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ウルフも黒い生物と一緒?

11/10 モンスターを倒した時のドロップ方法と宝箱の色を変更しました。

 だいぶ戦闘にも慣れて順調にレベルも上がってきた頃、事件は起きた。

 無理はしない程度にダンジョンを進んでいると、ドーム状に少し開けた空間に出た。


「ここ、如何にも罠ですよって感じが半端ないんだけど」

「だよなー、だがどうする? 一度戻って別の道を探すが、このまま進むか」

「今体力はどのくらい残ってる?」

「大体6~7割くらい。そっちは?」

「こっちはMPが残り半分ってところか」

「進むなら万全の状態にしとけば多少なら何とかなりそうだし、一旦休んでから進むか」

「りょーかい」


 俺達は休めそう所を探すため一度来た道を戻ろうとした時、ドーム内にアラームがなり響き、通路は突然現れた壁によって道が塞がれた。


「遅かったか」

「多分これ、この空間に踏み込んだ時点でトラップは発動してたんだと思う」

「ちっ、失敗したか。俺この後の展開が予想出来るんだけど」

「奇遇だな、俺も予想がつく」


 二人の予想の答え合わせかのように、突然ウルフがあちこちに現れた。


「「ですよねー」」


 俺達は予想道理の展開にため息をつきたくなったが、止まることなく増えるウルフに流石に焦りを感じた。


「おいおいおい、どれだけ増えるんだよ」

「パッと見た感じ100匹はいるんじゃないか」

「ウルフは群れで行動するってのがよくあるパターンだけど、ウルフもあれか? 1匹見かけたら100匹はいると思えってやつか?」

「絶対違うだろ。あの黒い生き物と一緒にするなよ」


 余裕を作るためにあれやこれや会話している間もウルフは止まることなく増え続けていた。


「で、こいつらどうするよ」

「どうしようかね。幸いすぐ襲ってくるわけでもなかったから回復することはできたけど、流石にこの数相手するのは辛いぞ?」

「だがどうする。試しに帰還魔法を使ってみようとしたが、使用できなかった」

「うわ、こいつさらっと人を置き去りにしようとしてやがった」

「もちろん帰還の羽も同様だった」

「つまるところ俺達に残された道は、このウルフの集団を全部倒すか、逆に倒されるかの二択と」

「ただ何もせずにやられるのは性に合わないし、やれるだけやってみるか」


 俺達のやるべきことが決まった時にはウルフの増加も止まっており、200匹程のウルフが俺達を囲んでいた。


「編成は?」

「とりあえずそれぞれ単独で各個撃破。無理そうなら連携」

「りょーかい。それじゃ開幕の挨拶をお願い」

「はいはい、ではとりあえず挨拶の炎獄魔弾‼」


 俺の上にはファイアーボールに似た、バスケットボールくらいの大きさでより赤々しい色の玉が1つ現れた。

 元々炎獄魔弾はガチャから出てきた魔導書から覚えた魔法で、本来はこんな序盤から使える魔法ではない。

 その為使用MPも多く、今の俺の総MPでは魔弾を1つ出すのでギリギリである。


 魔弾はウルフ達の真ん中に飛ばし、着地と同時に大爆発を起こし多くのウルフを巻き込んだ。

 俺はすかさずMPポーションを飲み、再度炎獄魔弾を発動させようとしたが、ウルフ達が突っ込んできた為ウィンドカッターで突っ込んできたウルフを片っ端から切り裂いていった。

 ソーネクも盾でウルフの攻撃を防ぎ、たまに盾で殴りつつもう片方の剣で順番に倒していく。


 道が塞がれた時、俺達は壁の近くにいたこともあり後ろからウルフに襲われることはなかったが、流石にこの数相手に今のレベルではきつく防戦一方であった。

 それでもなお反撃することが出来ていたのはガチャで出てきた装備やアイテム、そして今ままで数多くやってきたVRMMOの経験のおかげが大きい。


 戦闘が始まってから2時間、防御を第一に余裕がありば反撃を繰り返しウルフの数は半分程に減っていた。

 それから更に1時間、ウルフの数も減ってきておかげで反撃する数も増え、残りは20匹ほどにまで減っていた。


「はぁはぁ、残りはあれだけか」

「そう、みたい、だな」

「よし最後一気に畳み掛けるぞ」

「りょーかい、援護は任せろ」


 最後の力を振り絞りソーネクは前に突っ込み、初めて自ら攻撃を仕掛けた。

 それを援護するべく俺はMPポーションを片手にソーネクにバフを掛け、そしてソーネクが対応できないであろう攻撃やタイミングに合わせて魔法を飛ばして攻撃した。

 長年ソーネクと多くのゲームをしてきただけあって、動きを見れば言葉を交わさずともある程度は連携が取れる。

 

 魔法で動きをけん制を行いそれをすかさずソーネクが切り、最後のウルフを倒した。

 ウルフが光となり散ったのを目にし、周りにもウルフがいないのを確認すると、俺達はそろって大の字に倒れた。


「終わっっったぁ~。もー無理、動けない」

「流石にこの数はきつかった。マジなんで俺達生き残ってるんだろ」

「このモンスターハウス、絶対生きて返す気ないだろ」


 周りを見渡すと先ほどまでここに大量のウルフがいたとは思えないほど広々とした空間が広がっていた。

 だがよく見てみると、この空間の中央に金色の宝箱が1つポツンと存在していた。


「おい、あれ」

「なんだよ、今めちゃくちゃ疲れてるんだけど」

「俺も疲れてるよ。じゃなくてあそこ見てみろよ」

「どれどれ。ん~、あれは宝箱か」

「多分モンスターハウスの報酬じゃないのかな」

「開けてみるか。これでゴミみたいな物だったら切れるぞ」


 そう言いつつ若干ご機嫌なソーネクは立ち上がり、宝箱に向かった。

 俺も重く感じる体に鞭を入れ立ち上がりソーネクの後を追う。


 宝箱の傍に来ると、ソーネクは宝箱の蓋に手を乗せて俺が来るのを待っていた。


「よし来たな。開けるぞ」


 そう言うとソーネクは勢いよく蓋を開けた。

戦闘シーンってイメージできても伝えるのが難しい……


少しでも面白い、楽しいと思ってもらえたらブックマークや評価して頂けると嬉しいです。


次回は11/4㈬19時頃更新予定です。

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