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異世界温泉狂旅日記  作者: 高岡トナミ
12/14

湯めぐりセットを探して

 無一文状態から脱出した俺はさっそく村へ出かけた。


 少額であれ、お金があるということはいいことだ。俺のお婆ちゃんが「お金がないのは死んでいるのと一緒」と言っていた。名言だと思う。クソ親も同じことを言っていたが早く死にますようにとしか思えなかった。


 田舎の小さな村であれ、まさか店がフロマエ一軒しかないということもあるまい。


 品揃え豊富で新商品が毎月発表されるコンビニまではなくても雑貨屋的なものがあるはずだ。


 時刻は昼を過ぎ、おやつ時だ。飲泉していたせいかあまり空腹を覚えなかったがそういえば昼飯も食べていない。食い物やがあれば何かついでに食べたいところだ。


 昨日に比べればやはりだいぶ早かった。往復で2、3時間で帰ってこれている。


 温泉と言えば卵に並びよく知られているのが温泉まんじゅう。温泉街の写真を見ていると店頭で蒸し、看板に煙がかかっているような様子もよく見られる。是非浴衣を着て下駄で闊歩したい。


 まあここではそんな幸せな光景は見られないだろうが、温泉まんじゅうもないのだろうか。


 和食があるんだ、温泉まんじゅうもあってほしい。饅頭あれ。


 そう願いながら歩いていくと、揚げ物系の臭いがした。温泉まんじゅうには揚げ饅頭という種類もある。食べてみたい。


 行ってみると、フロマエの裏手のあたりに店舗らしき家がある。表にはからあげ、コロッケと書いてある看板があった。


 それぞれひらがなとカタカナだ。なんか読めそうにもないルーン文字とかそういうのじゃねーのかよ。


 いや、ルーン文字にからあげとかコロッケがあるのか知らないが。


 やはり俺の夢だな、と思いながらも臭いに引き寄せられて入っていくと昔懐かしいおばあちゃんのお店みたいな感じの内装で、内装通り、昭和の生き残りのようなおばあちゃんが微笑みを浮かべて「いらっしゃいませ」と間延びした声をかけてくれた。少し白髪が混じり始めたもののまだ全体としては青い髪や目の色以外には謎の落ち着きを感じる。


 白髪になったら死期が近いという話を聞いているがまだそうは見えない。全部白髪になったら、ってことなのだったかな。カウントダウン方式で髪も目も真っ白になったら天に召されるということなら嫌すぎる。


 店内を見渡してみると、食べ物以外にもろうそくや縄のようなものが置いてある。


 村に一軒だけの何でも屋さんか。ここならば石鹸その他があるのでは。というかここになければもはやこの村に希望はないだろう。おらこんな村いやだ。


 はたして、割と目立つ場所に石鹸があった。よれよれの文字でおふろこーなーと全部ひらがなで説明書きがされている。タオルも下着も並べてあった。割とよく使われるのだろうか。


 そう、俺のスパ銭スタイルは下着抜きだったのである。買わなければこのソウルフルな格好で旅に出ることになるのである。買わねば。流石にこの格好で都会に出ていくつもりはない。若者二人はきっと臭いとは別の意味で近づいてくれなくなりそうだ。


「おばあちゃん、コロッケいくら?」


「1トーですよ」


 安い。いや分からない。普通なのか。1トーは100円くらい? なのかな?


 革袋、もとい財布を見て迷ったが、銀貨を渡した。どうも銅貨は10円硬貨のイメージが強すぎる。


 100円相当と予測をした1トーに対して10円を渡して、おばあちゃんにふざけてるのか、あるいはだまそうとしているのかと思われたくはない。対して、銀貨1枚なら俺は1000円と予測する。つまり10トー。これで完全に予想が違っていて銅貨が一番価値が高くて100トーとかだったら笑える。


「おつりですよ」


 銅貨が9枚帰ってきた。よし、銅貨が1トーで銀貨は10トーだ。この法則通りなら金貨は100トー。コロッケで言うとおよそ300個分がユマルの全財産というわけだな。こいつやべーな。口座にある金額を足してもいい勝負ができる俺もか。俺もやべーな。


