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誰か異世界の常識を教えて!  作者: 三六九狐猫
第10章 誕生日の偶然
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第108話 レッツクッキング!

 

「っつー事で、行飛の家に来たんやけど、イュタベラ手作りチョコ作ったことあるん?」



「全然」



「やろうな」



 時間は丁度お昼時。


 場所を変え、実は初めての訪問となる、行飛の家にやって来た。


 親は毎日仕事で、普段から家には夜遅くまで行飛一人なのだという。


 親がいない以上家に入るのを躊躇ったが、そのいない親が友人が入ることを許可しているらしいのでこうして今キッチンに立てている。


 目の前には、手作りチョコの材料と思われる物がいくつか並んでいるが、どれも初めて見るので特に感想がない。


 それに、初めてこうして調理をするため、少し緊張している。


 咲桜のために、上手く作ることが出来るのだろうか。



「まーた咲桜さんの、こと考えよるやん。まぁいいや、作り方調べたやろうな?」



「まぁ、少しは。てか、俺そんなに顔に出てるか?」



 普段からクールキャラを演じているつもりなんだがな。おかしいな。


 とまぁ、そんなことはどうでもいいので。


 事前にレシピは読んだし、動画を見て完成品のイメージを固めてきた。


 今から作業に取り掛かれば、夕方までには完成するだろう。



「んじゃ、初めて作るんやけ、最初の工程やけど──」



「あ、すまん、もうやってる」



 行飛が手を叩き、作業開始の合図をする。


 が、つい気持ちがはやってしまい、既に第一工程に手を付けていた。


 意外に才能があるのかもしれない。自分でも驚く程に手際が良いと感じる。


 行飛と真也も「マジで初めてなん?」と驚きを露わにし、そして直ぐに自分たちの作業に取り掛かった。





 そうして作業は滞りなく進み、チョコレートと、デコレーションに使うホワイトチョコレートを溶かし終えた。


 溶かしたチョコレートを容器に流し込み、ホワイトチョコレートで模様を描いたら、冷凍庫に入れて固める。


 これで、チョコレート作りは殆ど終わりだ。のんびりテレビを見ているとしよう。


 少しして行飛と真也も作業を終えたらしく、俺が座っているソファに、俺を挟むように座った。


 そして、どこからともなく筆記用具と、どこかで見たような、少し厚めの紙を用意した。


 これは、何となくわかるぞ。


 そうだ、これは──



「よし、イュタベラも書くぞ──ラブレター」



「やっぱりか、それ凄く恥ずかしいんだが」



 かと言って速攻で書いてしまうあたり、俺は咲桜が好きすぎるのかもしれない。


 気づけば日は落ちかけていて、チョコレートも完成していた。


 完成したチョコレートを各自用意した小包にチョコレートを包装し、家を出た。



「じゃあ、お互い頑張ろうか」



「行飛はちょっと意味が違うけどな」



「お前はモテていいよなぁ」



 玄関前でお互いにそんなやり取りを交わしつつ、各々帰宅したのだった。

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