日記7 電話
12月21日。
お母さんとお父さんに電話をかけてみる。
ここ2週間くらいは家に帰れてなくて、あんまり様子も把握できていない。
コロナの影響もあって、そんなに頻繁には帰れないと思ったのだ。
お父さんの免疫力も弱ってるしね。
電話をかけると長いコールの後、お母さんの声が聞こえた。
「もしもしー」
「あ、雪大丈夫?」
「やばい。もうほんとにばか」
いつものゆるい感じでお母さんと会話をする。もうそんなに落ち込んではないみたいだけど。
雪は本当に酷くて、車通勤の私は結構苦労していた。
そんなことより、お父さんの様子はどうかな。
「え、調子はどう?」
「まあまあ。食欲はあるみたい」
「今日は何食べたの?」
「メンチカツ」
「いいなぁ!」
お母さんの作るメンチカツ、美味しいんだよね。お父さん食欲あるみたいで少し安心した。
そして、聞かなきゃと思ったことがーー
「え、はげちゃった?」
そう。抗がん剤治療をすると髪が抜けてしまうと聞いていた。
「ところどころはげた」
あ、やっぱりそうなんだ。
ところどころ……。
「見せてくれる?こうやってカメラで写して…」
そこで黒い帽子を被ったお父さんが画面に映った。
無理を言って帽子を取ってもらうと、案外まだ髪は残っていた。
聞くと、全部一気に抜け落ちるわけではなく、ところどころ抜けていく感じだそう。
髭とかも。
「スースーして寒い」
「へー!」
「家で点滴してる時ってどんな感じ?」
「ペットボトル入ったポーチを抱いて寝てるよ。痛み止め効いてるから辛くはない。そのあとが辛いかな……3から4日くらい」
「へー」
「なんか買ってきてほしいものある?」
「んーないかなー」
「じゃあケーキ買ってくる」
「あ、ケーキ買ってきてほしい。食べ比べするー」
そういえばお父さん甘いものとかケーキ好きだったね。
「おっけー」
というわけで、日曜日に実家に帰ることなった。年末年始だし家族でゆっくり過ごそうと思う。
ケーキって美味しいよね。
遅くなったけど、メリークリスマス。お父さん。