「ちょっとまっててねえ」


「はい」


 コロッケは揚げたてがくるようだ。大変よろしい。ビールがあったら、なおよろしかったが残念ながら店内にその類はおいてそうにない。せめてなにか飲み物がほしいな。


 そんなことを考えながらナゾノキで作られた椅子に腰掛けさせてもらっていると、風を感じた。


 店から外を眺めると、村の人達の様子がちらほらとわかる。


 遠くで洗濯物を紐から外して、簡単にたたんでいる奥さんと、それを手伝っている男の子。


 何かを取りに行くのか、カゴを持って森の方へ歩いていくおじさん。


 畑の方では数人が固まってほうれん草やキャベツのように見えるナゾノヤサイを見て井戸端会議をしていた。


 あっ、魔法だ。何の魔法かはわからないか地面に指をさした人のさした足元で草刈機と同じ程度には雑草が散らされていく。


 水でも火でも土でもなさそうだし風の魔法かな。扇風機様の魔法か。草刈りする魔法って地味に便利かもしれない。扇風機様ってそういうポジションなのかな。


 温泉につかっているのとはまた違うのどかな時間だ。空を見るとあたたかな日光が見下ろす全てを照らしていた。あっ、ナゾノトリが飛んでいく。スズメかな。いや―ースズーメかな。カラースやトンビーではないことはたしかだ。


「おまたせしました」


「おっどうも」



 出来上がった。おばあちゃんがお皿でくれたコロッケは、大ぶりで表面で油がじゅうじゅうと音を立てている。スーパーでまとめ買いで100円のようなものではなく、なかなかに分厚くて食べごたえがある。隣には少し不格好に見える使い捨てではないお箸がそえてあった。流石に割り箸はないようだ。



「よかったらこれ、おソースとお醤油と、お塩でも」



 そう言って親切に差し出してくれたおぼん。載せられた木の器には調味料。多分これケチャップとかマヨネーズもあるな。


 これだけ大きいなら味を変えながら食べるのもいいだろう。まずはそのままの味を食べてみるか。



「いただきます」


「どうぞ」



 おばあちゃんがニコニコと見ている前で一口分をコロッケから切り取ると、ほかほかと蒸気があがる。


 ふかしたてのじゃがいものような匂いが加わり、少しよだれが口の中に出てきた。


 そのまま食べて、みれない。



「はっ、ふぁつい」


「あらまあ」



 当然、気をつけてはいたのだが我慢はできていなかった。なんとなく行ける気がして思い切って口の中に放り込んだのだが揚げたての温度を行けるわけがない。噛むことも吐き出すこともできず口の中を転がっていくコロッケ。水をくれ!



≪ユモリーン・エインス≫



 魔法だ。



≪セレクト≫



 おばあちゃんの手のひらの上で水が湧き上がってコップの形になった。



「おみずどうぞ」



「ふぁりがと」



 一瞬迷った、というか思考が停止してしまった感じがあるがそんな余裕は口の中のアツアツコロッケに負ける。普通に飲むようにすると普通に飲めた。ありがたい。舌は火傷したが助かった。



「ユマルさんも子供みたいねえ」



 そう言うおばあちゃんは落ち着き払っている。俺の思っていた以上にこの世界じゃ魔法は日常的に使われているのだろうか。イルは第一の魔法しか使えていないのに。それともこのおばあちゃんが実は激つよおばあちゃんなんだろうか。ないか。さっき草刈りする魔法みたいなの使ってる村人もいたし、わりと日常的に魔法は使われるのだろう。今まで聞いた≪ファス≫≪セカン≫≪サレンド≫、第一から第三の魔法以外の魔法だったのは間違いなさそうだ。なんだろう。水を固める魔法とかか?


