表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/20

7、後悔



お父さんが帰ってきてからはやっぱりひたすらに泣いた。ティッシュ一箱なくなるんじゃないかってくらい。


この時の私はだいぶ混乱していたんじゃないかな。ただ自分の気持ちの赴くまま酷いこともたくさん言ったと思う。それぐらい、気持ちが荒れていた。


「もー!!なんでなん?!もっと早くわからなかったの?!?!」

「本当に死んじゃうの?」

「お母さん可哀想だよ」

「タバコずっと吸ってるからだよ!」

「なんでもっと早くにわからなかったの」


こんなこと言うんだもん、お父さんをちょっと怒らせちゃったりもした。

……酷いこと言ってごめんね。


たくさんたくさん泣いて、お母さんも泣いて、お父さんはただただ涙を堪えているように見えた。


癌の中でも特に膵臓癌は発見が遅れてしまうことが多いそうで、最短で分かっても3ヶ月から1年前だったそう。

検査もしてもらっていたけれど、ある程度大きな病院でしゃないとわからなかったみたい。


ここすれば良かった、ああすれば良かったと後悔はたくさん出てくるけれど、今更後悔しても遅いのだ。



キッチンには5年前に横浜に遊びに行った時の写真が飾ってある。お父さんとお母さん、ツーショットでにこやかに笑っている写真だ。


これを見てお母さんは、


「この頃にはもう癌になっていたのかな……」


と悲しそうに呟いた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