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赤い部屋

作者: ツヨシ

子供の頃、家に赤い部屋があった。

床も壁も天井も真っ赤な部屋だ。

もちろん私の住んでいた家は普通の一軒家で、そんな奇妙な部屋は存在しない。

しかしずいぶん幼い頃の話だが、確かに見た記憶があったのだ。

そんな私も成人して、県外の会社に就職した。

住まいは小さなワンルーム。

田舎の家とは大違いだったが、生きていくうえで特に問題はなかった。

そしてある日のこと、仕事もここでの生活も慣れ始めた頃、部屋に帰ると壁に扉があった。

見た目は随分と古ぼけた木戸。

この狭い部屋に数か月住んでいるが、もちろんそんなものは今までに一度も見たことがなかった。

――なんだろう?

しばらく考えていたが、恐怖や警戒心よりも好奇心が勝った。

私は意をけっしてその扉を開けた。

真っ赤だった。

床も壁も天井も全て赤一色の部屋。

そして部屋の中央に赤いワンピースを着た少女がいて、笑いながら私を手招きしたのだ。


       終

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― 新着の感想 ―
[良い点] ∀・)これはもう文学という手法を用いた絵ですね。読者の想像に任せるって感じの演出がこれまでになく為されていると思います。余計な言葉を使わずに作りだした世界。個人的にはもっと欲しい感じあるけ…
[良い点] かわいい(*´▽`*) 赤いワンピースの少女。主人公とは旧い家からの因縁の繋がりで、引っ越しても扉は、異次元から出現するのでしょうか。 手招きって、やっと見つけたって歓びに溢れてるように…
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