アンドロイドメイドロイドは桜柳咲蘭の夢を現実での未来にさせるか
「いいんですか?ご主人様」
ロイドは自分が発した発言が正常に処理できずにいたようで、困惑した表情を見せた。
「僕はみんなのことが大好きだ。みんなのことを平等に愛していきたいと考えているんだ。だからロイド、二人っきりで街にお出かけ、いいえ、デートに行こう」
俺はペンシルとルームと二人っきりで街へ出かけたことはあるがロイドと二人っきりで出かけたことは虚無であった。それゆえ、ロイドに対して罪悪感を感じており、平均的に愛することの存在意義を考え直す色彩を持った眼をロイドに向けた。
「ご主人様、私はただのアンドロイドです。危険な場面で使いやすいように使ってもらうことに喜びを覚える戦闘用アンドロイドです。そのようなことをしてもらうなんて贅沢なことなどできませんよ……」
ロイドは目をそらしながら言った。彼の眼は悲しそうな表情をしていた。
「ロイド。僕は君のことを使い捨ての駒的な器械人間だと思ったことなど一切ないんだよ。君がいなければ今の自分はないし」
「ごっ、ご主人様」
「ミツマタで君を作った時に心も存在していたらと考えていたんだ。そしたら君のような表情と性格が豊かな人間以上に人間らしいアンドロイドが生まれたんだ。もし僕が作り上げたアンドロイドが「きみ」ではなかった場合僕はこんなことなど一切しないさ。ロイド、君は君だから僕は君とデートに行きたいんだ」
「・・・・・・」
アンドロイドメイドロイドの頰に液体が流れた。そう、それは彼女の涙であった。
「ロイド、涙を流すのはやめてくれ。僕は君の笑顔を見たいんだよ」
「さすがは、私のご主人様ですね」
そう言って彼女はこの世の美しさを一箇所に集中したような美しい笑顔で涙を拭きながら笑顔を見せた。
「今日はもう遅いから寝よう」
「おやすみなさいませ、ご主人様」
ロイドはぺこりとお辞儀をして僕の部屋を後にした。アンドロイドメイドロイドは本当にアンドロイドなのだろうかと本当に疑問に思ってしまう。彼女のような人間のようなアンドロイドは人間なのだ。人間の心を持っていればたとえ体がアンドロイドでできていたとしてもそれはもはや人間であるのであろう。それでいいのだ。それで僕は幸福を感じて楽しい生活を過ごすことができるのだ。そして次の日、僕とロイドはミツマタで作った自動車に乗り、王都周辺の街並みを散策した二人っきりのデートを楽しんだのであった。もちろん、屋敷のみんなへのお土産を手にして。
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