表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
誰か異世界の常識を教えて!  作者: 三六九狐猫
第六章 芽吹中文化祭
48/123

第47話 文化祭準備


 そうして芽吹中学校、ニ年一組の文化祭での出し物は決まり、今日から準備に専念する時間として、七時間目が追加された。普段は時間が伸びることに嫌がっているクラスメイトも、文化祭の準備となれば俄然やる気が違う。こう、背中とかに炎が見える感じだ。


 そして現在、六時間目の退屈な授業が終わり、七時間目に入ろうとしている。今は十分間の休み時間なのだが、皆はもう、「何から始める?」とか、「衣装作り任せて」とか、次の時間の準備をもう進めている。普段の授業との違いが面白い。


 と、そんなこんなで始業のチャイム音。と同時に、担任の矢野先生が教室の中へ。



「はーい、お前ら席つけー。で、性別逆転喫茶だっけ?何からやるんだ?」



 いつも通りの低く重い、しかし優しげな声音で俺たちに問いかける先生。その質問に生徒は手を挙げ、心をひとつに──



「衣装から!」

「レシピ決め!」

「内装しないと!」



「はい、取り敢えず落ち着こうな」



 ひとつなのは、文化祭が楽しみという気持ちだけだったようだ。


 ――――――――――――――――――――――


 その後話し合いの結果、内装の構造を話し合うことになった。さて、やるからには半端なものは作りたくないのだ。本格的な喫茶店を目指そう。


 各班で内装を考えながら、本格的な喫茶店にする為に必要なことを知る。


 そのためには。



「なぁ咲桜」



「ん?どしたのベラ?」



「喫茶店って、何するとこ?」



「えぇ…」



 あぁ、確かに漫画は読んだ。その中にメイド喫茶を文化祭でしている作品もあった。ただ、如何せん喫茶店で何をするのかは分からなかった。


 漫画で見た限りでは、ただ皆に料理を提供する場所のように見えた。ここでは料理店を喫茶店と言うのかと思ったが、ファミリーレストランというものがある時点でその仮説は違うと分かる。



「レストランとは何か違うのか?」



「んー、私も詳しくないから分からないけど…」



「けど?」



「確か、喫茶店は軽食だった気がする」



「ん?けーしょく?」



 聞いた事のない言葉の響きに困惑。『けーしょく』とは?



「軽食って言うのは、かるーい食事のこと。短時間で食べられる物のことだった気がする」



「短時間で…クッキーとかか?」



「うーん、まぁそれでいいんじゃないかな?あ、レシピ全部スイーツにして、スイーツ喫茶とかいいかも!」



「スイーツ…甘いものか。いいな、それ」



「ねぇ、これいいと思うんやけど、イュタベラ君達どう思う?」



 二人でレシピの案を出していると、班員から確認をとられる。話を聞いていなかった俺と咲桜は焦り、取り敢えず肯定。多分いい感じの内装だろう。



「あ、それとね」



 その直後、隣の咲桜が補足として──



「やるのは性別逆転喫茶。ベラはメイド服着るんだから、立ち振る舞いも可愛くね」


 

 片目を閉じて、やけに明るく俺に言った。


 それに対して俺は。



「…はぁ」



 ため息で応じるのだった。



 因みにだが、内装は俺達の班の案が採用されたようだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