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ダメ男あるいは悪女の純愛

作者: 春蘭まる

周りに気を使い過ぎてそうな

笑ってるのに笑ってないような

君の笑顔は本心が分からなくて

どこか怖い印象だった。


だけどそんな事もどうでも良くなる程

素敵な笑顔でもあった。


自分が嫌いで不真面目で自己中な僕

君がどんな人なのか知りたくなった。

興味本位だったのかあるいはもう…


春先の過ごしやすいまでは行かない

どこか肌寒い日

考えてもどうしようもない将来への不安

新しい環境への不安

人間関係の不安

でも何か期待してる

楽しくなればと漠然と期待してる

そんな中での出会いだった


皆んな同じ考えなのか

必死なコミニュケーションに見える

どこか冷めながらも周りに合わせて話してた


喋るのは嫌いじゃない

むしろ好きな方 そして割と得意な方

周りを見渡してどんな人達なのか

聞き耳を、立てて

必死にコミニュケーションを取っていた

どこか冷めてる自分の何かが嫌いで

押し潰しながら喋ってた


その内仲のいい人達ができる

男女限らず話したり

遊んだり

はたから見ても仲のいい友達

でも、あの子の笑顔はどこか冷めてるまま

気になって目で追っていた


たまに見せるようになった

本当の笑顔

僕にも見せて欲しいと思った

僕だけに見せて欲しいと思った

思ってしまった


色々話した

色んな所にいった

君は僕ほど不真面目じゃない

でも周りに思われてるほど真面目じゃない

いつも笑ってる強がり

でもそんなに我慢強くも無い

むしろ傷つきやすい

そんなに器用じゃ無いし

断る勇気が無い訳じゃないのに

周りより自分を押し殺す

自分の意見を強く言えない

そんな自分が大嫌い

ゴーヤは苦くて嫌い

パプリカは美味しく無いから嫌い

お酒は大好きで家族が大切

2人姉弟で弟の事が大好き

単身赴任のお父さん

2世帯住宅でおじいちゃんおばあちゃんを支えてるお母さん

飼ってる犬が大好きで

ディズニーランドが大好きで

好きなキャラクターはミッキーマウス

コナンとルパンが大好き



僕の事もいっぱい喋った

2人兄弟で仲が良い

家族が大好き

お母さんの体は強く無い

お父さんは就活中

飼ってる犬が大好き



どこか見栄を張って

真面目に任されたことはやり遂げる

おろそかにはしないが適度に手を抜くのが得意

適度に自己中で人の相談を乗るのが得意

メンタルが強くて頼り甲斐がある

君に見合う人になりたくて

頼られたくて

笑顔が見たくて見栄を交えて話してた


自分は世渡り上手な方だと思う

人からよく相談を受けるタイプ

それが君に見合ういい人になりたくてしていたのかは

もう分からないけど困ってる人は放っておけない

自分みたいな人間を頼ってくれる人をほっとけない



彼女から笑顔の数が減った

何故かは分からない

けどきっと僕のせい

自信のなさ過ぎる態度のせい?

やっぱり僕とは合わない?

