ああ、温泉に入りたい
頬が冷たい。固くて地味に痛い。どうやら疲れ果てて寝落ちしてしまったようだ。仕事中に。
あるいは意識を失ったの方が適切かもなと、身を起こした。
なんだか妙な夢を見ていたような気もする。大きな滝の前、突き出た崖っぷちで性格診断を受ける感じの。
全部好きなだけ温泉に入りたいで答えたような覚えもある。
湿った地面に手を付け、力を入れると手が濡れた。当たり前だな。いや、おかしい。
机の上ではすまず、体ごと床にずり落ちたかと思ったのだが。
周囲を見ると自然あふれる森の中で、まるで軽井沢のような――少し日本離れしたような木々が立ちならんでいてどう見ても無機質なPCや事務机が並ぶ俺の職場ではない。
まだ夢を見ている。
「おい、大丈夫なのか?」
声をかけられて振り向くと、青の髪の若い男がいた。
革の鎧にみえるものをつけていた。
コスプレイヤーか。全身鎧ではなかったが随分と作りこみが細かく、いかにもファンタジーな冒険者だな。
そういえば就職してから随分とこういった文化とも遠ざかってしまった。
最近のアニメはもう5年も前の知識しかない。まともな人間的生活からすら遠ざかっている。
返事もせずにぼうっと突っ立っていた俺に、プロのコスプレイヤーが近づいてくる。
「おいっ、うっ」
と、思ったがある程度の距離で手で口を覆って立ち止まった。
ひどい悪臭をかいでしまったような顔だ。
いや、彼を見て気づいたがかなり酷い悪臭が漂っている。う○こでも汗臭いのとも犬や猫とも違うホームレスっぽい臭いだ。
あたりを見渡し、自分だと気づいた。
「くっっっさっっっ!!」
「今頃かよっ!?」
いやちょっと待ってくれ。なんでこんなに臭いんだ?
確かに俺はもう何日も風呂に入ってなかった。シャワーすら浴びてなかった。
服も着替えてない、にしてもここまで酷い悪臭か?
なんて夢だ。早くおうちに帰って寝たい。いや、お風呂に入りたい。だらけたい。
どうしてこんなことするの? 駄目だ冷静になろう。大人になろう。
大人になって自分を見たら、自分ではなかった。
俺はスーツを着てないしなんだかぼろぼろの布を着ていた。着ているでいいのか? 被る?
内履きだと思っていた靴はなんだかひもで適当に縛られたよくわからない靴だ――靴か?
靴のようなものだ。
自分で思った以上に筋肉がついてそうな体だったし、顔もなんだかひげで、もじゃだ。
髪の毛かもしれない。触ってみても一体化していてよくわからない。
とにかくこんな有様で都会の闇の悪臭がする。風呂に入らせてくれ。
「悪い」
「おっ、おう? まあ、本当にな」
とりあえず謝った。こんな臭くてすまない。若い男は怪訝な顔をしながら相槌を打ってくれた。
俺より幾つか下には見える。やんちゃな見た目で人生ウェイしてオフパコしてそうだがちゃんと会話できそうだ。少なくとも汚くて臭い俺よりは今現在人間としてのレベルが上だと思う。
酷い夢だ。
「生きててよかった」
もう一人、今度は若い女の子もいた。ウェイの彼女かな?
少し明るい水色に見える髪色でコスプレイヤーな細身な女の子だ。なんだ青い髪の毛って。そんな色の髪染め市販してるの?
