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レベルが違いすぎる……

 目の前を何かが高速で通り過ぎた。

 通り過ぎた先を見てみると、ウルフに魔法が当たっていた。

 きっと打ったのはスモバリーブさんだろう。

 前衛職ですら捌くのがキツイあの数のウルフを相手に後衛職のスモバリーブさんは一人で対処しているのだから、対処に精一杯で魔法の制御まで気が回らずに誤動作させてしまったのだろう。

 私はそう考え、ソーネクさんの方に飛んで行ったとはいえ、運よくソーネクさんには当たらずその近くのウルフに被弾してよかったとホッとした。

 しかし時間が経つ事に飛んでくる魔法の数は多くなっていた。

 その度に何故かソーネクさんの方に魔法が飛んで行くが全て近くのウルフに被弾していた。

 不思議に思いスモバリーブさんの方を見てみると、相変わらず次々とウルフの攻撃を避けているが、最初と比べて襲ってくるウルフの数は半分程に減っていた。

 それでも攻撃に当たることなく避けつつ攻撃できるのはすごいと思うが、魔法の誤動作をするほど追い詰められているようには見えなかった。

 反対のソーネクさんの方を見てみると、こちらもまた盾で次々と攻撃を防いでいた。

 よく見てみるとスモバリーブさんから減った分のウルフがソーネクさんの方に来ていたが、ソーネクさんの動きに変化はなく次々と防いでいた。


「危ないっ」


 ソーネクさんの動きを見ていると死角からウルフが攻撃をしようとしているのが視界に入り、思わず大きな声をだしてしまった。

 だが合わせたかのようにタイミングよく魔法が飛んできてそのウルフを倒した。

 私はそれにホッとしたが、隣のギルゼは違和感のピースが埋まったような顔をしていたが、次の瞬間には驚愕の表情をしていた。


「どうしたの? 何かあった?」

「いや、なんだ。まだ確証があるわけじゃないんだけど」

「そんなにはっきりしないなんで珍しい」


 ギルゼはこう見えて別のVRMMOでは実力のある名の知れたプレイヤーであり、その経験はこのゲームでも生かされいた。

 おかげで昨日はうまくレベルを上げることができた。


「俺の推測が正しかったら、それだけ彼らは常識では考えられないことをしているってことなんだろうな」


 ギルゼは二人を交互に見て畏怖と敬意を込めた眼差しを送っていた。


「まず最初はそれぞれでウルフと戦っていた。その時点ですらだいぶあり得ないことをやってのけてるんだけどそれは説明したよな」

「うん」

「アキも気が付いていたけど、スモバリーブさん魔法の誤動作起こしてただろ」

「うん、時間が経つにつれてその数は増えていってたけど、運よくソーネクさんには当たらずに済んでたよね」

「運良く、ね。あれ多分魔法の誤動作じゃないぞ」

「えっ!? どうゆうこと?」

「つまりあれは意図的魔法を反対側、つまりソーネクさんの居るほうに飛ばしてるんだよ」

「う、うそ」

「俺も最初は魔法の誤動作だと思ったけど、よく思い返してみろ。魔法の飛んでくるタイミング、魔法が当たるウルフが何をしようとしていたのか」

「……あっ、ソーネクさんを攻撃してた?」

「そうだ。更に言うとソーネクさんの死角から攻撃をしようとしていたウルフに魔法で当ててたんだよ」

「そ、そんなことがか、可能なの?」


 私は今もなおウルフの攻撃を避けているスモバリーブさんを見た。

 するとタイミングよくソーネクさんの方に魔法を飛ばし、そしてギルゼの言う通り死角から攻撃をしようとしていたウルフに命中した。


「…………」


 私は驚愕の余り言葉が出なかった。


「彼ら最初は個々でウルフに対処し、時間が経つにつれてウルフのヘイトを徐々にソーネクさんが引き連れる。すると最初より余力のできたスモバリーブさんはソーネクさんを援護する」

「それによりソーネクさんは死角からの攻撃を気にする必要がなくなり、より戦いやすくなる?」

「そうゆうことだ。離れているにも関わらず時間が経つにつれて二人の練度は高まっていくってことだ。しかもご丁寧に俺達の所にウルフが来ないように気を使いながらだ」


 私は改めて今も戦っている二人に尊敬を感じた。


「正直このことに気が付いた時、頭を強く叩かれた気分だったぜ。各職業事による戦闘の固定概念を無視した戦法。個々の戦闘力。お互いを実力を把握し、言葉を交わさずとも織りなせる連携力。正直レベルが違いすぎる」


 その後も戦闘は続いたが二人とも倒れることなく戦い続けていた。

 時間が経つにつれウルフの数も減っていき、私達の気を遣う余裕も出てきたのか、スモバリーブさんはこちらに向かって一言何か言っていた。

 声は聞こえなかったが、口の動き的には『練習』と言っていた気がした。

 直後ウルフが一匹こっちにやってきた。

 それをギルゼが一人で対処すると次は二匹のウルフがやってきた。

 次は私とギルゼの二人で対処した。

 するとまた次のウルフがやってきた。

 そうやって私達の無理にならないよう、それでいてギリギリ対処できる数のウルフをこっちに送ってきてきた。

 それに対処するので精一杯で集中していると、次のウルフがやって来ず辺りを見渡すと、200匹程居たウルフは一匹も居なくなっていた。

少しでも面白い、楽しいと思ってもらえたらブックマークや評価して頂けると嬉しいです。


次回は1/27㈬19時頃更新予定です。

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