そりゃそうだ僕なんか


僕と彼女のいくつかの共通点

我慢強いと思われてる

だから自分を押し殺す

周りの目を気にする臆病者

そんな自分が大嫌い


家に帰ると彼女がいた

何気ない会話

お酒を飲みながらダラダラ話した

ふと彼女が笑った

その笑顔は出会った時のどこか怖い笑顔



僕はあえて触れなかった

自分を押し殺した

いつかまた本当の笑顔が

見れる日が来るだろうと我慢強く

行動を起こす勇気がなかった


そっとしといた方が良いと

会うことを我慢した

時間を空けても変わらない


家事を積極的にやった

どこか甘えてた自分を反省して

積極的に

どれだけやっても変わらない

家事をしたんだから感謝してよ

そんな感情も芽生えた

僕も我慢してるんだから機嫌を直してよ

こんな感情も

最低だ



僕も彼女も人間だ

我慢はいずれ出来なくなる

どうせ振られるんだ

僕には不釣り合いの彼女なんだから


本当の感情を深く深くしまい込んで

違う感情を思い込む

何度も何度も思い込む

本当の感情には二度と届かなくなった

本心じゃない本心ができた


自分でも分からない

大嫌いな自分



彼女の帰りが遅くなった

でも機嫌は治ってきた

何があったかは分からない

でも本当の笑顔を見せるようになった

今思えばそれが

我慢しなくても良くなったという笑顔

久しぶりの本当の笑顔

彼女が意味深に言った

物件を探すのが好きなんだ



クリスマスの直前の引っ越し準備



広い部屋で一人暮らし

もう少しで普通の部屋に1人暮らし



おかえりただいまが癖付いてた

あれから続けた家事

帰って来る前に料理を作ろう

リビングで寝てたら怒られる

風呂上がりは水気を全部拭かないと

知らない間に染み付いたルール

もう必要無い

でも中々抜けない


何度も何度も思い込み

二度と届かなくなった本心

どんな感情だったっけ?

何で家事し出したっけ?


何の涙か分からない

なのに止まらない

もう何も分からない


君はズルい

覚悟を決めて本当の笑顔で言った

友達に戻りたい

何でも言えるのは自分だけだから・・・



僕は切り替えが早くて我慢強いと

君に言われた

そうしなきゃ

君の描く友達にならならきゃ

また思い込む

何度も何度も


また本心が届かなくなる

どんどん分からなくなる

周りの望んだ自分像

演じるのは苦じゃ無い

演じるのが本心

きっとそう思い込んだ事があるのだろう

いつかは分からない



新しい彼女ができた

この子の事が好きだと思ったのか

思い込んだのかもはや分からない

なぜか長くは続かない



生活のリズム

細かいルール

あの時のルールがもはや自分のルール

まだ抜けてない


ある日母親が倒れた

体が弱いのにずっと働いていた母

倒れることは初めてでは無い

君には全て話してた

自分では気づかなかったけど

話せるだけでも助けられてと気づいた

人には散々話すだけでも楽になるからと

アドバイスをしていたのにやっと気づいた



君に新しい彼氏が出来たことを聞いた

相談事に乗っていた

ちゃんと僕は答えれてるかな?

湧き出る感情を抑えれてるかな・・・


そのうち君がまた言った

あの時の私は子供だった

自分といるのはやっぱり楽だな



浮気相手になりたくは無い

浮気なんてしたらいけない

そう思って君を遠ざけた

自分の感情をまた潰して抑えて

君の事を思って遠ざけた

何度もやってきた事

また感情を潰すだけのこと



二度と会わない方が良いと何度も思った

でも頼りにしてくれてる人を裏切りたく無いとも思った

初めて自分に我儘になってみた



君が好き もう一度僕を選んでほしい



遅かった

今の君の中にはもう大きな新しい彼氏の存在があった


弟から泣きながら連絡があった

母親の味覚が無くなったと

嘘で美味しいと話す食卓が辛いと


また、話せる人がいなくなった

相談ってどうやってするんだっけ

弟にとっても頼れる兄貴いならないと


周りで彼女がいないのは自分だけ

仕事もそこそこの収入

漠然とした孤独感

自分は何にもなれてない気がしてた



結婚式で久々にあった

久々の友達もいた

元カノの結婚式

当然のごとくいじられる


あの子のウエディングドレス姿

とても綺麗だった

何故が笑顔で泣いていた

口では祝福してるのに

心では何故か後悔してた

周りの声に合わせた

おめでとうと

良い旦那さん


本心は分からなくなった

でも多分それは本心では無い


とっくの前に押し殺し

自分でも分からなくなった本心

あの子がきっかけで失った本心


あの子との最後の会話


あなたと出会えて本当に良かった

あなたと知り合えた私は幸せ者だ

本当に頼りにしてる


その笑顔は出会った時のどこか怖い笑顔


今後も頼られるのかも

頼ってくれるのならチャンスはあるのかも


自分のせいなのか

ダメ男あるいは悪女


答えはまだ出てない


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