彼女も近づいてきたが、ウェイの隣くらいで止まった。そりゃあそうでしょうね。
どうせ夢だ。普段なら仕事の関係でもない、見ず知らずの女の子に話しかける度胸などないが悪臭漂うこんな俺に向こうから話しかけてくれたのだから軽口でも言ってやろう。
「臭くてごめんなさい」
「え、ええ」
怪訝な顔でウェイの彼女も相槌を打ってくれた。うれしい。
「”魂食らい”に襲われたと思ったんだがよく生きてたな」
「そーるいーたー」
いや、意味が分からなかったわけではない。ますますファンタジーな夢だなと思っただけで。
わりとゲームとかでもよく聞く名前だな。別に共通したイメージはないけど。
「そーるいーたーに襲われたのか」
「あんたがな」
「ええ」
ええしか言ってないな、ウェイの彼女。かわいい。
とりあえずえー子さん、A子さんと思っておこう。ウェイとA子さん。
なんだかよくわからない絵本が頭の中で想像された始めたところで妄想を中止。
とりあえずこの夢は剣と魔法のファンタジーのようだ。
どうせなら温泉旅行の夢にしてくれ。温泉とお食事と神社仏閣とか伝統的建築物を巡るツアーにしてくれ。
わずかな休憩時間に温泉の情報ばかり見ていたのに、なんで最近ほとんどプレイもしてないゲームな夢なんだ。
人生ってそういうものだよね。イケメンと可愛い女の子が出てきただけマシだと思おう。悪臭は許せない。夢でまで汚い自分とか悲しい。風呂に入らせてくれよ。
「まあ、大丈夫っていうなら急ごう」
「どこに?」
「精霊の泉だろ?」
おいおい頼むよ、などとまたもや怪訝な顔をしている。
おいおい頼むよ、俺は今さっきこの夢に場面転換してきたんだ。まあいいやせーれーの泉ね。
精霊の泉か、なんだか分からないが目的地はそこらしい。
こっちがなんとか納得していると青髪の二人は揃って内緒話をしている。
なんか変だ、頭をやられたかもなどと若干聞こえてきたがもうそれでいい。なんでもいい。
「大丈夫だ、行こう」
「……わかった」
そう言って進むことを促すと分かってくれたのだが、なかなか進もうとはしない。
「どうした?」
「いや、あんたが前衛だったろ」
「あの、武器は?」
二人がそれぞれにお返事をくれた。
俺は前衛だった。武器はわからない。
A子さんが俺の方を見ている、視線をたどってみると俺の近くの地面に斧が落ちていた。
おーのー。いや、さすがに思考能力がやばいな。おっさんそのものだ。いやそのものだけれど。
っていうかなんでよりにもよって斧なんだ。剣とか槍とかあるだろ。
どっちも使ったことないから、斧の方がなんとなくで使えそうだけどさあ。
仕方なく斧を拾って軽く振ってみた。思ってたほど重くないような軽いような。なんだかなあ。流石夢。いい加減だ。
「あっちだっけ?」
「そっちだけど、本当に大丈夫か?」
あってた。大丈夫だ、問題ないといいたいがまあ大丈夫じゃないだろうなあ。
でもまあどうせ夢だ。行ってみよう。
「多分」
「多分かよ」
「本当に大丈夫かあ?」などと言ってはいるがついてきてくれるようだ。
ひとまず木々が開けている方が道らしいので進んでみるか。
「ユマル」
「ユマル?」
「ユマル、おい!」
ゆまるって何だろうと思ったらもしかして俺だろうか。俺の名前はユマル。名前か苗字か知らないが。
ゆまる――湯丸? 湯に丸と聞けば三本湯気が立ち上って温泉マークが思い浮かんでくる。
ダメだ、ますますお風呂に入りたくなってきた。頭がかゆい。顔も。体もかゆい。
「なんだ?」
「なんだじゃなくて、こんなペースで大丈夫か?」
大丈夫ではないし問題だらけなんだろう。何が問題なのかも分からない。
