうかしこまる必要はないぞ、余にあのような口の利き方をしているのだから今更じゃろうて」
そう王様は愉快そうに笑った。
「それは確かにそうかもしれねぇがな、いや、そうだな、もう気にしないようにするわ」
「して、こちらの事も話したのだから、其方の事も…話してくれるんだろう?」
「…あぁ」
「まずはこの鎧を脱ぐか。」
そうして、擬態のスキルを解除した。
「「「「!?」」」」
「…驚いたか?」
俺はふふっと笑った
「な…なんと、男とばかり思っていたが…これは____」
「かわいい!!」
王様が言い終わる前にクロエがそう叫んだ
そうして俺の事を抱き締めてきた
「おい!鬱陶しいー!はーなーれーろー!!」
「うわぁ!髪もサラサラでふわふわ、肌もすべすべでほんとにかわいい!」
「ちょっとクロエ!いい加減離れなさいー!」
エリーゼがクロエを引き剥がそうとするが、なかなか離れない。
なんなんだこいつは…
「…お父様…あれって…」
「あぁ、鬼人族だ…」
そう。俺は鬼人族だ。しかも角が1つしかない出来損ないだ。
そして俺とは言っているが俺は女だ。
「あぁ、悪かったな今まで黙ってて」
「この黒色の髪に毛先が紅くてかっこいいのに、身長はちっちゃくて顔もすっごく可愛いのにあんなに強いなんてー!!」
「クーローエー!!」
「ぁぅあー!」
ついにクロエが引き剥がされた
「すまないな。どうか許してやってくれ」
「あぁ…それは構わないが、ほんとに王女なのか?」
「…あぁ…継承権は早々に捨てて、冒険者として常日頃から荒々しい日々を送っていたからなぁ…」
「なるほど…あんたも苦労してんだな…」
「して、そなたの名は?」
「…王様なら俺の名前は知ってるかもしれねぇな、」
「ミツキ」
「「!?」」
「…ミ…ミツキといえば…600年前に当時のクレイブン領の4分の1を破壊し、カーディリア王国で王族や騎士の殺害及び国家転覆を計った…た…大罪人…」
「そなたがその…ミツキ…なのか?」
「そう…だが、600年前?俺がこっちにきてからは100年くらいしか経ってないはずだが…」
「その時の国王は…?」
「忘れるもんか、カイゼル___カイゼル・カーディリアだ」
「カイゼル…やはりこちらの歴史は間違っていないな。カイゼルは600年前の第3代目の国王だ」
「つまり…こっちと外じゃ、時間の経ち方に大きな差があるって訳か…」
「うむ。だが余はそなたがそのような事をする極悪人には思えないのだが…。」
「……あの時の俺は、ただただ怒りに身を任せて、暴れるだけの殺人鬼だったからな。極悪人には違いねぇが、まぁ詳しくはまた今度…な。」
「…わかった。」
「(なにか事情があったのであろう。一先ずは気にしないでおくとしよう…)」
「あの…そうなると…ミツキさんは…600歳?それとも…100歳?」
「ネラ~女性に歳を聞くのは失礼だよー?」
「貴方はまずは自分の失礼を謝りなさい!!」
「あはは…まぁ…鬼人族の平均寿命は300年らしいし…これ以上老いることもないから正確には分からないが、多分100歳の方だと思うぞ」
「そ…そうなんですね」
なんだか、これから騒々しい日々を送りそうな気がする。
えー……ここまでご精読頂き誠にありがとうございます。
どうでしたでしょうか…今回は前回よりもお待たせしてしまい大変反省しております。私もこの度は情けなさと申し訳なさで言葉もでません。ほんとに申し訳ございませんでした……