 なんにせよ子供みたいな真似をした俺は口に水を含んで一生懸命舌を冷却中なのでなんのお返事もできない。手に持ったコップはなんだろう。飲んだ分だけか、もらったときより小さくなっている。あくまでコップ状になった水なのか、柔らかい水だ。握ると握っただけへこみができる。不思議すぎる感触。



「あんまり握ると壊れちゃうわよ」



 そういうものなのか。やめとこう。これ以上の恥の上塗りは頭脳が子供だ。



「ユマルさん、頭の方は大丈夫?」



 若干ショックを受ける発言。見た目に反して毒舌なのだろうか。「週に一度は血が沸き立つような任侠映画を見たい」とか言っていたうちのお婆ちゃんみたいに、老人たちはどこか刺激を求めているものなのだろうか。



「アーちゃんに聞いたけれど、魂喰いに襲われたんでしょう?」



 良かった。心配しての発言だった。でも言っている趣旨は一緒かもしれない。



「ちょっと記憶をなくしましたが大丈夫です」


「そうなの。でも、いのちがあってよかったわねえ」



 そう言ってくれているものの、俺自身のいのちはあるのかどうなのか若干不明。温泉に入れたのだけは間違いなく良かった。


 ユマル自身の命は消えているのかどうなのか分からないが、まあ正直言うと知ったことではない。なんか訳ありで根本的に悪い人物ではなかったような感じを受けるが、俺の夢の中のすごく汚いおっさんでしかないのである。


 若干やけどして正しい味覚とはいえないが、コロッケはシンプルながらとてもおいしい。俵型とまではいわないが、大きめの小判型を膨らませたような形でなかなか食べごたえがある。


 ふかしたジャガイモをつぶしすぎず、時たま粗目なかたまりを感じる。ホクホクとした芋の触感とうまみ、ほんのりとした塩味が効いているな。わずかにひき肉と刻まれた玉ねぎも入っている。ひき肉は何の肉かまではわからないがしっかりと肉のうまみがあるし、玉ねぎは甘味を伝えてくる。


 味を確認するように一口、もう二口と食べていたら終わってしまった。もっと食べたい。


 どうしよう。お金はまだあるが、一個一個あげている手作りのコロッケをまた頼んでもいいものだろうか。


 何気なく食べてしまったがふつうに、いや、かなりおいしかったぞ今のコロッケは。


 さっき紹介されたにもかかわらず調味料の存在を忘れてしまっていた。


 まてまて、コロッケがこんなにおいしいのならばからあげもおいしいはずだ。他にメニューはないのだろうか。


 困った。もっと食べたい。



「おや、ユマルか」


「あ」



 ヴァルス湯父がやってきた。



「君も旅の準備かね?」


「まあ、そんなところです」


「余計な世話かもしれないが、トーワイマまではそう遠くもないし、軽めの荷物でもよいよ。」


「あー」



 1日でつくような距離なんだったか。一応、いざ冒険ということでなんとなく大荷物を用意していたが、食料は最悪要らないし水の1本でもあればいい程度なのかな。ペットボトル、は、ないよな。瓶か? 割れそうで怖いな。何かないのか。


 そんなことを漠然と考え始めると、目の前でヴァルス湯父がおばあちゃんが地元の会話をしはじめる。



「オーリエさん、こんにちは。すまないけれど、お願いが」


「はいはい、また温泉?」


「うん……」



 若干口ごもる湯父。どうやらオーリエおばあちゃんの方が立場強そうだな。もしかして湯父が留守を預けようとしているのってこのおばあちゃんなのか。



「ヴァルスちゃんは本当に温泉がすきねえ」



 ちょっと吹き出しそうになった。ヴァルス湯父が軽く目で注意してきているが、さすがに今のは勘弁してほしい。


 ヴァルス湯父の方が年下なのだろうか。人に歴史ありとはいうものの、このご老人たち2人にも若い頃があったのだろうな。



「オーリエさん、せめて人前でちゃんはやめてくれと前から言っているだろう」


「あらあら、ごめんなさいねえ」



 ごめんと言っているものの、多分これ聞いてないやつだな。おじいちゃんの方の口調はさして怒ったふうでもないし、おばあちゃんの方も大してあやまっていない。ほほえましい。