人生ってそんなもんでしょ。違うか。歩くの早いかな。
「ごめん、早すぎたか」
「あ? ああ……いや、俺たちは大丈夫だが魔物にまるで警戒していないように見えたから」
魔物か。やっぱりいるのか。
「私達には分からないけれど、ユマルには気配とか分かってるのかも、とは思うんだけど」
やや控えめな意見のA子さん。
俺にもわかっていないがもしかしてこの雰囲気からして俺の方が経験を積んでいる感じなんだろうか。
前衛とかやってるしそうなんだろうか。どういう関係性なんだこの3人組。
なんで恋人らしき青少年二人におっさん一人なんだ。ボーイミーツガールだけでいいのに汚いオジサンが混じったらそれは違うジャンルになるぞ。
いやこのユマルとかいう俺がおっさんなのかどうかも曖昧だが。
気持ち、体は動かしやすくなった気がするが精神的にも清潔度的にもリフレッシュしたさは夢の中でも同一だ。
それは置いておくとして、どう返したものか。素直に分からないと言ってしまっていいものか。
なげーなこの夢。夢でまで悩みたくないんだ俺は。いや現実でも限りなく考えたくないんだけれども。
「出てきたら倒せばいい」
シンプルイズベスト。夢だし何とかなるだろ。なるかな。なろう。ふらいたいむ。
明晰夢を試したことがある。夢の中を自分の思うままにできるあれだ。
ビルをなぎ倒す怪獣も一撃で倒せる。実際に明晰夢ができたことはないがイメージが大事だ。
「そういうなら」
俺はこれで熊とか出てきたら全く動けない気がするが、適当に言ってみたセリフにA子さんは納得するしウェイも何も言ってこない。
なにやら妙な顔つきをしている。まさか感心しているわけでもないだろうが、あきれているのでもなさそうだ。
謎の説得力を生んでしまったのか。やっぱり俺の役割は初心者を引き連れるベテラン戦士的なやつなのか。
仕事は人並には出来るつもりだ。斧を思い切り振ったらある程度の物ならかなり痛いレベルで斬れるだろ。この野郎俺はやるぞ俺は。
「あ」
近くの茂みからデカい虫が出てきた。1mくらいありそう。
種類は良く分からないがデカくなければ見たことはある気もする。
デカくなければ。しかも微妙な速さで近づいてきやがった! これはキモい。背筋がぞわぞわする。
後の二人も一緒なのか、ウェイが剣を構えてA子さんは杖を向けるがそのまま攻撃したりは出来ていない。
俺は斧を振りかぶって全力で投げた。
この野郎俺はやったぞ俺は。流石夢。斧は割と胴体ど真ん中に近いところに深々と突き刺さり、奇怪な鳴き声らしき音が聞こえ、謎に足やら頭やらをばたつかせている。
人は苦手なモノに対して逃避行動をとるか徹底的に全力で叩き潰して安全を取るかすると思う。
俺は安全を取りたいタイプだ。虫は大嫌いである。滅ぶべし。足の多いのは見るたびに石を投げてできるだけ近づかずに潰す。水とかで押し流せるのが一番だ。
ホースの口を指で潰して水圧で視界から消えるまで流す。もう生きてても死んでてもどっちでもいいから消えてくれ。見えなくなってくれ。
それはともかく斧って投げるのは難しいし当てるのはもっと難しいとか聞いたことがある。野球だってピッチャーは人生を賭けて練習するんだから間違いない。
沢山違うことを考えることで悶える虫から目をそらしたい。
「うわ……」
そりゃあ声も漏れる。俺も、あとの二人も多分死のうとしている虫を見て嫌な顔をしている。
生命を手にかけたことに対して特に感慨はない。虫は滅ぶべし。それよりキモさが上回る。
芋虫ならまだ許せる。ちょうちょとか蛾はそこまでキモくないので多分今のは出来ない。かわいそう。
待てよあれ唯一の武器だし拾ってこなければマズいのでは?
