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誰か異世界の常識を教えて!  作者: 三六九狐猫
第八章 想いを形に
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第72話 レッツショッピング?

 

 店内は広く、人々の声が木霊している。随分な賑わい様だ。


 さて、何を買おうか?


 咲桜へのクリスマスプレゼントを買うためにここへ足を運んだのだが、まずどのようなものを渡せばいいのかが分からない。


 行飛は「相手が欲しそうなもの」と簡単に言うが、咲桜が欲しそうなものといっても…。


 咲桜といえば漫画だが、自分の好きな漫画は発売日に本屋へ直行しているから、恐らく自分の欲しい物は全部持っている。


 あとは…その漫画のグッズくらいか?


 でも、それは期間限定品が主で、今は発売していない。というか、発売日に咲桜が──(以下略)


 といった感じで、咲桜は自分の欲しいものは自分で手に入れているため、俺の出る幕はなさそう。


 どうしたものか…。



「そういう時は、相手が好きな物を渡すのがいいぞ。その咲桜ってやつは本が好きなら、栞とかどうだ?」



「んー、そうだな…って、兄さん、心読まないでよ」



 兄さんたちの買い物を見守っていたはずが、いつの間にか目の前に。


 栞…栞かぁ。


 確かに、咲桜自信栞は何枚あっても良いとは言っていたが…。



「そんなに悩むより、まず良さそうな栞を見つけたらどうだ?ほら、案ずるより産むが易しって言葉があるんだろ?」



「なんでそんな言葉知ってんだよ…」



 簡略化のクイックサモンの時間は短いはずなのに、そんな言葉を知る余裕があるとは…。


 まぁ、兄さんの主張は間違いじゃない。ひとまず本屋に行ってみるか。



 ――――――――――――――――――――――



「栞…売ってなくない?」



「ないな…」



 そういえば、栞って本を買ったら着いてくることはあるが、栞本体を売ってるところは見たことがない。


 他のものを探すか。



「宛はあるのか?」



 店を出ようとしたその時。兄さんの声が響く。


 宛は、もちろんない。でも、咲桜にプレゼントは渡したい。


 そんな中、一人の男が、手を挙げた。



「なぁ、プレゼントっつっても、買わないかんっつーもんでもないぞ」



 今まで空気と化していた行飛。俺をこのショッピングモールに誘った張本人その人が、買わなくても良いと言っている。


 だとしたら…



「まさか、作るのか?自分で?」



「そりゃそやろ。丁度本屋におるんやけ、なんか作り方の本とか買おうや」



 確かに、手作りの方が費用が安く済むし、何より自分の好みに作ることが出来る。


 そういった観点から言えば、作った方が良いのかもしれない。


 しかし、それには技術がいる。俺は日本に来て一年も経っていないし、何かを作ったことなど殆どない。


 俺には、出来ない。



「って思ってるから言うけどなぁ、何をするにしても最初は出来ないんだよ。出来ない出来ないじゃなくて、やってみろ。勇気だせば何事も何とかなる」



「…」



 まずはやってみろ、か。


 そうだ、思えば俺はずっと、臆病になっていたな。勇気をだせ…。そうだ。やってみよう。



「じゃあ、やってみる。まずは何を買うか…」



「あー、それやけど、スマホで調べた方が良くね?」



「あぁ…」



 まったく、科学とは便利なものだ。

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