9、家族旅行(1)
休憩を挟んだ後はすぐに旅館に向かう。
着いてから荷物を置き、サービスコーナーのドリンクを飲んで待っているとフラフラとやってくる弟の姿が見えた。
「あれ、ふけた?」
「ちょっ弟失礼すぎるwお父さんに会った?」
「まだ」
「そこに座ってるよ」
軽く貶され貶し返すのもいつものやり取りだけど、しかし弟はヘラヘラしてるなぁ。
すらっとしてニヨニヨ笑ってる弟は私の2つ下で、会ったのも2年ぶりくらいだ。
そんな弟もどんな顔してお父さんと会ったらいいか悩んでいたらしい。
遠目からお父さんと弟が会話している見ると割と普通に話せてたよ。
部屋はこじんまりしているけれど、窓が広くて外の色付いた木々が見える。
敷布団2人分、ベット2人分。入ってすぐに敷布団にはお父さんとお母さんが、ベットの方には弟と私が寝ることに決まった。
荷物を置くと弟が買ってきてくれたお土産を広げる。
「これは……冷えると悪いからって、あったかくできるやつ?」
「そう」
「これは……お父さんが食欲ないからツルッと食べられるように?」
「そう」
「これは……せめて美味しいものをってこと?」
「そう。正解」
弟と私はくくくっと2人して変な風に笑った。
ニット素材の靴下と蜜柑のゼリー、牛肉の美味しい食べ物、その他諸々を弟は買ってきてくれていた。
「どれがいいかわからなかったから、色々買ってきた」
「隙がないね」
「でしょ」
「じゃあ、まずはこのとても美味しいなチョコケーキを食べようか」
「いやいや、帰ってからでしょ」
「まだ早い」
「何言ってんのw」
む、半分冗談のつもりなんだけどな。
3人からは容赦ないツッコミがやってきたよ。
……こうやって4人でわいわいできる時間は、あとどれくらいあるのだろう。