「先を急ごう」
「えっ」
「斧はいいのか? ダメだろ!?」
くそ、ダメか。正直近づきたくないんだが。ひっくり返って足が丸まったなら死んだのは間違いないんだ。俺は詳しいんだ。
しかし夢の中の虫だぞ。念入りに潰しておかなければどんな風に襲ってくるか分からん。
「その剣を貸してくれ」
「えっ」
「杖でもいいから」
「えっ」
どっちも何を言っているんですかという顔だ。くそっダメか。
俺が同じ立場でも非常に嫌だ。気持ちは良く分かる。
でも今その立場に居るのは俺じゃないんだ。
「どっちでもいいから頼む」
「……分かった、俺の剣を貸すから」
A子さんは気づいているのかいないのか杖を抱きかかえ拒否の姿勢をとっている。
彼女の杖を守ってえらいなウェイ。根は真面目ないいこなんだな。
放っておけば虫は死ぬとは思いながらも俺は借りた剣を振りかぶって投げようとした。
「おい!?」
止められてしまった。やっぱりか。
ため息をつきながら近づくことにした。後ろから「いやいや、ええ!?」など不満の声が聞こえる。心を無にする。
俺はブラック会社で働いている心を無くした感情もすり切れたごみのような人生を送るサラリーマン。
給与は手取りでなくとも20を切っているし今年の夏のボーナスも出るのかどうかわからん。冬も。
どうしてこんな人生になったんだ。
そもそも俺って何を楽しみに生きているんだろう。休みか? 休むために働いているのか?
酒か? 食べる為だろうか。人は何処から来て何処に行くの?
とりとめもない考えのまま曖昧な判断力で剣をキモ虫の頭に叩きつけると、思ったより力が入ったのか
頭は潰れて謎の液体が飛び散った。誰かが息をのむ声が聞こえた。飛び散った液体は俺にかかっていた。
虫は間違いなく死んだ。俺の精神も死にそうだが。体が臭い。
**********
突き刺さった斧を剣ではじいてなんとか取り出した俺は、その後も順調に名前が良く分からない虫を5、6匹ほど駆除した。
頼むから出てこないでほしい。三種類くらいいて例外なくどいつも通常では考えられない大きさで足がたくさんあったし近づいてくるので絶対に殺すしかない。
八本以上ある奴がこないだけマシだと思うことにして感情を処理している。
ウェイとA子さんは何もしてなかった。なんだこいつら。出てくるたびにワンパターンで固まるんじゃない。
その剣と杖は飾りか。構えて1ターン経つタイプのゲームから出てきたのか?
「ユマルってやっぱりすごいんだな」
何匹目かの虫を絶対に殺すした後に、できるだけ感情を顔に出さないように俺の中では無能上司に接するようにウェイを見てやるとそんな感想を頂けた。
俺がすごくなくていいので俺の代わりに虫を殺ってくれ。できれば俺の知らないところで。この夢なげーな。まだ終わらねーのか。
「私達じゃできなかったかも」
もうちょっとこの夢を見ていたいような気もして来た。
若干髪の毛の色とか刺激が強いが可愛い女の子は見るだけで謎の回復感がわずかに得られる。
よく見たらA子さんもウェイも、髪の毛だけでなく目の色も青色だな。カラコンすげーな。すごいリアリティがある。コスプレだったらモデルになれそう。
しかし、実際感情を殺し虫を殺す作業はできてないしなんなら1ダメージも与えてない。
まあ可愛い女の子は出来なくてもしょうがないと思う。ウェイは頑張れ。
ところで俺はユマルだとしてこの二人なんて名前なんだ?別にウェイとA子で俺は困らないんだけどさ。
「アーは今日いいとこないね」
アーだった。ウェイより短くなった。ああああじゃなくて良かった。くだらない発想に自分で少し笑いそうだ。
いや少しだけ我慢できず、一瞬鼻息が荒くなってそれからこらえた。
「笑うなよ、そりゃ馬鹿にされてもしょうがないだろうけれどさ」
ああああ、じゃなかったアー君はちゃんと恥じているようだ。やっぱり見た目よりいい子のようだ。
