第二話
・ 急展開!?
「さて、今日の飯も手に入った事だし…帰るか。」
そうして、自分で作った小屋へ帰ろうとした時。
「……っ!なんだ…?今の変な感覚は……」
そうして辺りを見回してみると、少し先の方に光る柱がたっているのが見えた。
「んだあれ?新手の魔物かなんかか?」
せっかくだ、少し様子でも見に行くか。
危ないかもしれないとも思ったが、自分の好奇心には勝てなかった。
そうして、光る柱の方へと木をつたって向かい
ようやくその光る柱の所へ着いたかと思ったら、そこで見た光景があまりにも非現実的すぎて、一瞬夢なんじゃないかと疑ってしまう。
なんとそこには、カーディリア王国の紋章の付いた鎧を纏った騎士たちと、何やら王様の様なやつが1人とその後ろに3人の身分の高そうな女の人間たちが魔物たちに囲まれていた
「こりゃ…なんの冗談だ…?」
「(どうしよう…助けるべきか?見たところ苦戦している様だし、でも目的はなんだ?うーん、少し様子見をするか…)」
そうして俺は一応擬態のスキルを使い、全身を黒い鎧で覆って、木の上から様子を伺うことにした。
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「くっ…なんとしてでも陛下達をお守りするぞ!!」
「「はい!!」」
キンッ、ガッ!
私の名前はエリー・モーガン。王国騎士団団長だ。
それがなぜ、陛下たちを連れて戦闘をしているかと言うと………
数時間前──
「陛下。最後の砦が落ちました。間もなくこの城にも敵たちが攻めてくるでしょう…」
「なんと……」
「ご安心ください。御身は必ず、このエリー・モーガンが命に変えてでもお守り致します!」
「……エリーよ、余の事よりも、娘たちを必ず守ると…この場で約束してはくれまいか、」
「陛下……はい!お任せ下さい!!」
「うむ…感謝するぞ。」
絶対に陛下も、王女様たちのことも死なせはしない。例えこの命尽きようとも…。
「聞いたかお前達!ここでなんとしてでもクーデターを起こした者共を食い止めるぞ!!」
「「「おぉぉぉぉぉーーーー!!!!」」」
そうは言ったものの…ここ"700年"この国は安泰だったと言うのに…なぜクーデターなどと…
「陛下ぁ!!」
突然大きな声を出して扉から走ってくる1人の兵士。
酷い怪我を負っていて、先程まで交戦中だった事が分かる。
「何事だ?」
「おい…大丈夫か…?」
そうして、1人の騎士がその駆け込んできた兵士に近づいた途端____
「悪魔が…攻めてき───」
ブシャァァァ!!
「……え?」
その兵士の身体が弾け飛ぶのと同時に、針のような形をした赤黒い血のようなものが兵士の中から飛び出し、近づいた騎士までもが串刺しにされてしまった。
私は…その光景を信じられなかった。
「「「っ──!!!」」」
こ…この一瞬で、2人も死んだ…
「ハッ!落ち着けお前ら!狼狽えるな!総員警戒!!」
「「「…!はい!」」」
全員私の一言で剣を抜き、魔法陣を展開した。
だが……
「…ふふ、そんな事したって無駄なのに」
どこからかそんな様な女の声が聞こえた。
「あたしの希望も、大事な人も、何もかも奪ったこんな国なんて滅んでしまえばいい。」
「お前たちに直接的な"恨み"はないけど、あたしの"怨み"はこの国その物にあるから…お前たちも同罪よ。」
「あの子とあたしの苦しみの半分程度でも味わうといいわ、せいぜいもがき苦しみ、抗ってみなさい」
激しい憎悪と、その威圧感により動けないで居たら、いつの間にか目の前に白髪で、裸足の少女が立っていた
「___▓▓▓▓」
彼女が何かを言った瞬間、何も無い空間に亀裂が走り、穴が空いた
「はぁ、ふぅ…くっ!」
身体がその穴に吸い込まれていく。
「「うわぁぁぁ!」」
1人、また1人とどんどん穴に吸い込まれていっている
「あらあら、随分と頑張るのね。」
「血液操作___血の鎖」
そうして、彼女の身体から無数の血が吹き出して、それが鎖の様な形に変わり私や騎士、陛下たちを掴み、纏めて穴の中にほおり投げられてしまった
「……今一瞬、あの子を感じた気がするのだけど…気のせいかしら、」
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……そして気がついたらこの黄昏の森に居て、幸い陛下たちや他の騎士たちは無事のようだが、不運な事に魔物たちに囲まれて今の状況に至る
「(くっ…どんどん怪我人も出てきている、こんな強い魔物など見たことも聞いたこともないぞ…このままでは、)」
「…はぁ…刀剣創成___草薙」
そう声が聞こえた瞬間、目の前に居た魔物たちが真っ二つに切り裂かれた。
「!?まさか…新手か?」
そして魔物たちが次々と倒れた。そしてその場には黒い鎧を纏った人?騎士?それとも新手の魔物か、得体の知れないものが立っていた
「お前らさぁ…こっちに来るくらいなら少しくらい準備とかしてこいよ、弱すぎ」
「(喋った…少なくとも魔物では無さそうだが…人間だとしたらおかしい、この世界に来れるのはカーディリア王国の技術でしか出来ないはず…それに、黄昏の森への立ち入りは禁忌とされているはず…)」
「……そう警戒すんな、俺はただこの森に住んでる…まぁ民族みたいなものとでも思ってくれ」
そう言って、その、俺と言っているから男?なのだろうか、
その男がこちらに近づいてくる
「敵意がないという証明は?」
私は剣を構えた
「証明?んなもんねぇよ、とりあえずそいつらの怪我の手当だけでもしてやる」
「それに…お前らの紋章を見る限り、カーディリア王国のやつらだろ?」
「…!何故それを……」
「あー、いつか気が向いたら説明してやるから、今から俺の住んでる場所に案内してやるから…ついてこい、そこの王様みたいなやつとその後ろにいる女たちもな」
「……よい…エリーよ、彼の言うことは正しい…今はこの者たちの安全を確保するのが最優先じゃろうて」
「陛下……」
「いいのですか?お父様…」
「あぁ…その者よ、助けてもらった上に数々の無礼をここに詫びよう…どうかこの第13代目国王、カーネル・カーディリアの余に免じて許してはくれぬだろうか?」
「…!待て…13代目だと?」
「あぁ、余が第13代目の国王じゃ」
「まじか…」
「まぁいいや、取り敢えず行こうか」
そう言って、その男は歩き始めた
えー…まず2ヶ月以上も更新をしなかった点についてまずは謝罪致します。誠に申し訳ありませんでした。
実は、今年に入ってから色々ありまして、忙しくとても作品の更新が出来る状態ではありませんでした。今は少し落ち着いたのですが、もしかすると今後もそのような事があるかもしれません。ですがどうにかして作品の更新はしていきますので、どうか首を長くして待っていただけると幸いです。
今回の事は本当に深く謝罪致します。