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誰か異世界の常識を教えて!  作者: 三六九狐猫
第七章 修学旅行
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第64話 男子会を経て

 

 そうして夜は予想以上の盛り上がりを見せ、翌日。



「今日で修学旅行終わりだが、レポートはしっかり書いてもらうぞ〜!京都しっかり楽しんでこい!」



 午前九時。少し量の多かった朝食をなんとかたいらげ、ホテルの入口へ。


 まだ張っているお腹を気にしながら、班ごとに分かれて京都を巡る。



「今日で終わりや〜ん。なんで一泊二日なんやろっか?去年まで二泊三日やったろ?」



「まぁ、予算とかそこら辺じゃね?」



 行飛と真也が文句を垂れながら、京都の街中を歩いていく。


 ミロットはもう帰ったので、梓がとても落ち込んでいる。もうミロットとは顔を合わせさせないようにしよう。


「ベラ、最初どこ行くんだっけ?」



「最初は法隆寺だな。その後に北野天満宮、最後に地主神社だ」



「ありがと、ほら梓ちゃん、元気だして!」



「はぁ〜。ショタのいない人生なんてクソだぁ〜」



 元々猫背な梓は、更にその背中を丸くさせ、体全体で落胆を表現している。


 これは当分調子出ないだろうな、と思いつつ、法隆寺へと歩みを進めた。




 ――――――――――――――――――――――


 そうして俺達は、何の問題もなく法隆寺南大門へ辿り着いた。


 広いく長い通路を抜け、俺達五人は奥へと向かう。



「建物が沢山あるね…。あ、それに、全部に仏像が置いてある。職人さんも大変だっただろうね」



「職人側のことを思うのは咲桜だけだと思うぞ?」



 敷地内の建物を見て周り、仏像を見ての感想、中の雰囲気などをレポートに書き込む。この作業はカリステアでもした事があるな、と思いながら、次へ、次へと首尾良く進めていく。





「──ふぅ、こんな感じかな。次行こうか?」



「ちょ、イュタベラ早いっちゃ!俺まだ半分くらいしか書けてない!」



「俺も!ちょい待って」



「あ、わたしもまだ書けてない。はぁ…ここにミロット君がいたらなぁ…」



 俺と咲桜は作業を終え、他三人は未だ必死にレポートを書き込んでいる。



 昨日あんな話をしたからか、真也と梓が並んでいるのを見て、お似合いなんじゃないかと思っている。


 真也は目付きの悪さに反して面倒見が良く、梓は一人で突っ走ろうとする所がある為、真也が梓の面倒を見る、ということになりそうだ。なるほど、将来像が見える見える。



「ベラ、どうしたの?にやにやして」



「え、あ、俺そんな顔してたのか?」



「うん、初めて見る顔だった。ふふっ」



「今笑ったな?人の顔みて笑ったら失礼だぞ?」



 レポートを書き終えた行飛が自主的に辺りを見回る中、二人を見ていた俺に、咲桜の声が響いた。


 いつも通りの、他愛のない会話。二人で笑い合う、ここへ来ての『常識』となった、平和な日常。


 そういえば、俺と咲桜は、他人からどう見えているのだろうか?


 いや、どう見えていようと、俺は今の咲桜との関係は崩したくない。よって、今の思考は無かったこととする。



 そうして二人で笑っていると──



「終わったー!」



「わたしも終わったよぉ〜…」



 二人の声。行飛も戻って来ており、次へと向かう。


 北野天満宮。勉学の神様へ会いに。

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