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2、お父さんとお母さん



お父さんは今年で60歳を迎えた。

特にこれといった趣味もなくて、あるとすればアニメを見たり漫画を読んだりするくらい。

仕事は大変みたいでストレスからか毎日仕事場でタバコを吸っては、お母さんに「やめたら?」と言われていた。


「“タバコをやめたらストレスで余計に悪くなる"って言うのよね〜」


とお母さんは困ったように教えてくれたけど、お母さんはもっと厳しくても良いと思うよ。


好きな食べ物はお刺身と脂っこいもの。

野菜は好きじゃなくて、結構偏食。


仕事も大変だけど、人間関係もなかなか難しいみたいで。

しかもあんまり友達作らなかったらしい。

親戚付き合いがあってもお父さんが友達と会って楽しんでいるのをあんまり見たことがない。


言い方は悪いけど、こういうのコミュ障っていうのだろうか。(私も例外じゃない……)


そんな父に母はニコニコしながら話しかける。

美味しいごはんを作る。

家事もきっちりこなす。

毎日明るくていつだって前を向いている。


「今までは子育てと介護とで忙しかったけど、老後はお父さんとゆっくり過ごせるからね〜」


と無邪気に笑っていた母。

今まで散々苦労してきたんだ。

やっとゆっくりできる。もう少しで年金ももらって2人で望んでいた生活ができる。


そう話してくれた矢先のことだった。






《電話で聞いた限りの父の容体》(11月5日現在)

背中の張り、お腹の膨張感、みぞおちの痛み、食欲不振。


緩和ケアにより癌からくる痛みは和らいでいるようだが、動くのが辛い様子。できれば寝たきりが良いようだ。



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