「それで、今度はどこのお風呂まで?」


「いや、大丈夫。すぐ近くだけだ。トーワイマまで」


「あらそう。1週間くらいねえ」



 片道二日じゃなかっただろうか。往復で4日。差し引き三日間の余裕。湯父のことをわかりすぎている。単なる近所の人じゃないなこれ。あるいは近所の人でも知っているほど湯父は有名人なのか。



「おみやげはね、何か甘いものがいいわね」


「わかってるとも、じゃあ出る時にひと声かけに来るから」



 もう用事は終わったらしい。手慣れた会話だった。


 最後にこほんと咳払いして、俺に声をかけると湯父は行ってしまうようだ。


「ユマル、その、あまりゆっくりしている時間はないぞ」


「あ、はい」



 そうだっただろうか。出発は明日だしさして俺にはすることもないのだが。



「今日はずいぶんと早く帰って行っちゃったわねえ」


「そうですね」


「恥ずかしかったのかしら」


「お二人は昔から?」


「ええ、ええ、こんなに小さな頃からね。ちょうどイルちゃんやアーちゃんみたいなね」



 幼馴染か。オーリエさんは老いが見られ始めたが、どことなく気品のあるおばあちゃんだ。


 ヴァルス湯父にとっては近所の綺麗なお姉さんだったのかもしれない。気持ちはわかる。



「私が魔法のお勉強をしているとじっとみててねえ、昔はユモリーン様の第一の魔法もなかなかできなくって悔し涙を浮かべてたわねえ。今は格好のいい人になったけれど、子供のころは可愛かったわねえ」



 そういってにこにこと喋っているオーリエおばあちゃんはとても楽しそうだった。俺もついついほおが緩んでしまう。



「私も子供だったから、ついつい、いたずらしちゃったりもしたわねえ」



 俺は真顔になった。なにやら一瞬怪しげな雰囲気を感じた。いや、俺が黙ってしまったからか謎の間が発生している。この件には触れない方がいい気もする。湯父もこの話題を恐れていたのか?


 話題だ。話題を転換しよう。そうだ、お腹も多少落ち着いたのでまともな服とかないかな。



「そういえば、服を探しているんですが。魔物に襲われたときにぼろぼろになってしまって」


「あら、それでそんなお洋服だったのねえ。でもそうねえ、私のお店じゃあお洋服は扱ってないんだけど、ちょっと探してみるわねえ」


「あ、なかったら別に」


「いいのよ、待ってね」



 よくはないのだが、最悪これで旅をする覚悟はできている。俺の夢で俺がどんな格好で出歩いても自由だろう。裸で出歩いてるんじゃないんだし。でもこれこの世界蚊とかもいたらいやだな。今は春らしいのでいいけれど、夏になって半袖半ズボンで藪にとか火を見るよりも明らかな結果が予想される。夏までには長袖長ズボンは用意しなければならないし、なんなら虫よけの魔法とかがあったらいい。


 そうだ、俺自身が魔法を使えなくともマジックアイテムなら使えないということはないだろう。


 使えそうなマジックアイテムがあるとうれしい。地図アプリ的な何かとか。


 我ながら発想が貧弱すぎる気もするが常日頃使用しているものこそなくなった時に困るものなのだ。




**********




 俺の家に戻ると湯父の他にアーとイルが待っていた。フロマエだ。俺の家はユマルの巣ではない。


「あ、普通の服着てる」


「なんかちょっとドワーフっぽくなくなった」


 アー君とイルが指摘する通り、俺はオーリエおばあちゃんのお店のどこかから発掘されたお古を譲ってもらっていた。なんだろう。服の名前がわからない。某国民的RPGでいうところのぬののふく的なヤツに見える。

