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誰か異世界の常識を教えて!  作者: 三六九狐猫
第六章 芽吹中文化祭
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第46話 文化祭らしい


 そんな旅行があり、夏休みを満喫した俺たち。


 休み期間とはあっという間で、今日からまた、学校が始まる。




 帰りのHRでの事。



「あー、そういえば忘れてたが、今学期は文化祭がある。なにがしたいか、明日までに考えとけよ。明日の朝に何するか決めるからな。んじゃ解散」



 実に一ヶ月と少しぶりに見る矢野先生がそう締め、下校する。



 下校途中──。



「なぁ、咲桜」



「ん?なぁに?」



「文化祭って何?」



 以前、俺のカリステアへの帰宅論争があった際、咲桜が少し口にしていたが、実態は未だ知らなかった。文化、と言うくらいだから、日本の文化を披露するものだろうか?


 大体の仮説を立てていると、咲桜はその細く白い指を自身の顎に当て、「んー」と一考。



「私も前の学校では文化祭って無かったからここのは分からないけど、漫画とかだとクラス単位で何か出し物したり、お店を出したりするらしいよ。あ、合唱大会が文化祭って学校もあったはず」



「んー、取り敢えず、自由ってことか?」



「分かんない。えへへ」



 うーん、何がしたいか、とは言われたが、明確な例がない以上、決め難い。明日クラスの人に聞いてみるか。




 ――――――――――――――――――――――


 そんなこんなで、翌日。結局何も案が出ず、クラスメイト任せに。一応昨日、咲桜から文化祭の事が載っている漫画を借り、読んではみた。ざっと四、五冊くらいだろうか?


 しかし、どれも雰囲気のようなものは似ていたが、肝心の内容が全てバラバラだ。


 あるものは喫茶店を展開し、あるものはたこ焼きを作ったりしていた。統一性がない。


 ということで、クラスの方々にご教授願おう。



「紗良、真奈美、何か考えてきたか?文化祭の案」



 手始めに女子二人。彼女たちはセンスがある。何か良い案を聞きたいところだ。それに、昨日読んだ漫画では、出し物は全て女子の案が採用されていた。期待しよう。



「んー、あたしはベタにメイド喫茶にしよっかなっち思っとるよー」



「まじ?あーしは性別逆転喫茶」



「へ?せいべつぎゃ…なに?」



 真奈美の口から紡がれる、初めて聞く単語。隣の紗良は納得したように「いいねー」と頷いている。



「性別逆転喫茶。メイド喫茶って可愛い衣装着て女子がやるやん?んで執事喫茶はカッコイイ衣装着て男子がやるやん?その衣装逆にするんよ」



「あー、メイド喫茶と執事喫茶の制服を逆転…なるほどな」



 幸い、メイド喫茶と執事喫茶は漫画に載っていたので多少は分かる。その制服を逆にするだけなら容易に想像可能だ。


 咲桜が執事服を着る…ふむ、いつもの可愛らしさが消えて、クールな印象になるな。服装でここまで変わるのか。


 そして、俺がメイド服を…。


 メイド服…。


 …。



 うわぁ…。


 これは却下だなぁ…。



「まぁ、面白いんじゃないか?」



「目逸らしとるけど?」




 その後、他の人にも聞いてみたが、皆揃って「喫茶店」と言う。



 そんなわけで、朝のHR。しかし、結果は見えており──。



「んじゃ、満場一致で、性別逆転喫茶に決定だな」



 はぁ、憂鬱だ。

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