いまさらラブレター【コント】
ボケ「す、き、で、す……つ、き、あ、っ、て、く、だ、さ、い……と」
ツッコミ「よぉ、何してんだ?」
ボケ「うわびっくりしたあっ!?」
ツッコミ「びっくりも何も、ゲーセン行くって話だったろ」
ボケ「あ、忘れてた……」
ツッコミ「で、何やってんだよお前は。放課後一人教室で」
ボケ「いや、これは……ってちょっとぉ!」
ツッコミ「なになに、『好きです。付き合って下さい』……ラブレターか?」
ボケ「そうだよ文句あるかよ」
ツッコミ「文句っていうか」
ボケ「何だよ」
ツッコミ「……いまさら? このご時勢に?」
ボケ「い、いいだろう別に! そ、それに文芸部のあの子にはこの方が伝わるんだって!」
ツッコミ「いいけど、お前国語の成績悪かったよな?」
ボケ「そっちだって良いわけじゃないでしょ……」
ツッコミ「……よし、調べるか」
ボケ「ですよねぇー」
ツッコミ「何々、古くは和歌を書いて紙にしたためたと」
ボケ「和歌か……あっ、知ってるのあった」
ツッコミ「お、いいじゃん」
ボケ「『祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり』」
ツッコミ「……よし、それでいくか」
ボケ「っしゃ埋まった!」
ツッコミ「それだけじゃ物足りないな……もうちょっと足そうぜ」
ボケ「あ、まだ覚えてるのあった」
ツッコミ「冴えてるな、どんなのだ?」
ボケ「松島や、ああ松島や、松島や……」
ツッコミ「……採用!」
ボケ「三行目いただきましたっ!」
ツッコミ「いや待て、松島さんだと誤解されるかもしれない」
ボケ「はっ、確かに!」
ツッコミ「そこだけ変えとこうぜ」
ボケ「よしよし、『田中や、ああ田中や、田中や……』」
ツッコミ「日本語は制覇したから、次は英語で書くか」
ボケ「やっぱりアイラブユー……かな」
ツッコミ「駄目だ、直接的過ぎる」
ボケ「えぇ……」
ツッコミ「いいか、こんな話がある。とある文豪がアイラブユーを訳したら、月が綺麗ですね、になったらしい」
ボケ「おお、それっぽいじゃん」
ツッコミ「だからお前が書く言葉は……」
ボケ「『This is a pen……!』」
ツッコミ「……決まったな」
ボケ「よし!」
ツッコミ「でもあれだな、こうしてみると……」
ボケ「な、何だよ」
ツッコミ「悪戯だと思われるかもな」
ボケ「た、確かに! 田中さん美人で人気あるからな……」
ツッコミ「よし、お前の本気度を伝えるんだ」
ボケ「どうやって?」
ツッコミ「何かあるだろ、こう思わず読んじゃう? 手が伸びる殺し文句って奴?」
ボケ「あー……あるねぇー……」
ツッコミ「とりあえずそれ書こうぜ」
ボケ「よし、じゃあまずは……『今ならフォロー&RTで10万円プレゼント』」
ツッコミ「仕上がってきたな」
ボケ「『送料無料!』」
ツッコミ「もう一声!」
ボケ「『ご飯大盛り……無料』だああああああっ!」
ツッコミ「完成……だな」
ボケ「ちょっと読んでみてよ」
ツッコミ「よし読むぞ。
『好きです。付き合って下さい。
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
田中や、ああ田中や、田中や……This is a pen……!
今ならフォロー&RTで10万円プレゼント。
送料無料! ご飯大盛り……無料!』」
ボケ「やべぇよコレ、歴史に残っちゃうよ……」
ツッコミ「そうだな」
ボケ「よし、じゃあ俺早速だけど田中さんの靴箱に入れてくるよ!」
ツッコミ「そうだ、残るぞこの手紙はお前の歴史に」
ツッコミ「……黒歴史にな」