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日常
大嫌いなはずだった
小さい頃から兄貴はよく可愛がられていた
笑顔で皆を喜ばせていた
でも俺は…?
『お兄ちゃんとは違うのね?』とか
『ほんとに兄弟なの?』とか
笑う事が苦手な俺はよく言われた
大きくなると慣れてきている自分がいた
それにもイライラしていた
あれから一年
俺は高校生になっていた
「……」
時間を見るとそろそろあいつが来る時間
ドタドタドタッと走ってくる音がする
ほら、来た。
「瑛ちゃん!学校行こうにゃ!」
「行かねぇよ。俺の分も飯食っといて」
「またかにゃ!?」
こいつは俺の幼馴染み 富美 琴音
引きこもりにならないようにとこうやって毎日声をかける
「…まだあの事引きずってるにゃ?」
「………」
「その…仕事が忙しいとかそんな理由だと思うんだにゃ!だから…!」
「琴音。」
「にゃ?」
「ハウス。」
「にゃー…」
あの事はもう終わった事だ。