ズボンはひもではなくベルトで締めるタイプになった。これだけで気分がちょっとシュッとするのは不思議なものだ。


 ベルトに斧を入れられる鞘兼用のポーチ的なものがついているのおばあちゃんにおまけしてもらったものだ。うれしい。なんと一式で30トーだった。これで手にいつも斧とかいう猟奇殺人犯スタイルから脱出だ。文明を感じる。


 ちょっと革の胸当てでもつけてみればなんか冒険者風にならないだろうか。お金がないのに、これからいく町で見かけたら買ってしまいそうな程度にはルンルン気分だ。なんだかんだ言って人間、アラサーになろうがアラフォーになろうが少年の心は残っているのだ。


 だがサンダル。あと靴がほしいな。靴下も。スパ銭の館内着から普段着に変わっただけなのだ。冷静にならなければ。残りの全財産はだいたい300トー。


「それじゃあ、3人ともすでに分かっていると思うが明日の朝よりクロイドに向かう。そして、トーワイマまで行く可能性も高い。目的は、今回、森から持ち帰った源泉の水質検査だが」



 一瞬、言葉を止めて若者二人をちらりとみる。



「これから冒険者という危険な職業で身を立てる二人にとっての、まあ、我々なりの卒業試験と思ってくれてもよい。少なくともこのエチュ領で活動する以上、トーワイマまで二人で行けるような力が無ければ、探索の依頼や護衛の依頼などで小遣いを稼ぐ程度に命がけになってしまう」



 今はヴァルス湯父は真面目モードだからか、二人とも素直にこくこくと頷いていた。昼間に叱られたり、明らかな実力の差を見せつけられているせいも大きいだろう。俺も、仮に二人の立場なら内心で週1~2の出勤で副業で3万くらい稼げれればいいんだけどな、などと思っていたとしても素直にこくこくしてしまう。



「だから、今回は私もユマルも、基本的には手を出さない。当然危なくなれば、あるいはお前たちで対処できなければその限りではないが基本的には魔物と戦う訓練を受けていないような護衛対象だと思うように」


「「はい」」


「よし、当然、今回は今までのように日帰りで水を汲んで帰ってくるような簡単なおつかいではなく、日をまたぐような護衛の依頼料として一人最低500トーを報酬とする」



「すげー」「トーワイマで新しい服買いたい!」



 俺はユマル。全財産は300トー。



「ちなみに今回は宿泊費などは依頼主である私がすべて負担するが、特に荷物の運搬依頼などは実際は護衛の宿泊費など考慮しない依頼主も多いので、よく覚えておいて依頼を受ける際にはきちんと確認するように」


「「はい」」


「ユマルって返事する必要あるか?」



 つい返事をしてしまった。懐が寒いと思考も貧弱になる。出張の際にホテル費用をけちられたことを思い出してしまう。夕食代どころか朝食もないホテルだったし飲食費も当然のように1円も出してくれなかった。クソ会社はポイズン。きちんと覚えておこう。


なんとなく最後にレシートを出せばちゃんと帰ってくるだろうなどと考えていた俺は非常に愚かな社会人だった。帰ってきて「なんでお前が食べた分を払わねばならないんだ」とか抜かしたクソ上司は本当に飢えてほしい。労基に詰められてほしい。



「ちなみに、トーワイマについた後、もしかすると帰りは護衛を頼まず、各自自由解散自由帰宅になるかもしれない。その場合でも依頼料は大負けに負けて減らさないので、そのつもりで」


「やったぜ」「おじいちゃんありがとう!」



 金額含めて孫にお小遣いと都会で遊ぶ時間をあげているだけに思えるが、実際は自分もゆっくりしたいというウィンウィンの関係。ところで俺の全財産は300トー、しかも推定の域で実際はより少ないかもしれないが俺にも依頼料は出るのだろうか。この分だと宿泊費と食費を持ってくれるだけでもいい方だろうか。


 おじいさん、俺にもおこづかいくれねーかな。だめか。

目当ての温泉に行けたのは良かったのですが暑くなってきたためやる気が落ちてしまっています。

こんな時こそ温泉に入りたいものです……

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