アー君とA子さんか。いやこれじゃほぼ一緒じゃねーか。やめよう第二波が来てしまう。
A子さんの本名を知らなければ。アーも多分あだ名だろう。名前がアーアだったらどうしよう。
「イルもちゃんと役に立たなきゃ俺と一緒だからな」
自分だけで勝手に自爆しそうになっているとA子さんはイルという名前だったことが判明。良かった。
イルは杖を持っているがもしかして魔法とか使えるのだろうか。
そんなものはなくてまさかの杖術使いなのだろうか。
もしそうだったら何かのキャラクターとしては玄人好みすぎるな。
「魔法は使える?」
「え? ええ」
やはり剣と魔法の夢世界だった。どんな魔法があるんだ。
もし主人公がアー君だったとするならやっぱり女の子は回復魔法なのだろうか。
「あの、怪我でも?」
いやそうだった。まさか唐突に見てみたいからとか言うわけにもいかないだろう。
いやいいかな? 夢だしな。でも、夢でも若い女の子に何言ってるのこの人みたいな顔で見られるのはつらいな。
「いや、使えるならいいんだ」
「そう……?」
今は使えるか、状態異常の確認くらいのニュアンスになった。このくらいならセーフだろう。
喋りながら考えていたが当然彼らとのファーストコンタクトがあってこの俺にだけ目的のわかっていない旅が始まったと思うんだが、そこで何ができるのかもわからん臭いだけのホームレスと組もうとはならないはずだ。
今さらになって攻撃魔法とか回復魔法とか確認し始めたらこれはちょっと変じゃないだろうか。今更だったか。
っていうかそういえば俺というかユマルは魔法は使えないのか?
「俺って魔法使えると思う?」なんてなおさら聞けはしないが。
臭いだけでなく頭のおかしいホームレスになってしまう。しかも斧まで持ってる。
犯罪者の要素しかないがよくこいつらユマルと組んだな。元からの知り合いなのだろうか。
くそ、確認したいことが多すぎる。目が覚めたらどこまで覚えていられるだろう。
「魔封じの罠でもあったのか?」
「ああ――いや、気のせいだった」
「それならいいけど」
罠も探知できるのかユマル。俺はできない。盗賊兼任の前衛戦士か。
確かに見てくれはそんな感じもしてきた。どうすりゃいいんだ。
まあいいか。死んでも夢だ。目が覚めても職場で死にそうな現実だが。
いっそこの夢の世界で生きて行っても一向にかまわないぞ。温泉には入りたいが。
家族は居ないし兄弟とは驚くくらい疎遠で仲もよくなく、親は生きているが借金を作るしか能のないクソ親である。
友達も少ない。俺は生きている価値も意味もない、ブラック会社で使い殺されるのがお似合いの限界サラリーマンだ。うおおん。
むなしい。温泉に入りたい。疲れるまで入り倒してうっかりお酒を飲みすぎながら美味しいものを食べてもっとゆっくりしたい。そういふものにわたしはなりたい。
「ユマル!?」
唐突に声をかけられ、顔になにかネチャネチャしたものがまとわりついた。
すさまじい不快感。ぼーっとしていた。
慌てて両手で払いのけようとするが異様な粘着性でなかなか離れない。斧は落とした。
蜘蛛の糸だ。町の中で暮らし始めて忘れかけていたが、田舎に暮らしていたころではよく不意を突いてきたあれだ。ちくしょう。
ぶっ殺してやる。気づいたら最低に臭い体に虫の体液までかけられた体に蜘蛛の糸まで絡ませやがって。あっこれなかなか取れないぞ?
むしろ取ろうとした腕にも絡んできた。もう片腕を取られた感じすらある。マズいのでは?
「なにやってんだよ!?」
「ひえっ……」
2人の悲鳴が聞こえて、がさがさと葉っぱが揺れる音もする。
見上げると、木の中から4m、いや5mはありそうな蜘蛛が出てくるのが見えた。
俺は温泉に入りたいだけなのに。
6月26日
露天風呂の日です。
温泉に入りましょう。